2020年3月31日火曜日

テレワークのすすめ No.4 考察・議論

テレワークのすすめ No.4 は最後の考察・議論。英語ではDiscussionになる。

得られた結果を解釈し、その意義を説明する。


もともとこの作業はテレワークが前提になる(自宅だと論文にアクセスできないとかの問題はあるが)。なので、あえてテレワークの回で説明をする必要はないかもしれない。

最後の考察・議論は本人の実力が如実に現れる。

全く勉強しなければ、結果で終わってしまう。遺伝子改変で物質Aが2倍に増えました、遺伝子Bの発現が半分に減りました・・など。

それがどういう意味を持つかを考えるのが最後のパートである。

ここはいくらでも仕事がある。

例えば自分はシアノバクテリアという光合成をする細菌を扱っている。

シアノバクテリアで得られた結果も、
1. 同じ種の過去の研究と比較
2. 他のシアノバクテリアの種(属)と比較
3. 他の細菌と比較
4. 他の光合成生物(藻類や植物)
など、いくらでも広がりがある。

自分の結果をどれとどの程度比較するかは、その研究結果による。しかし、比較するにはそれらの論文を全て検索して斜め読みしなければならない。膨大な時間がかかることは想像に難くない。

また、最後のパートと紹介しているが、実際には考察・議論のために論文を読んだら新しい実験を考えつくことも多い。なので、最後の考察・議論のためだったものが、最初の序論になることもある

いずれにせよ、最後の考察・議論はまさにテレワーク。そして、ここは論文を読まない限り書けない。論文を読まないで書くと、結果の繰り返しばかり書くことになるのは、古今東西変わらない。

ということで、4回に渡ってテレワークのすすめを記載。こうした情報は、研究室の学生にURLを送れば伝達することができる。記事数が多すぎて整理できていなのだけれど。。



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2020年3月30日月曜日

テレワークのすすめ No.3 結果

テレワークのすすめ No.3 は結果。


そう、教員なので、一番ディスカッションをするのが結果である。実験結果が出れば、必然、教員と話すことになる。

学生と結果を話をするが、学生側もディスカッションのためにどんどん進歩していく。

どのように進歩していくかというと

1. 実験ノートや実験材料をそのまま持ってくる。そして、結果を見せて「どうですか?」と、相手に考えさせる

2. 実験ノートや実験材料にラベルや書き込みをして、相手がわかりやすくする。どのような結果が出たかを自分で説明する。

3. 実験結果に加え、細かい実験条件などを合わせて説明するまた、実験回数や前回との実験結果の違いを説明する。自分の考察なども説明する。

4. 実験結果に標準偏差や検定を行ったデータを見せる。
また、データを自分なりに処理したグラフも創出する
例1.  データを乾燥重量あたりに直すべきか、培養液量あたりに直すか考える
例2. 複数の物質の量が得られたら、物質間の量や割合、相関係数を算出する
また、実験結果を踏まえ、次の実験を提案する。

ということで、今回はテレワークなのだが、実験をしなければ結果がないというのは大間違いである。

結果を話すとだんだんに実験ノート→エクセル→パワポとなっていく(もちろん、実験ノートの生データを見るのは大事)。このステップを踏むと、結果をディスカッションするために持ってくるものが、
だんだんと実験ノート→エクセル→パワポとなっていく(ただし、実験ノートの生データを見るのはとても大事)。

こういう機会に、自分の実験結果を見直して、上記のことがができないかを考えて欲しい。

No. 4に続く。


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テレワークのすすめ No.2 方法と材料

実験系でも出来ることをやろうということで、テレワークの進め。論文に沿って、1. 序論、2. 材料と方法、3. 結果、4. 考察・議論を書いている。本日は2. 材料と方法

普段扱っている材料(実験に用いている生物など)や方法なので、一番書きやすい。研究の進捗報告のゼミを行っていればすでにスライドは何度も作っているはずである。

こういう機会なので、それらをさらにブラッシュアップするのが良いと思う。

材料や方法を書いて、実験の流れを説明するが、視覚化されていないことも多い。

例えば、
10 mLの培養を行う

回収して細胞を超音波で破砕する

遠心して上清を新しいチューブに移し、タンパク質を定量する

などの手順を説明したりする。

普段の説明ではあまり細かく書きすぎても仕方がないので、言葉で終わらせてしまったりするが、こういう機会なので、それぞれの図をつけた詳しい手順を作成しても良いと思う。

上の例で言えば、10 mLで培養といっても、試験管なのか、フラスコなのかわからない。また、試験管もガラスの時もあればプラスチックの時もある。さらにどのような機械で培養しているのかなど、実験をやっている本人は当たり前のように知っているので、つい相手もわかっているかのように省略してしまう。

