2017年11月10日金曜日

プレスリリースとは?

昨日明治大学のホームページより、2件のプレスリリース同時を行った。
https://www.meiji.ac.jp/#tab2

1. ラン藻の乳酸脱水素酵素の生化学解析
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2017/6t5h7p00000pmv9h.html

2. ラン藻の遺伝子クラスター解析とコハク酸生産
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2017/6t5h7p00000pmvfs.html

プレスリリースとは、報道発表のことであり、報道機関などに向けて、情報を告知・提供することである。一般の人だけでなく、プレスすなわち報道機関・メディア(新聞社、テレビ局、ウェブニュース運営会社など)に向けての情報告知であるという点が1つのポイントである。

報道機関はプレスリリースをすべて記事にするのではなく、ニュースバリューがありそうなものを選択して記事にしていく。ただし、紙面には限りがあるが、Webの場合は大量の情報を掲載することができる。最近はWebのみで研究機関や大学のプレスリリースがそのまま転載されることもある。

朝日新聞デジタル版でも、@pressというサイトがそのまま転載されているらしく、乳酸脱水素酵素の記事も下のようにリンクされている。
http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/CATP2017142751.html
@pressというサイトがどれくらいの記事をリンクしているかは定かではないが、科学技術だけでなく幅広くプレスリリースを集めているらしい。

環境バイオテクノロジー研究室では、科学技術振興機構(JST)のALCAという研究費を使用しており、他にも日本学術振興会(JSPS)の科研費(新学術領域、分担)も使用している。これらの予算は税金であり、研究をする以上はその結果を世間に発表することが求められる。

一般的には学術論文にして研究成果を世界に発信するのであるが、学術論文は専門家以外が理解することは極めて困難である。近年は高度に専門が細分化されており、少し分野を外れると、原著論文を読むにはかなりの労力を要する。

そこで、上記のようなプレスリリースを行う。論文を和文に訳し、なるべく一般の人でもわかるように平易な単語を使って記事を書く。これがなかなか難しく、研究室で当たり前のように使っている専門用語が説明なしには使えないので、文章の作成に四苦八苦することになる。

また、ビジュアルについても論文と全く考え方が異なる。論文では、意味もなくグラフを3次元したり、影をつけたりしてはいけない。なるべくシンプルに書くことを要求される。一方で、プレスリリースではいかに目を惹くかが重要であるため、グラフを立体的にしたりしてもよい(もちろん数値を変えたり、誤解を与えるような表現にしてはいけない)。原著論文とプレスリリースでは正反対のことを要求されるので、この頭の切り替えがなかなか難しいのである。

自分の研究を人にわかりやすく説明するのはとても難しい。しかし、とても勉強になるし、内容だけでなく、世の中の情報の動きを垣間見ることもできる。

論文を投稿してアクセプトされそうになったら、急いで和文の記事を書かなければいけないのでとても大変なのであるが、環境バイオテクノロジー研究室では、プレスリリースを積極的に配信するようにしている。新聞やその他メディアで取り上げられると、純粋にうれしいことも大事な要因である。

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