2017年11月7日火曜日

SDS-PAGE

ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミド電気泳動(Sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide electrophoresis、通称SDS-PAGE)は、タンパク質の分離と検出に使われる実験系である。

SDS-PAGEでは、2枚のガラス板の間にポリアクリルアミドゲルを作製し、分子ふるい効果によってタンパク質などの高分子を分離する。SDSを用いてタンパク質を陰イオンに荷電および変性させることで、タンパク質の電荷や構造に依存せず、分子量に依存してタンパク質を分離させる。

必要な器具
ミニゲル用ガラス板
スペーサー
コーム
ミニゲルスラブ電気泳動装置
クリップ
電源装置
※日本エイドー株式会社などのHPを見て一式を揃える。




必要な試薬
30%(w/v)アクリルアミド/ビス混合溶液(一般的には37.5:1)
4x Running gel buffer
4x Stacking gel buffer
10% APS(過硫酸アンモニウム)溶液 ※遮光して冷蔵保存
TEMED溶液
4x Running gel bufferは、Tris 36.4 gとSDS 0.8 gを180 mL程度のMillQ水に溶かし、HClでpHを8.8に合わせ、その後250 mLにメスアップする。4x Stacking gel bufferは、Tris 12.2 gとSDS 0.8 gを180 mL程度のMillQ水に溶かし、HClでpHを6.8に合わせ、その後200 mLにメスアップする。


これらの試薬を以下の比率で混ぜる。


15%ゲル
12%
8%
6%
Running Gel Buffer
3.75 ml
3.75 ml
3.75 ml
3.75 ml
滅菌水
3.6 ml
5.1 ml
7.1 ml
8.1 ml
30%アクリルアミド溶液
7.5 ml
6.0 ml
4.0 ml
3.0 ml
APS
180 μl
180 μl
180 μl
180 μl
TEMED
18 μl
18 μl
18 μl
18 μl
※ミニゲル2枚分





Stacking Gel Buffer
1.5 ml
滅菌水
3.5 ml
30%アクリルアミド溶液
1.0 ml
APS
80 μl
TEMED
μl


SDS-PAGEゲルの作製
※ガラスや毒物を扱うため、安全には充分に注意をする。
SDS-PAGEのゲル板を組み立てる。

TEMED以外を予め混ぜておいたRunning gel溶液をビーカーに用意しておく。

Running gel溶液にTEMEDを加え、すぐによく混ぜる。

ゲル板に溶液をそっと流し入れる。

すぐに上からイソプロパノールを2, 3mL程度重層する。

20~30分くらい静置する。

イソプロパノールを捨て、3~5 mLの蒸留水を静かにゲルに注ぎ、捨てる。この洗浄操作を2回繰り返す。

TEMED以外を予め混ぜておいたStaking gel溶液をビーカーに用意しておく。

Staking gel溶液にTEMEDを加え、そっと混ぜる。

Running gelの上に重層し、すぐにコーム(くし)を挿す。

30分間以上静置する。その後、乾燥しない工夫をして、冷蔵庫で保存する。
用意したサンプルをアプライし、Stacking gelの部分までは10 mA~15 mA、Running gelの部分では20 mAで通電する。ただし、電圧の値が上がりすぎた場合(180 V以上)は、電流値を下げる。

ゲル板からゲルを外し、染色やウエスタンブロッティングなどに用いる。

※プロトコールにつきましては、必ず他の文献などでもご確認ください。

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