2017年10月31日火曜日

生田キャンパス教職員バス

明治大学生田キャンパスは、小田急線の生田駅より徒歩10分の距離にある。学生たちはこの距離を歩いて登校している。

最寄りの小田急線生田駅であるが、各駅停車しから止まらないという難点がある。隣の向ヶ丘遊園駅には急行などが止まるので、そこで乗り換える必要があるのだが、なかなか各駅停車の電車が来ずに通学に時間がかかることもある。

学生たちにはずるいと言われてしまうかもしれないが、教職員には、専用の教職員バスが存在する。
このバスは、向ヶ丘遊園駅と生田キャンパスを往復している。途中の停車はなく、直結であるためおよそ10分間で向ヶ丘遊園駅-生田キャンパス間を走行している。

教職員バスでは、すべて座っての乗車になっており、立ち乗りは認められていない。飲食なども禁止になっている。雨の日や会議が集中する場合には乗車率が上がることがあり、たまに座席がいっぱいで乗れないこともあるが、概ねうまく時間が組まれていて、乗れるようになっている(長年の経験から予測ができているのだろうか)。

少し前はTAやRAをやっている大学院生も乗車できたようだが、人数が増えてしまったため、現在では教職員だけになっている。外部の講師の先生方もこの教職員バスを利用して、講義に来られることがある。

朝夕の通勤時間帯は1時間に4〜5本、それ以外は1時間に2〜3本のバスが出ている。それほど多いわけではないが、教職員にとっては非常にありがたい通勤手段である。

特に、向ヶ丘遊園駅とその隣の登戸駅は歩いて6、7分間の距離である。登戸駅は小田急線の他にJR南武線がある。このため、小田急線が遅延しても、登戸駅までたどり着くことができれば、向ヶ丘遊園駅まで歩いて教職員バスに乗ることができる。このように、電車の遅延対策も兼ねているのである(学生が遅れたら仕方ない気もするけれど。。)。

夏季休業期間にはバスの本数が減ってしまうのが、難点でもある。夏休みにも研究やその他の仕事はあるので・・・そのままの運行にしてほしいのであるが、それは贅沢なのかもしれない。

ということで、あまり知られていない、生田キャンパス教職員バスの紹介でした。

2017年10月30日月曜日

研究室の年間スケジュール

よくある質問の1つが研究室の年間スケジュールである。

環境バイオテクノロジー研究室では、大まかな年間スケジュールは以下の通りである。
年度は4月スタートであるけれど、3月に新メンバーが決定するので、3月から記載。

3月
◯研究室の新メンバー(新3年生)決定
学会(日本植物生理学会、日本農芸化学会、ゲノム微生物学会など
卒業式

4月
◯新3年生の基礎実習
◯花見、生田キャンパス内(下旬)

5月
◯新人歓迎会
◯新3年生の仮テーマ決め
◯バレーボール大会(学生のみ)

6月
◯新3年生の専門実習(それぞれのテーマに分かれて、実験手法などを学ぶ)

8月
◯研究室旅行(ただし、2017年度は10月)
◯ユーグレナ研究会(関係者のみ、また日程が変更になる場合もある)

9月
◯日本植物学会、日本生物工学会

12月
◯忘年会

1月
◯卒論の初稿提出

2月
◯卒論発表
◯卒論完成
◯追いコン(3月の場合も)

という感じだろうか。

もちろん、他にも色々とイベントがあり、例えば論文が採択になると、ケーキを買ってきたり、飲みに行ったりする。論文が複数採択されたので、近々焼肉でも行く予定である。

その他、学生たちでの個別な飲み会や旅行などもあるようだが、把握はしていない。当然かもしれないが、イベント・飲み会・研究室旅行への参加の強制は全くない。家族旅行やサークルの飲み会を優先する人もいるので、全てのイベントは自由参加である。環境バイオテクノロジー研究室は基本的に自由である(実験の安全に関わるもの、機器の使用ルール、掃除・廃液当番などは除く)。

研究室旅行は、慣例では関東甲信越近郊に一泊する形になっている。これまでは秩父や山梨、箱根などである。貸切バスで大学から出発することもあれば、現地集合、現地解散の場合もある。その時々で臨機応変である。ワイン工場・ビール工場の見学やカヌー、秩父名物かき氷、バーベキューに花火など、いろいろなイベントが開催される。研究室旅行については別の記事で紹介します。