本人は上のような言葉だけで全てのステップの映像が思う浮かぶのだけれど、実験をしていない人は全く映像が浮かばない。

また、普段ゼミは自分の研究室で行うので、研究室のメンバーも当たり前になってしまうため、誰もそれらに疑問を呈さない。しかし、外に出した時に途端に話が通じなくなってしまう。

ということで、すでに作っている方法と材料、実験手順だけれど、当たり前になってしまっている部分を補い、外部の人が見ても全ての手順が映像として思い描けるようにしておくと良いかもしれない。

必ずしも必須ではないのだけれど、こうした機会に自分がいつの間にか持っている先入観と向き合い、また、外部の人と話す準備をしておくと良いと思う。

No. 3に続く。

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2020年3月29日日曜日

テレワークのすすめ No.1 序論

コロナウイルスの感染拡大により、大学や研究室の閉鎖も現実味を帯びてきた。うちの研究室では、極力来室を減らすようにしている。状況によっては禁止にすると思う。


こんな時こそ離れた場所でデスクワーク。すなわちテレワークである。

とはいえ、実験系の研究なので、「テレワークができるのか?」という疑問もある。自分はもはや実験はほとんどしていないのでいくらでもできるが、テクニカルスタッフや学生はどうなのかということになる。

そこでテレワークでできる研究をまとめていこうと思う。

結論から言うと、実験系の研究だろうがいくらでもできることがあるので、何回かに渡ってブログを書くことになる。

論文に沿って、1. 序論、2. 材料と方法、3. 結果、4. 考察・議論にしたいと思う。

1. 序論(イントロダクション)

序論とは一言でいえば、なんでその研究をしているかを説明することである

始めたきっかけは、教員からテーマを与えられたから、研究室のテーマだからだと思うが、それらを書くのではなく、その研究がどういう経緯で始まったかを説明する。

当たり前だけれど、研究は誰もやっていないことでなければ意味がない。なので、

これまでにどのような研究があったのか

しかし、この部分は研究されていない

だから研究を行っている。

となる。なので、これまでにどのような研究があったかを記載して、それでも研究されていないところを説明するのが序論である。

これは簡単なようで難しい。

よくある話だが、ないことの証明は難しい。なぜなら、自分の探し方が足りないだけかもしれないからである。今はウェブ検索が発達しているので非常に楽になった。それでも文献をたくさん読まなければ、実は誰かがその研究をやっていましたとなってしまう可能性がある。

なので、きっかけは与えられたテーマであったとしても、自分で過去の研究を調べていく。この部分が甘いと、なぜその研究をしているかを問われたときに、「前任者から引き継いだ」や「研究室が目指しているから」といった意味をなさない返答になってしまう。

そして、過去の文献を調べていく上で大事なことは、数字を入れられるかである。これは分野によるので必ずではない。

うちの研究室で言えば、
コハク酸という物質がバイオプラスチック原料になるので大事であり、大学も企業も研究しています。

と言っても抽象的でよくわからない。

しかし、
コハク酸という物質は、年間数万トン以上生産されるバイオプラスチック原料であるので大事であり、国内外Xヵ国のXグループが研究し、また、少なくともX社以上のバイオベンチャーが立ち上がっている(Xには数字が入る)。

などと書くと、どのくらい大事なのかが相対的に明らかになる。位置付けがわかるとも言える。

他にも、例えば論文数を検索したり、データの登録数を検索して、その分野のトレンドを定量的に示すこともできる。

ということで、序論でできることと言えば
1. 過去の研究を調べていく

2. 少しでも数字が入るように序論を作っていく
というのが、うちのスタイルである。

序論に限らないが、これらを文字だけではなく、パワポで視覚化していくことが大事である。


No. 2に続く。


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2020年3月28日土曜日

誤字脱字と論文の質の関係性

自分でも論文を書き、他人の論文の査読もする。

原著論文というのはわずか数ページから多くても10、20ページである。これを書くのに1年単位の時間を書ける。とても大変なものである。

原稿を作成する時には、何度も何度も見直す。論文を投稿する前はもちろん、査読(review)を受けた後も論文を改訂しながら再度見直す。また、共著者も読むし、英文校閲などにも出すので、第3者も読むことになる。

論文が通ると最後に最終校正(Proof)が待っている。

こうして何度も読むのだけれど、それでも誤字脱字があったりする。

誤字脱字と内容は関係ないと言いたいところだけれど・・・

やはり誤字脱字の少なさと論文の質は比例していると思う(正しくは、負の相関)。

ついつい天才物語みたいなものに憧れて、書き殴っても内容が素晴らしいので誰かが直して世の中に出してくれるのではないかということを期待してしまう。作曲家のモーツァルト状態である。

しかし、やはり自分で書いたり人の論文を読んでいると、質の良い論文は誤字脱字が少ない。

自分の分野は実験系なので、確かに得られたデータがかなりの比重を占める。コントロールが少なかったり、わずかな差しかないデータでどんなにきれいな論文を書いても、確かに微妙かもしれない。

