2017年11月29日水曜日

cDNA合成とリアルタイムPCR

リアルタイムPCRは、mRNA量を測定する有効な方法である。現在ではmRNAの定量法の主役と言っても良い。一昔前はノーザンブロットが主役であったが、手間を考えるとリアルタイムPCRの方が上である。ただし、試薬や消耗品のコストがそれなりにかかる。

抽出したDNase処理を行ったRNAを用いて、cDNAの合成(逆転写反応)とリアルタイムPCRを行う方法である。

cDNA合成はInvitrogenの試薬、リアルタイムPCRはABIのStepOnePlusを用いて行っている。

原核生物の場合はRandom hexamer primer、真核生物はpoly (dT) primerを用いて逆転写反応を行う。

cDNAの合成
DNase処理を行ったRNAを用意する。

RNA                         X μL (RNA 2 μg分、生物や遺伝子によって変える)
Random hexamer     1 μL
10 mM dNTP mix     μL
DEPC-treated water up to 10 μL
2本ずつ用意する。

65℃、5 minインキュベート

on ice

10 μLのcDNA synthetsis mix(RT+ or RT-)を加える。
※cDNA synthesis mix 4本分
10x RT buffer        9 μL  
25 mM MgCl2       18 μL
0.1 M DTT             9 μL
RNaseOUT            4.5 μL
SuperScriptIII        4.5 μL 
※RT-のmixはSuperScriptIIの代わりに滅菌水を入れる。

プログラム設定が可能なヒートブロックで以下通りにインキュベートする。
25℃, 10 min

50℃, 50 min

85℃, 5 min

4℃, ∞
※プログラム可能なヒートブロックがなくても、2台のヒートブロックがあれば可能。

0.5 μL RNaseHを加える

37℃, 40 minインキュベート

cDNA 20 μLに滅菌水180 μLを加えて10倍に希釈する。この溶液をリアルタイムPCRのcDNAとして用いる。-30℃で保存すれば、何年も使用可能。

リアルタイムPCR
当研究室ではABI社(買収されたので正確にはThermo Fisher社だが、ABIの名前は残っている)のStepOnePlusを用いている。また、リアルタイムPCRの反応には、Fast SYBR Green Master Mixを用いている。
プライマーの設計は、StepOnePlusを購入した際についてきたソフトであるPrimerExpressを用いている。設計後は、100 μM or 50 μMになるように注文している。
StepOnePlusに対応する96穴プレート、フィルムを用意する。

遺伝子ごとにPremixを作る。
※Premix8本分(粘性があるので少し多めに作った方がよい)。
FAST SYBER Green Master Mix 50 μL
Primer Forward                          0.5 μL
Primer Reverse                          0.5 μL
滅菌水(MilliQ水でよい)      29 μL

8 μL Premixを96穴プレートに入れる。

cDNA RT+ or RT-を2  μLずつ入れ、ピペッティングで混ぜる。
シールをして、プレート用の遠心機で1minほど遠心する。

StepOnePlusにセットする。

リアルタイムPCRの反応は各メーカーの説明書参照。

定量結果を解析する。

◯RT-でも増幅が見られたら、DNase処理からやり直しである。
◯Melt curveのピークが1つであることを確認する。ピークが1つでない場合は非特異的な増幅が起こってしまっているので、定量結果が正確ではない可能性がある。その場合は、プライマーを設計し直す。

※プロトコールは必ず他の文献などでもご確認ください。

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