研究イベントに関しては、割と普通の研究室かもしれない。ただし、これは学生のキャラクターに大きく依存するので、形は変わっていくと思う。

飲み会の数は取り立てて多い研究室ではないが、これが適正な回数なのか(もっと飲み会を行なった方が良いのか)は、わからない、、、。各学生によって、適正なイベントの数も違うと思うので、自分なりにイベントに参加すれば良いと思う。

学会に関してはまた別の機会に紹介します。

2017年10月29日日曜日

生田キャンパスの食堂

明治大学生田キャンパスには食堂がいくつかある。2つの学部だけとはいえ、たくさんの学生が学んでいる。

メインの食堂は、3階建ての建物の中にある(下図)。
2階、3階にそれぞれ別の食堂が入っている。平日は昼から夜まで営業しており、土曜日は昼のみである。夏休みなどでは営業時間が縮小することになっていて、2階または3階のどちらかの食堂が営業することになっている。

食堂のメニューは通常の食堂と同様に唐揚げやハンバーグなどの定食、丼もの、そば・ラーメン・スパゲティなどの麺ものがある。また、3階ではコーヒー・カフェラテなどのカフェ系のドリンクに、チュロスやタルトなどのデザートの販売コーナーもある。まかない飯なんかも販売されていて、食欲のある若い学生に安くお腹いっぱいになるように工夫されている。ご飯の量は、普通サイズでも結構多いので、少食の人は注意が必要である。

生田キャンパスにはさらに飲食を提供する場所があり、麺処(めんどころ)といって、そばやうどん、そしてカツ丼・親子丼などに特化した食堂もある(下図)。一般的なそばやにあるメニューがある。その横にはカフェがあり、コーヒーやパンなどが販売されている。


しかしながら、学生の多い明治大学。理工学部と農学部だけとはいえ、学部生・大学院生に加え、働いている教職員を合わせると、これらの食堂はいっぱいになる。

教職員には専用の教職員食堂もある。

また、この他に、ランチ時にはワゴン販売として、弁当が2箇所で売られており、さらに日替わりでケバブなどの販売車もやってくる。

このように、生田キャンパス内には多様な食堂があるのだが、この原因の1つが、大学を出てすぐの場所に飲食店が少ないことである。

生田キャンパスは、生田坂を登った場所にあり、建物にしておよそ5階分登ることになる。この距離を往復しなければならないため、ランチを外で食べる学生が少なく、結果として飲食店が少なくなってしまったのだろう。キャンパスもなかなか広いので、移動が大変である。

コンビニのおにぎりやサンドイッチで済ませることもあるが、午前の授業がちょうど終わる時間(12時半)になると混雑が必死であるので、学校生活に慣れてくるとお昼ごはんを持参する人も多いようである。


2017年10月28日土曜日

糖代謝を制御するSigE(シグイー)

"Positive regulation of sugar catabolic pathways in the cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 6803 by the group 2 sigma factor sigE."

Osanai T, Kanesaki Y, Nakano T, Takahashi H, Asayama M, Shirai M, Kanehisa M, Suzuki I, Murata N, Tanaka K.

J. Biol. Chem. 2005, 280:30653-9.



https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15944148

この論文は、私の最初の論文であり、大学院博士課程2年生の時に初めて出版した論文である。当時は東大分子細胞生物学研究所の田中寛教授(現 東工大化学生命科学研究所)の研究室に所属していた。

RNAポリメラーゼは、転写(DNAを鋳型としたRNAの合成)を行う酵素である。細菌のRNAポリメラーゼは複数のタンパク質からなり、このうち、プロモータDNAに結合し、転写を開始させるタンパク質をシグマ因子(σ因子)という。

一般的に、細菌はシグマ因子を複数有しており、シグマ因子を切り替えることで、転写する遺伝子の種類と転写量を変化させることができる。

単細胞性非窒素固定型のシアノバクテリアであるSynechocystis sp. PCC 6803には、9つのシグマ因子SigA~SigIがある。シグマ因子を切り替えることによって、転写プロファイルを変えると考えられているが、その切り替えについては未知な点が多かった。