しかし、得られたデータはそれで終わりではなく、自分でどこまで位置付けを考えられるかが大事である。なので、実験のイントロ(序論)とディスカッション(議論、考察)で、非常に差がつく。書き手の実力が出る。

こうしたものは一発で書けるわけではなく、何度も推敲が必要である。また、推敲している間に、実力そのものがアップする。

必然、何度も読み返すことになり、誤字脱字が減っていく。

一方、誤字脱字が多い論文は、結局、この推敲が足りないとも言える。

ということで、質の高い論文は、やはり誤字脱字が少ないというのが経験則である。偉そうに言っているが、自戒を込めている・・・。きちんと読み直さなければと反省する日々である。。



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2020年3月27日金曜日

会合はどうなる?線引きが難しい。

卒業式は中止になり、入学式も中止。とても大変な状況である。

このような状況下で、どこまでの会を開いてよいのかについての線引きが難しい。


うちの研究室では、例年キャンパス内で花見を行っている。3月終わりから4月の初めのランチタイム。1時間程度。キャンパス内で簡単な食事をするのだけれど、研究室のメンバーが集まるので、全員来れない場合が多いが、それでも20人近く集まる。

20人近くで飲み食いをするので、今年は中止することにした。状況が落ち着いていたら、5月くらいに新歓を改めて行いたいと思う。

4月からのゼミについても考え中。全メンバーだと人数が20人と少し。毎回ギリギリ入るくらいの部屋でやっていたのだけれど、4月くらいまでは少し広い部屋を借りようと思っている(まだいつから始めるかは検討中)。

このように、20人くらいが食事をしたり、狭い部屋に集まることは止めることにしている

一方で、何人くらいまでならばOKだろうか。数人くらいで風邪などの症状がなければ、食事を含めた会合はよいのかもと思っている。きちんと決まっているわけではないが、周りを見渡すと、大人数(二桁の人数)の会は止めているが、少人数では行っている気がする。

感染拡大は最優先だけれど、全ての活動が停止するとそれはそれで経済も教育も研究も沈んでしまう。明確な線引きが難しいけれど、注意しながらやれることはやっていきたいと考えている。

しかし、現在の状況を見ると、最低1週間は外出自粛だろうか・・


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2020年3月26日木曜日

話題のZoomを使ってみた。その2

昨日の記事の続き
話題のZoomを使ってみた。その1

Zoomというアプリで、リモートで会議や講義をすることができる。その1で登録方法と簡単な使い方を紹介。

実際に2、3回使ってみた感想。そして、色々と情報を調べてわかったZoomを使うときの注意点を挙げてみたい。

注意1 データ通信量
Wi-Fiが光回線(フレッツ光やau光など)ならば問題ない。しかし、例えばスマホでWi-Fiを接続していなかったり、PCでもモバイルルーターやホームルーター(コンセントに挿すだけで使えるルーター)の場合には、パケット代がかかったり、通信量に制限がある。

調べると、Zoomで1時間会議すると、大体300〜500 MBらしい。なので、数時間会議すると、1〜3 GBになってしまう。モバイルルーターだと、無制限と唱っていても、3日間で10GBの制限があることが多い。当たり前だけれど、PCやスマホは他の用途にも使う。

なので、講義などで使う場合には、相手のWi-Fi環境を確認することが必須である。



注意2 相手と自分の音量
どんな会議だろうと、相手と自分の音量が適切ではないと話ができない。
一度使ってみたところ、途中で音量が勝手に変わるという不具合?もあった。

音量を変える場所が少し小さくて見にくい。まずは左下のミュートの右隣にある矢印をクリック。

そうするとウインドウが展開される。
ここで、「オーディオ設定」をクリック

出力音量と入力音量を調節できる。
出力は相手の音量、入力は自分の音量である。ただの音量調節だけれど、意外にステップが多いので、とっさの時には注意が必要かもしれない。


とりあえず2つ挙げてみたけれど、あとは慣れれば問題ない気がしてきた。また気付いたらアップします。



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2020年3月25日水曜日

話題のZoomを使ってみた。その1

移動ができないので、Zoomが話題である。

Zoomとは、平たくいうとPCやスマホを使ってオンラインで会話ができるツール。会話だけではなく、ファイルの共有や送付、メモの保存などができる。

大学の講義で活用する例が増えてきている。早速使ってみた。

こちらがzoomのトップページ。

まずはサインアップ。アカウントを作ることである。

次にメールアドレスを入力。ボタンをクリックすると、入力したメアドにメールが送られてくる。
これでパスワードを設定して、サインアップ(アカウント設定)は終了である。

次は実際に使い始めるが、ミーティングの開催にはダウンロード・インストールが必要。使い始めると自動でダウンロードが開始されるが、されない場合は、右上の「リソース」から手動でダウンロードできる。


