2017年11月10日金曜日

ウエスタンブロット

●ウエスタンブロット
ウエスタンブロットはタンパク質を特異的に検出する非常に重要な方法である。良い抗体を購入または作製する必要があるが、一度良い抗体ができると再現性の良いタンパク質の定性・定量分析が可能となる。


必要な機器
セミドライブロッター(日本エイドー社製など)
ロータリーシェイカー

必要な試薬・消耗品
SDS-PAGE関連試薬
トランスファーバッファー
 Tris 3 g, グリシン 14.4 gをMillQを全量800 mLになるように溶解させる。200 mLメタノールを加え、全量を1 Lにする。
メンブレン(Immobilon Transfer Membrane IPVH20200など
クロマトグラフィーペーパー (Whatman 100シート 3030-6185など)
タッパー、プラスチックコンテナなど
メタノール
BSA(アルブミン、牛血清由来)
PBS-T
一次抗体
二次抗体
NBT/BCIP溶液(Thermo SCIENTIFIC社
1-Step NBT/BCIP,250mL
Prod34042など)

作製したSDS-PAGEゲルを用いて、電気泳動を行う。等量ずつのTotalタンパク質量になるようにアプライする。

電気泳動の間にトランスファーメンブレンを準備する。
メンブレンをメタノールに1min浸ける。
※このメタノールは別のメジュームビンなどに入れ、再利用可能
クロマトグラフィーペーパー6枚とメンブレン1枚をトランスファーバッファーに浸けておく。
※トランスファーバッファーは繰り返し使える。
電気泳動後、ゲルをトランスファーバッファーに浸ける。3~ 5 min。
セミドライブロッターを用いて、メンブレンに転写 。
140 mA for 40~70 min 。
※電圧の値に注意する。40 mV 以上になっていたら、電流の値を下げる。 定電圧(10~20 mVで行っても良い)
※分子量の大きいタンパク質(>100 kDa以上)では転写の時間を70~120 minにする。

3%BSA in PBS-Tにメンブレンを入れる(プラスチックのタッパーを使う)
ロータリーシェイカー(レシプロ式でも良い )を使い、室温で50 min以上振盪。Overnight可。

PBS-Tを7~15 mL加え、一次抗体を加える。※一次抗体はスピンダウンしてから使う。室温で40 min以上振盪。Overnight可。

PBS-Tで5 min x 3回洗浄。※PBS-Tは充分量入れる。ここでケチると汚くなる。

PBS-Tを10 mL加え、二次抗体を加える。室温で40 min~2 h振盪。Overnightは不可。
※二次抗体は遠心でスピンダウンしてから使う。遠心をしないと、アグった抗体がはいってしまい、検出のバックグラウンドが上がる。
※二次抗体は少ないほどきれい。心配で多く入れてしまいがちだが、1:10,000~1:20,000の希釈倍率で良い(当研究室では1:20,000、すなわち10 mLに対して0.5 μL)

PBS-Tで5 min x 3回洗浄。
※PBS-Tは充分量入れる。ここでBufferを検出のバックグラウンドが上がる。 
※5 min以上〜1 hでも問題ない。

NBT/BCIP溶液を加える。MillIQを入れたタッパーなどを用意しておき、バンドが十分に見えたらMilliQでよく洗浄する。
※反応時間はタンパク質によって異なるため、反応時間を記録しておくと次回以降の参考になる。
ペーパータオル上で乾燥させ、スキャナで画像を取り込む。
画像をTIFFに変換し、ファイルにImageJなどのソフトで定量化する。

※プロトコールにつきましては、必ず他の文献などでもご確認ください。

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