このうち、SigEは窒素欠乏時に発現誘導を受けることが知られていたが、その制御下にある遺伝子は不明であった。

この論文では、sigE欠損株を用いてトランスクリプトーム解析を行った。その結果、sigE欠損株では、グリコーゲン異化、解糖系、酸化的ペントースリン酸経路といった糖異化酵素遺伝子群の発現が包括的に低下していることがわかった。

sigE欠損株では、酸化的ペントースリン酸経路の鍵酵素の活性が低下していたり、暗条件で生存率が低下することもわかった。



このように、この論文ではSigEという因子が糖異化(糖の分解経路)を包括的に制御する因子であることを明らかにしたのである。糖の代謝ではなく、異化反応、すなわち分解反応のみがSigEの制御下にあるという点が重要である。SigEを使うことによって、糖の流れを決定することでできるのである。

また、SigEの制御下に入っている酵素遺伝子を見てみると、不可逆反応の酵素が多いことがわかる。可逆反応の酵素を増やしても代謝の方向は変わらないが、不可逆反応の酵素を増やせば代謝の方向が決まる。生物は実によくできていると感心させられる。

このように、代謝経路レベルで制御するシグマ因子というのは、他の生物でもあまり例を見ず、非常に珍しい発見であった。

2017年10月27日金曜日

シアノバクテリアの培養

シアノバクテリア培地作製と培養条件
シアノバクテリア(Synechocystis sp. PCC 6803、Synechococcus elongatus PCC 7942, Synechococcus sp. PCC 7002など)の培地には合成培地であるBG-11(ビージーイレブン)を用いる。

※プロトコールにつきましては、必ず他の文献などもご確認ください。

BG-11の作製には、ストック溶液を6種類作り、培地を作る際に混合していく。ストック溶液はすべて冷蔵で保存する。HEPES bufferストックのみオートクレーブで滅菌する。I液はフィルター滅菌。

培地

●I液 Citric acid 0.6 g
Ferric ammonium citrate 0.6 g
Na2EDTA 0.1 g /200 mL

●II液 NaNO
3 30 g
K
2HPO4 0.78 g
MgSO
4・7H2O 1.5 g /1L

●III液 CaCl
2・2H2O 3.8 g /200 mL

●IV液 Na
2CO3 4 g /200 mL

●V液 H
3BO3 2.86 g
MnCl
2・4H2O 1.81 g
ZnSO
4・7H2O 0.22 g
CuSO
4・5H2O 0.08 g
Na
2MoO4・2H2O 0.021 g
H
2SO4 10% H2SO4 50 uL
MilliQで1Lにメスアップ後に、Coを加える。
Co(NO
3)2・6H2O 0.0494 g

●1M HEPES-KOH (pH7.8)

I液はx500、II液はx20、III液はx500、IV液は x1000、V液はx1000、HEPESはx50のストック溶液。
上記をII液、HEPES、III液、IV液、V液順番にメスシリンダーに入れていく。その後、MilliQでメスアップし、メジュームビンに移しオートクレーブ。オートクレーブ後、溶液が冷めたらI液を加える。

液体培地の作製

I液以外のストック溶液を混合し、MilliQでメスアップ。オートクレーブをかけ、冷めたらI液を加える。

固体培地の作製

※アガーの終濃度は1.5%。
オートクレーブ用のフラスコorメジュームビンを2つ用意。
片方に、I液以外のストック溶液を混合し、MilliQでメスアップ(終濃度の2倍の濃さにする)
もう片方に、3%アガーと2 mMチオ硫酸ナトリウムを加え、MilliQでメスアップした溶液を等量作製。
別々にオートクレーブ。少し冷めたところで、混合し、I液を加える。プレートにまく。

窒素源について
通常の実験は、窒素源としてNaNO
3を使うが、NH4Clを使う場合もある。我々の研究室では、前培養にNaNO3を使うが本培養にはNH4Clを使っている。
窒素欠乏培地BG-11(-N)の場合は、II液を加えず、代わりにK2HPO4 溶液、MgSO4・7H2O 溶液を別々にx50の濃度で作って保存しておく。また、500 mM NH4Cl溶液を作製し、使用直前にBG-11(-N)培地に終濃度5 mMとなるように加える。

培養条件

●光条件 White Light, 30 ~ 100 μmol photons/m2s
●CO2濃度 液体培地用に1~3%(本来3%と言われているが、節約している場合が多い)。我々の研究室では1%CO2 in Airである。プレートはAirで育てている。