あとは通常のアプリと同様にインストールするのみである。

次は通常のアプリ通り、アイコンをクリックしてアプリを起動し、サインイン(ログイン)するのみである。


パスワードなどを入力してサインインをするとこのような画面になる。

左上の「新規ミーティング」をクリックすると、ミーティング、すなわち会話が始まる(この段階では相手はいないが)。



こんな感じで映る。音声をオンにする必要があるので、コンピューターオーディオに参加する」を押す。

また、上の画像では映像が映っているが、映っていない場合は、右下が「ビデオの開始」になっているので、ここをクリックする。そうすると、音声と映像がアクティブになる。

次に参加者を呼ぶ。

下のバーに「参加者の管理」があるのでここをクリック。すると、右側にサイドバーができて、参加者が表示される。最初は自分だけ。


下のバーの「招待」をクリックすると、中央のウインドウが開く。ここで、「招待のコピー」をクリックすると、右のような情報がコピーできる。ここにURLがあるので、これを公開したり、メールで送るとミーティングに参加できる。個別に直接メールすることもできる。


こんな感じで会議がスタートする。注意点などはまた次回。




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例にない学位記の交付。ツイッターを始めたことを思い出す。

昨日は、学位記の交付があった。




例年は学科の全学生が集まるが、今年は中止。

事前にクラスごとに受け取る時間が決められており、その時間に個別に取りに行くという方式だった。郵送を希望の学生には郵送し、後日個別に取りにくる学生もいるようだった。

入り口にはエタノールが準備され、事務方、教員もマスク。教員は学科長と担任の2人のみ。4組の担任だったので、担当の1時間は教室にいた。

本当に4年間あっという間。そもそもこの4組がきっかけで、ツイッターを始めた。1年生の初めの時だったので、ツイッターを初めて4年弱ということになる。

担任と言っても高校の担任とは異なる。単位取得が思わしくないなど、あまり順調ではない時に担任の出番になる。この4組では全く出番がなかった。きちんと卒業して、本当に素晴らしい限りである。

昨日は、4組のU君、O君と記念写真(許可を撮っていないのでアップしないが・・)。それぞれの進路に進んでいく。4組の連絡係を頼んでLINEのグループを作ったのだけれど、特に問題がなかったので、全く使わなかった笑。いや、素晴らしいことである。

少し変わった形になってしまったが、その分、生田キャンパスの桜は満開。桜の方が卒業を祝福してくれた。


飲み会をするわけにもいかないので、家で静かにワインを開ける。普段は、日本の安いワインなのだが、昨日はフランスワインを開ける。

そういえば、ワインに入っている亜硫酸塩についても授業で触れたことを思い出す。この学年から2年生の分子生物学を担当になったので、接する時間が長かった。

昨日もブログに書いたが、何にせよ、体を壊さないように気をつけて欲しい。教員として願うことはそれだけである。

そして、いつでも生田キャンパスに戻ってきて欲しい。記憶に残る卒業だった。


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2020年3月24日火曜日

卒業生に伝えたい3つのこと。

本当ならば昨日が卒業式。コロナウイルスのせいで中止になってしまった。今日は学位記を渡すことになっているが、密集しないように渡す時間はクラスごとに別々。直接受け取るのではなく、郵送で渡すことになっている人もいる。

本来の学位授与式は、学科ごとに行われる。表彰があり、そのあと、一人ずつ学位記を受け取る。そのあと、各先生が一言ずつメッセージを伝えることになっている。

こうした機会がなくなったのは致し方ない事態であるが、こういう時にウェブを使わない手はない。卒業生が見ているかはわからないけれど、ブログで書きたいと思う。たくさん書きたいことはあるけれど、ここは伝えたいことを3つに絞って書きたい。

1. 自分で世界のすべてを変えようとしない。
自分は研究者を目指して博士課程に進んだので、27歳まで大学院生だった。それこそ20代は360日は研究室にいた。昔の研究者なんかはそれこそ研究室に寝泊りは当たり前のスタイルもあったらしい。

研究室の話ではなく、だんだん減ってきたとはいえ、会社に就職して無茶な働き方をしてしまう場合もある。労働時間の問題だけではなく、例えば会社全体の人間関係などを良くしようと奔走することなども含まれる。

こういう無茶な働き方をしてしまう理由の1つは、20代のうちは、自分で世界の全てを変えようとしてしまうことである。

「入社した会社が昨年は赤字だったが、黒字化してみせる」、「部署の雰囲気がよくないが、自分がこの雰囲気を良くする」、「働き方改革がうまく進んでいないが、自分が交渉して働きやすい会社にする」

など、あらゆる理想に燃えるのが若さの素晴らしいところがだと思う。ただ、現実にはそんなにすんなりとことが進むはずがない。理想と現実のギャップに最も苦しむのも20代ではないかと思う。自分もそうだった。

なので、焦って自分で世界の全てを変えようとせず、目の前のことを1つ1つこなしていき、気付いたら世界が変わっているという感じがベストだと思う。遠い目標ばかり見ていると疲れて挫折してしまう。