●プレートは、2週間に1回程度植え継ぐ。植え継ぎ過程で、Suppressor変異が起こることがあるので、かならずフリーズストックをとっておき、たまにフリーズから起こす。

●Growthは、OD730 nmまたはOD750 nmで濁度を測定する。

 OD730 = 0.4で大体 8 x 10E7 cells / mlと言われている。

●生理学実験を行うときは、遠心に注意。培地交換などを行う場合は、室温で遠心。または、遠心ではなく、フィルター置換を行うとよい。


フリーズストックの作製法
方法はいろいろあるが、大腸菌と異なり、集めるCellの量を多くし、グリセロールではなくDMSOを使う。

OD730 = 1~2くらいのCellを30~60 mLエッペンに集める。

遠心(必ず室温で!)

CellをBG-11 500 μLのBG-11に懸濁

DMSO 40 μLを加える。ピペッティングでよく懸濁する。

-80℃に保存。

使うときは全部を溶解せずに、一部をかきとって、プレートに塗る。


薬剤濃度(BG-11プレート)

Km (カナマイシン)50 μg/mL
Cm (クロラムフェニコール)20 μg/mL
Sp (スペクチノマイシン)30 μg/mL
Gm (ゲンタマイシン)3 μg/mL(※液体培養の時は0.3μg/mL

微細藻類とは?(2)ユーグレナ

環境バイオテクノロジー研究室では、シアノバクテリア以外の研究も行っている。シアノバクテリア以外の研究対象の1つがユーグレナである。



ユーグレナは、別名ミドリムシとして知られている。細胞長がおよそ10〜30 μmの単細胞真核藻類である。小学校の頃にため池から水を汲んできて、顕微鏡で観察したことがある人もいるかもしれない。

ユーグレナは、現在、株式会社ユーグレナによって健康食品として工業的に生産されている。科学未来館などてでミドリムシクッキーとして販売されてテレビなどのメディアで紹介されて火がつき、その後、ジュースやお菓子、ハンバーグなどにもミドリムシが入れられて、商品の話題性の向上に一役買っている。

ユーグレナは、藻類であるため光合成を行うことができる。真核生物なので、葉緑体やミトコンドリアなどのオルガネラを有する。その他、赤い眼点という組織を持つなどの特徴がある。

鞭毛を有することで水中を移動することができる。また、ユーグレナ運動という独特のねじり運動が可能であり、細胞の形を自由に変化させることができる。

ユーグレナは食品として知られているが、株式会社ユーグレナやその他の企業がコラボレーションして、ジェット燃料の生産にも応用されようとしている。

当研究室では、ユーグレナが嫌気条件(酸素がない条件)で、コハク酸を生産することを発見した。コハク酸は、クエン酸回路の代謝産物として知られているが、実はコハク酸はプラスチックの原料となるのである。クエン酸サイクルといえば生物を選択する高校生は覚えるので、コハク酸は高校生でも知っている物質になる。しかし、このコハク酸がプラスチック原料となることは意外と知られていない。

このように、環境バイオテクノロジー研究室では、ユーグレナを用いて二酸化炭素を原料としたプラスチック原料の生産を行っているのである。さらに生産量を向上させる方法の開発を行っている。

ミドリムシからプラスチックなんて説明すると、多くの場合非常に驚かれる。ユーグレナのポテンシャルはまだまだいっぱいあるのかもしれない。

微細藻類とは?(1) シアノバクテリア

詳しい研究内容は「研究紹介」のカテゴリーで行うが、ここでは簡単な説明を行っていく。

環境バイオテクノロジー研究室では微細藻類の研究を行っている。藻類と言えば、海苔や昆布、ワカメなどが有名である。「微細」とついているだけあって、たとえば昆布のような大型藻類は現時点では扱っていない。要するに、「小さい藻類」の研究を行っているのである。

研究対象の1つがシアノバクテリア(cyanobacteria)である。シアノバクテリアは別名ラン藻、アオコとも呼ばれている。シアノバクテリアと検索すると、水槽での駆除方法などが見つかる。水槽で魚などを飼っていると、緑色になってしまうことがあるが、その原因の1つがシアノバクテリアである。

シアノバクテリアは、「バクテリア」と名付けられているだけあって、細菌、すなわち原核生物である。他の藻類はすべて真核生物になっている。厳密に藻類と言う場合には、シアノバクテリアを外すこともある。