2. 働くことは本当に大変。自分だけではないという認識を持つ。
仕事をしていれば、良いことばかりではない。むしろ失敗や嫌なことがたくさんある。一方、SNSや友人の話を聞くと、給料が高いだの、休みに旅行でどこに行っただの、高級なレストランで気の合う同僚と食事をしたなどの話題が入っていくる。周りの人には、いいことばかり起こっているように思えてしまう。

こうして、「自分だけ仕事が辛い」「自分はおかしいのではないか」とだんだんに自分を責めるようになっていく。

これは毎年卒業生に述べているのだが、仕事は本当に大変なもので、毎年「今年も辞めなかった、偉い自分」と思いながら働いている。一見うまくいっているようにに見えるだけで、実は周りの人も大変な思いをしながら働いている。

なので、周りがキラキラに見えてしまうことがあるが、誰しもそんな楽しいことばかりのはずはない。あくまでそう見えるだけである。

仕事は大変で当たり前という認識からスタートし、自分だけがうまくいっていないのではないと考えておくと気が楽になると思っている。


3. 辛くなったら、場所を変える。
自分はもともと旅行否定派。旅行なんて非効率的だと思っていた。しかし、同じ場所の行き来を繰り返すと、なぜか精神的に疲れてくる。

別に海外旅行などの大掛かりなものでなくても、いつもと違う場所に行くと、不思議と気が晴れる

降りたことのない駅のカフェや雑貨屋に入ってもいいし、デパートやショッピングモールでいつもは絶対にいかないフロアに行ってもいい。公園だっていい。自宅と職場以外のところに行くことは、精神衛生にとても大事だと思っている。

さらにどこに行けばよいかというと、ぜひ母校である明大に来て欲しいと思っている。特に生田キャンパスは自然豊か。芝生に座るのでもいいし、豪華では全くないが、食堂でもカフェでも良いと思う。行って何があるわけではないが、いつもとは違う気分になれると思う。

そして、もちろん教員のところにも来て欲しい。「忙しいかな?」とか「覚えているかな?」とか全く思わずに、ぜひ来て欲しい(教員というと一般化してしまうので、少なくとも小山内のところはOK)。日々すごく忙しいので、不在だったり対応できない時も多いかもしれないが、それでも飛び込んでしまうのは大事だと思う。

来たからといって、解決策があることは少ないかもしれない。会社の業績が良くなるわけではないし、新しい就職先が転がっているわけでもない。問題の解決策を教えてもらえるわけでもない。

それでも人と話すと自分の状況がクリアになって、自分が何をすればよいかが明確になると思う。また、思い出話でもすれば気持ちも新たになる。話題がなければ、自分の場合は、最近のツイッターやブログでも話題にしてくれればよい。とにかく、ためらわずに生田キャンパスに来てしまって欲しい。


ということで、なんか今後が大変な前提になってしまったが、実はこれも例年の話。上記の通り、学位記の時に先生方が一言ずつ言うのだが、「これから仕事が本当に大変」と言って苦笑いさせるのが毎年のことである。

思いついた3つのことを書いたが、すべてに共通することは何かといえば、要するに健康でいて欲しいということ。自分を大切にして、今後の長い人生を歩んで欲しいと願っている。

卒業生の皆様、この度はご卒業おめでとうございます。







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2020年3月23日月曜日

【少し追加情報】テクニカルスタッフ(アシスタント, ポスドクを含む)を再募集。

先週金曜日から、テクニカルスタッフ(アシスタント、ポスドク)を再募集しています。
【再掲】テクニカルスタッフ(アシスタント, ポスドクを含む)を再募集します。

4月初めにはちょうど科研費の結果もわかるので、人が動き始めるかもしれません。ポスドクについても募集をしていますが、外部資金ですので、今回のテーマは微細藻類を用いた有機酸生産になります。

また、コロナウイルスのせいで、仕事を削られてしまうようなニュースがたくさん流れています。今回の公募では、テクニカルスタッフだけでなく、アシスタント(秘書)も募集をしていますので、お気軽にメールでお問い合わせください。
こちらにメールアドレス

ただし、完全に秘書業務だとそこまでたくさんの仕事がないので、少し実験もやってみたいという方を募集しています。いずれにせよ、疑問点があればお問い合わせください。

このような状況下で、社会におけるバイオ技術の重要性が明らかになってきました。今話題のリアルタイムPCRや抗体でタンパク質を検出するウエスタンブロッティングなども研究室で行っています(ウイルス関連ではありません)。

防災についてもそうですが、平時は必要がなくてもある時に急に必要になるのが最先端の研究や先進技術。研究室の一員となって、不確定な未来を明るくする仕事に携わってみたい方を大募集しています。