シアノバクテリアの特徴は、酸素発生型の光合成を行うことである。酸素発生型の光合成とは、植物と類似の光合成を行うことであり、すなわち光エネルギーを用いて水を分解し、そのエネルギーで糖を作り、副産物として酸素を発生させることである。他にもサーカディアンリズムを有していたり、フィコシアニンという青色色素を有するといった特徴がある。

一口にシアノバクテリアといっても非常に多様な生物である。もっとも広く使われているシアノバクテリアの1つにシネコシスティス(Synechocystis sp. PCC 6803)がある。この生物は、1996年に全ゲノムが決定され、全生物の中でも3番目にゲノムが決定され、しかも日本独自のプロジェクトであった。日本のゲノム研究に燦然と輝く歴史を持つのである。

シネコシスティスは、淡水性の球菌である。窒素固定は行わない。

直径が1.5~2.0マイクロメートルである。倍加速度が6時間程度と、他の藻類に比べて非常に速く増殖する。

また、もっとも大きな特徴が、遺伝子改変がしやすいことである。相同組換えによって、自分の狙った場所に遺伝子を導入することができる。また、形質転換の際には、プラスミドと細胞を混ぜてプレートに蒔くだけという非常に簡単な操作で良い(自然形質転換 natural transformationと呼ぶ)。

環境バイオテクノロジー研究室では、このシネコシスティスの光合成・代謝制御メカニズムの解明の研究を行っている。また、シネコシスティスを利用して、バイオプラスチックの原料となる化合物や水素などのエネルギー物質の生産法の開発を行っている。

このように、もっとも簡単な酸素発生型光合成生物であるシアノバクテリアを用いて、基礎と応用の両面から研究を進めている。


研究室のコアタイム

10月になり、そろそろ2年生にとっては研究室見学の季節となっている。

そこで、環境バイオテクノロジー研究室(小山内研)の紹介をしていこうと思う。

環境バイオテクノロジー研究室は第一校舎3号館にある。農芸化学科の学生にとっては環境化学・分析や有機化学実験でおなじみの場所である。あまり新しい建物ではありません・・

2015年に発足して、3年目に入った。段々と研究室のシステムが出来上がってきている。このシステムは、小山内が勝手に決めたわけではなく、学生たちと話して、本人たちの行動で変化していくと考えてほしい。そんな中でも当研究室にはいくつかの特徴がある。

特徴の1つは、環境バイオテクノロジー研究室では、コアタイムは設けていない。コアタイムとは、研究室にいるべき時間のことである。

通常だったら、例えば「10時から17時は在室しましょう」などのコアタイムがあるかもしれない。これはそれぞれの研究室を特徴付ける一因となる。

環境バイオテクノロジー研究室は、自由です。

ただし、必ず付け加えているのが、自由 = 楽とは全く違うことである。自由であるがゆえに、自分で自分の時間配分をすべて決定しなければならない。

睡眠時間を除いて、研究、就職活動、サークル、アルバイト、旅行、休息などなど大学生・大学院生にはやることが無数にある。研究だけでも今日は何をするべきなのか、同じくたくさんの選択肢がある。

自由であるがゆえに、自分ですべてを決定していかなければならない。この時間配分を自分で最適化できる人になってほしいということで、自由にしている。また、自由ということは、遊んでいたら差をつけられてしまうかもしれない。自由は楽ではなく、むしろ自分の責任が増えて大変だと考えている。

研究室訪問では、「アルバイトできますか?」、「就職活動は?」「研究たくさんできますか?」など質問が多い。環境バイオテクノロジー研究室では、自分のやりたいことを思う存分できることになっています(ただし、スペースはあまり広くないので、ご了承を・・・)。自分で予定を決定してください。もちろんゼミなどの時は、その都度相談してください。

休日や夜間の実験は非推奨であるけれど、行う場合には細心の注意をというのが環境バイオテクノロジー研究室のルールになっています。小山内は、だいたい9時〜17時or17時半の出勤です。長く働いても集中力が持たなかったりするので、長い時間よりも、時間あたりの研究成果(研究や勉強のスピード)を上げることを推奨しています。