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1週間スタート。今週は論文を仕上げよう。

今日からまた月曜日。しかし、そんなに予定は入っていない(いくつかはある)。こんな日々は本当に珍しい。

今週は、平日も何日か休みを取るかもしれない。ポジション的に、家でできる仕事も多くなった。実験が出来なくて寂しい限りだけれど。



たまに少しだけ実験をやったりするが、細切れなので、自分で仕上げるところまでは出来ない。補助的な実験とともに、新しいテーマになるかどうかを試したりする程度である。うーん、寂しい。

こんな時にがっつり実験をしたいところだけれど、少しは移動を減らさなければ。先週はスタッフとも会議をして、少なくとも週1回は在宅にしてもらうように指示した。全体の移動を減らして、感染リスクを減らさなければならないと思っている。

さて、今週は、ポスドクIさんの論文の仕上げに入ろう。先週終わりかと思ったけれど、まだデータを集計し直さなければいけないことがわかった。なので、データを解析し直して、書き直し。まあ、こんなものかもしれない・・・。それでも今週には終わるだろう(←自分を追い詰めている)。

移動を減らして、自分の仕事を進めよう。。



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2020年3月22日日曜日

ポジティブに捉えて体を休める期間に。

それにしても、夏休み以外でこんなにのんびりした期間ははじめてかもしれない。今は旅行などで遠出をしないし、出張などの仕事は全てキャンセルになったので、近場での生活ばかりである。

スポーツなんかも軒並み延期、中止だけれど、選手にとっては良い面もあると思う。

プロスポーツ選手を見ていると、怪我との戦いばかりで本当に痛々しい。全治1ヶ月だけれど、驚異的な回復力で復帰・・・とか美談のようになっているけれど、要するに早く復帰してしまっただけだと思う。

20〜30代で引退した後、その時は良かったとして、40代、50代になって、体にかなり影響が出ると思う。まともに歩けなくなってしまうプロスポーツ選手なんかもいると思うが、やはり若い頃の体の酷使は一生に影響をしてしまうと思う。

プロスポーツの選手ではなくとも、若い頃の無理が、40代以降に体に現れてしまうのはよくある話。自分も20代はかなり無理をしていたと思う。きちんとペースを作らなければいけないと研究室の学生に言い聞かせているが、それは自分の失敗から来る反省である。

やりたいことがなかなか出来ないこの時期だけれど、ポジティブに捉え、体を休める時期だと思っている。働き過ぎの人も多いと思うので、こういう時こそしっかり休んで、将来の健康維持に貢献してほしいと思っている。
昨日もカレーで栄養補給を。。

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2020年3月21日土曜日

それでも季節は巡る。生田キャンパスの桜が開花。

生田キャンパスの桜が開花した。
こちらは今週の木曜日の写真。






本当に開花したばかりという感じ。2、3分咲きくらいだろうか。一番忙しい冬が終わり、春の訪れである。

今年の桜は早め。ここ何年かは4月まで桜が持っていたと思うが、今年は微妙かもしれない。それでも、少し寒い日が何日かあったので、当初の予想よりは遅れた。来週末くらいが一番の見頃かもしれない。

色々な行事がなくなったので、せめて桜で季節を感じたい。桜を見るのならば、よほどの人混みに行ったり、飲食をしなければ、コロナウイルスの影響も低減できる。毎年恒例の研究室の花見が中止になったのはとても残念だけれど。

それにしても、ここまでのんびりした時間は珍しい。しっかり休んで、授業開始に備えたい。



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2020年3月20日金曜日

【再掲】テクニカルスタッフ(アシスタント, ポスドクを含む)を再募集します。

今週面接をしていましたが、うまくマッチングがいかず、再募集致します。

JREC-INに再度公募情報を記載いたしました。
【募集期間延長】テクニカルスタッフの募集(環境バイオテクノロジー研究室)

JREC-INに記載されていない情報はこちらに記載してあります。
2020年度採用のテクニカルスタッフの募集について
2020年度採用のテクニカルスタッフの募集について No.2

募集はテクニカルスタッフとしてありますが、アシスタント気味の方も募集しています。また、やや要件を広げてポスドクを希望の方もお問い合わせください。

問い合わせは、メールやSNSのDM(フォローしてないと無理ですが)などで、ご本人が小山内に直接連絡をお願いします。

例えば自分の先生や上司など、間接的に連絡を取ってもらうということは、お勧めしません。連絡のミスや行き違いがあったり、変な貸し借りが発生することがあります。問い合わせがありましたら、ご本人が直接小山内まで連絡をお願いします。

どうぞお気軽にお問い合わせください。

ついに授業開始の延期が決定!さて問題点を整理。

今週、明治大学でも授業開始を4月下旬以降に遅らせることが決定した。
https://www.meiji.ac.jp/koho/natural-disaster/gaiyo.html


他大学の状況と合わせると予想されていたこととはいえ、本当にびっくりである。

春学期(前期)は忙しく、大学院の講義が1つ、学部が2つ、学生実習が週1で、これにオムニバス講義が入る。委員会や教授会、科内会議も入ってくるので、結構忙しい。

今のところは、開始が遅れた分を後ろに延ばすのではなく、短縮させるという方向らしい。概ね他大学も同様の施策のようである。

はてさて、どうしようか・・・。短縮ということはその期間の勉強量が増えるということでもある。農芸化学科の場合、もともと勉強量が多いので、これはかなりきついと思う。

さらに今年は東京オリンピックに向けて、なんとゴールデンウィークは授業日になっている。もともと休みがない辛いスケジュールだったのに、これではかなりパンクしてしまう気がする。

ということで、今考えているのは、自分の講義を取る予定の学生には早めに課題を出して、忙しさを分散してもらうことだろうか。

ただし、オンラインで課題を出したいところだけれど、まだ手段がよくわからない。

自分の講義は、講義の後に簡略版のパワーポイントをoh-o! meijiという大学内部のサイトにアップロードしている。これで学生は見ることができるし、レポートの電子提出もできることができる。

しかし、アップロードした講義の資料を見ることができるのは、履修登録をした学生である。なので、事前に課題を出そうと思っても、履修登録をしていないと課題を出す方法がないのである。

この辺りを大学は協議しているかもしれない。履修登録だけオンラインで行うとか、履修登録外の資料も見れるようにするなどの対策が可能かもしれないが、それに伴う不都合があるかもしれないので、可能なのかはわからない。

このように1つずれるとあらゆることを考えなければならない。ツイッターやブログ経由で課題を出すこともできるけれど・・・うーん、大学の対応を待って、対策を考えなければ。。




新しい教育の形を模索中・・
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2020年3月19日木曜日

長期的には成果主義、でも短期的にはプロセス重視

うちの研究室は、常に論文や特許など、研究成果を形にすることを目指している。


スタッフ、学生の頑張りのおかげで、コンスタントに論文や特許出願などを行っている。先日は、初めて明治大学で出願した特許が査定(特許庁に登録料を納付すれば特許登録になる状態)になった。

こうしたことから、研究室と先生(自分)は成果主義であると思われていると思う。

これは全くその通りで、なぜなら、頑張っていますと主張しても、周りもみんな頑張っているのだから差のつけようがないからである。

周りと差をつけなければいけないのか?と言われれば、そんなことはない。個人の好みである。

でも、例えば就職活動をして自分の好きな会社に入りたかったり、就職してから自分の好きな部署に行きたかったり、アカデミックで研究者として食べていきたかったら、なんらかの方法で自分の優れた部分を示さなければならない。

そのような場面で、やはり実績が必須だと思っている。

ただし、では日々実績をすぐに求めているかというと、短期的にはプロセス重視だと思っている。

要するに、すぐに結果がでなくても、以下のことが毎日できていればプロセスとして優れていると思っている。

1. 休みを取りながら、毎日継続的に仕事(研究や勉強)をしている。
2. 自分の計画について、自発的に、事前に調べている。
3. 自分で得られた結果をまとめたり、解析したり、考察している。
4. 得られた結果が望ましくなくても、それをベースに次の計画を考えている。

当たり前のPDCAサイクルかもしれないが、これができていれば問題ない。でも、これらは、1、2ヶ月だったら誰でもできるが、1年単位となるとなかなかできない。

これらを継続的にできれば、選んだテーマで結果がでなかったり、運悪く失敗してしまったとしても、年単位では必ず成果が得られる。逆に運よく最初にいい成果が出ても、プロセスがちゃんとしていないと、長期的にはあまり成果が出ない。

ということで、長期的には成果主義、短期的にはプロセス重視は、実はほとんど同じ意味だと思っている。

先輩たちが論文を出したりするとどうしても焦ってしまったりするのだけれど、焦らずに継続性をとはいつも言っているセリフである。


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2020年3月18日水曜日

人生の節目は、感慨に耽る余裕なし。。

今週は、家庭のことで大忙し。子供2人も大きくなり、仕事に集中できる時間は少しずつ増えてきたが、それでも家庭の仕事は色々ある。

結婚して、子供が生まれ、入学や卒業など色々なイベントがある。こうした人生の節目節目でしみじみと感慨に耽りたいところだが・・・

大抵そんな余裕がない。

子供が生まれたら、それはそれは大忙し。ちょうどその頃から仕事は最も忙しい年代になる。



その後も次から次へとイベントがあり、嬉しくはあるが、、なかなか楽しめない。

なので、結局後で振り返って、まあよかったねと思うものかもしれない。それぞれの時はとてもではないけれど、楽しむ余裕なんてない。

今年はとても変則的な年だけれど、こういうときに家庭の用事をすましてしまおうと思っている。なんにせよ、臨機応変が最も大事である。。





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2020年3月17日火曜日

学会がない3月の過ごし方。

今年は、3月、4月に予定されていた学会・研究会が全て中止になった。



3月というのは学会シーズンである。1、2月は卒業、入試関連で大学関係者が一番忙しい季節。いうまでもなく4月からは新しい学期が始まるので、その間の3月が学会シーズンである。