植村直己さんの記念碑

明治大学は10の学部と3万人以上の学生を有する総合大学である。明治大学のキャンパスは、主に4つ(駿河台、和泉、生田、中野)に分かれている。そのうち、我々の所属する農学部は、生田キャンパス(川崎市多摩区)にある。小田急線生田駅より徒歩10分程度の距離である。生田キャンパスには理工学部と農学部の2つの学部がある。

生田キャンパスは都心のキャンパスと異なり、小高い山(丘?)の上にある。エスカレーターで登ること、建物の5階分である。エスカレーターが動いていない時は、名物である生田坂を登ることになる(これはまた別の機会に紹介します)。

生田キャンパスで最も有名な場所の1つといえば、植村直己さんの記念碑だろう。



植村直己さんは、1941年生まれで、1960年に明治大学農学部農産製造学科に入学している。1966年のモンブラン、マッターホルン、キリマンジャロ登頂、1970年のエベレスト、マッキンリー登頂など、世界初の五大陸最高峰登頂者となった人物である。1978年には、犬ぞりによって、北極点への単独行にも成功している。1984年2月にマッキンリーで消息を断ち、その後、1984年4月に国民栄誉賞が授与された。

明治大学生田キャンパスには植村直己さんの功績を讃えた記念碑があり(上記写真)、周りは芝生になっている。

この場所は天気が良い日には絶好の憩いの場所であり、ランチを食べる学生もいる。また、バレーボール大会(というものが農芸化学科にはある)の練習やフリスビーなどをしている光景も見られ、安らぐには最適な雰囲気の場所となっている。期末テスト後にはスイカ割りも行われていたようであり、学生の若い力には本当に圧倒される(笑)

お花見なんかのイベントをこの芝生で行うと、本当に気持ちが良い。小山内研では春にお花見をすることになっており、この植村直己さんの記念碑近くは、桜も非常にきれいなのである。

卒業シーズンには、集合写真がこの付近で撮影されることも多い。小山内研の卒業生たちともこの場所で写真を撮影した。生田キャンパスに通った明大生には少なからず思い深い場所である。

2017年10月26日木曜日

明治大学生田キャンパス

明治大学は明治14年に開設された明治法律学校を前身としている。明治36年に明治大学に改称され、その後。昭和28年に経営学部が設置された。その後、紆余曲折を経て、1949年(昭和24年)6学部(法・商・政経・文・工・農)からなる新しい明治大学となった。その後、2013年の総合数理学部開設で10学部を数える総合大学となっている。

発足直後の農学部は和泉キャンパスを利用していたが、1951年に現在の生田キャンパス(神奈川県川崎市多摩区)に移転したとのことである。


http://www.meiji.ac.jp/koho/meiji/6t5h7p00000i4j9p-att/P76-77.pdf

生田キャンパスは、緑に溢れ、自然の豊かな場所である。

晴れた日に写真を撮影すると、本当に美しいキャンパスであると実感する。

小田急小田原線の生田駅から徒歩10分ほどの距離に生田キャンパスはある。生田駅は急行などが止まらず、各駅停車しか止まらないというのがやや難点である。小田急線は快速の区別が複雑でわかりにくい。間違って特別快速などに乗ってしまうと、生田駅には止まらずにはるか遠くの駅まで連れて行かれるというのが、明大生あるあるである。

明治大学農学部には、農学科、農芸化学科、生命科学 科、食料政策環境学科の4つの学科がある。


環境バイオテクノロジー研究室は農芸化学科に所属し、農芸化学科には18の研究室がある(農芸化学科の説明はまたいつか)。農芸化学科は、学生が一学年およそ150人ほどの学科である。実験が多く、非常に勉強に忙しいのが特徴である(それについては、別の機会にじっくりかたることになるだろう)
研究室一覧

生田キャンパスは、農学部の建物と理工学部の建物に分かれており、農学部の建物は第一校舎、理工学部の建物は第二校舎と名付けられている。第一校舎1号館という名前で呼ばれており、単に「1号館」という名前だけ覚えていると、学部の建物を間違えてしまうので注意が必要である。

この他にも事務組織や授業を行う教室がある中央校舎や、研究施設であるハイテクリサーチセンター、地域産学連携研究センター、温室や圃場がある。また、学生のための学生会館、食堂、コンビニ、本屋、資料館などがある。

私自身もあまり全てを把握しているわけではないが、当ブログにて、生田キャンパスの紹介を随時行っていきたいと思っている。

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