とはいえ、3月に学会って、結構大変。

1、2月は土日に関係なく仕事が入るので本当に疲れ切るし、その分3月は休みたい。休みたいと言っても授業や実習の準備などで3月終わりは動き出さなければならない。

また、3月に仕事がないわけではなく、研究室新メンバー決定と実習、また、教授会なども開催されるので、それほど休みにはならない。

さらに1、2月にできなかった分の研究関連の仕事を進めることになる。研究の出張なんかも多く入る。これに予算の最終調整や年度末および来年度の事務関連の仕事が大量に押し寄せる。

例年はこうした合間に学会に行くので、「あれ、なんか3月の方が大変では?」となる。

解決策はどうしているかというと・・・

3月に休めるという期待をしないこと

である。

・・・という身も蓋もないことをいうが、それでもミスるとニュースになってしまうような業務は少ないし、休める日にきっちりと休むことで回復をしようと思っている。

ということで、今年は学会などがなくなったので、かなり空いている。論文を書き進めたり、家庭の用事を済ませるなど、いつもとは違う3月に適応して過ごそうと思っている。

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2020年3月16日月曜日

入学式も中止!何か良い手は・・

とても残念ながら、明治大学の2020年度入学式は中止となった。
https://www.meiji.ac.jp/koho/natural-disaster/6t5h7p000032qkno.html

3月に予定されていた卒業式も中止だったけれど、入学式も中止。うーん、残念・・。

世の中では軒並みプロスポーツは延期か無観客。選抜高校野球も中止。大人数の会合や国内外の出張なども禁止なので、致し方ないかもしれない。

海外の方がかなり大規模で、アメリカの大学は2ヶ月くらい閉鎖なんてところもあるらしい。

4月以降の予定が立たないが、なんとか良い手を考えなければ・・。

講義では課題や小テスト、期末テストなどを行う。期末テストは流石にできないが、課題などはオンラインでできるかもしれない。

課題は色々で、レポートだけでなく、英語動画を聞いて設問に答えてくるものや、モル計算の確認計算問題などがある。

新3年生は研究室配属直後だけれど、自分で試薬を作るときにモルの計算を間違えるとダメージが大きい。でも、実は結構間違える。なので、こういう計算課題はあらかじめ出しておいても良いかもしれない。

英語の動画もURLを指定すれば可能。他にもできることはあるかもしれない。

言うまでもないが、学生実習の方は工夫が必要。これに関しては、また考えよう。

とにかく早く収まってくれると良いのだけれど・・・。



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2020年3月15日日曜日

続:大学院生に必要なのは、とにかく論文を1本。

3日前のブログ「大学院生に必要なのは、とにかく論文を1本。」がかなり反響があった。



自分を振り返ると、何と言っても大学院からが人生が面白かった。それまでのテストなどは受け身が主体だし、成績や点数のために人生をかける気にもならなかった。

テーマは生命の神秘にせよ、環境や医療、食品に関する技術の発展など様々だが、研究が始まってからが本気で打ち込めるものが見つかった気がした。なので、楽しかったが・・・・

その分、死ぬほど辛かった。

ブログでも何度も書いている気もするが、とにかく大学院は死ぬほど楽しかったが、文字通り本当に死にそうだった・・。

今でこそさらっと言えるが、当時はそんなセリフを吐く余裕は全くなく大変なものだった。

ということで、自分の学生たちにはそういう目には遭わないようにしたいと思っている。

やることは結構シンプル。
まず夢から覚めてもらい、現実の努力を促す
自分というのは特別な存在。ある日突然ノーベル賞もらえたりするような発見をするのではないか?などを夢見てしまう。しかし、現実には努力をしないとそんな栄光は降ってこない。ノーベル賞なんて極端なものではなくても、努力を忘れると安定した職すらおぼつかない。

その次は、研究における徹底した効率化。
これは少し企業秘密(研究室秘密?)のところもあるのだけれど、とにかく無駄なことはやらない。苦労しなければダメだという価値観を一切排除するのがうちのやり方である。

そして、タイトルにもある通り、とにかく論文。正確に言えば、成果を形にすること。
成果を形にしていくとそれで実力も付くし、いつもとは違う人と話す機会も増える。こうして新しいステージに進むことで、いつの間にか実力アップの機会が増えていく。

実力ある人が論文を書けるというだけではなく、論文を書ける人が実力ある人になっていくのだと思っている。

ということで、そうは言ってもすぐにはできないのだけれど、やっぱり論文を書いて、将来の見通しを良くして少しは安心して欲しいと思っている。

苦労は買ってでもせよというのはあまり賛成できない・・。


こんな大学教育方針です。。
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