2018年4月30日月曜日

自分で計画して増殖曲線を得る。

一通り、培地作り、前培養、本培養、嫌気培養、培養液の回収を行ったら、今度は各自が自分で全部のプロセスを計画して、実験を行ってみる。

卒業研究で重要なのは、何と言っても自分で研究計画を立てることである。

いくらでも時間、空間、予算があるわけではない。どんなに素晴らしい計画でも、結果がでるまでに3年かかったり、1つの部屋を全部使う実験だったり、一人で1000万円を使う計画では、少なくとも卒業研究では成り立たない。

限られた時間、空間、予算の中で、きちんと結果が出るように組んでいくプロセスを練習するのが醍醐味である。

前培養や本培養の日数、そして何日ごとにODを測定するかを自分で考えてもらうことになっている。これらが大事である。

やる気があるから毎日測定するかもしれないが、すべてに100%の力を使ってしまっては体力がもたない。最初はざっくり実験して、「これだ!」と思ったときには細かい設定をして緻密に実験をする。こういうメリハリを覚えることも大事である。

4月の上旬から中旬は、このように自分で一通りの実験をすることになっている。


実は昔は基礎実習でもっと色んな手法を学んでいたのだけれど、「一度くらい習っても忘れてしまうし、必要になってからで良いのではないか?」という先輩たちの意見があった。確かにその通りということで、今年度からは早めにテーマ決めをして、必要なことを習うようにした。システムはどんどん更新されていくのである。

2018年4月29日日曜日

お菓子の代わりに味噌汁でダイエット?

小腹が空いた時に、お菓子の代わりに味噌汁やスープという生活を進めている。



仕事が忙しく、ストレスがたまると、自分はどうしてもお菓子などを食べてしまう。少量食べるのは良いと思うけれど、やはり糖分のとりすぎは体に良くない。

長期的な健康だけでなく、糖分を取ると眠くなるし、他の食事が減ることで栄養バランスが崩れ、体調を崩しやすくなる。

このため、最近は味噌汁にするようにしている。今度は塩分に気をつけなければいけないが。

結論としてだけれど、お菓子をやめて、味噌汁やスープにしただけで、「3、4日で0.8 kgくらい痩せた」

これは味噌汁にダイエット効果があります!とかいうものではない。

ようするに、普段お菓子を食べ過ぎていたのである。。体も温まるし、気のせいかもしれないが、調子がよい。

ちなみに学会で名古屋に行って美味しいものを食べまくったので、体重は戻ったのだけれど。。。しかし、別に過剰なダイエットをする必要はないので、べつに気にしていない。

たまにはお菓子も食べるけれど、味噌汁おやつも悪くないと思う4月でした(とか言いつつ、朝のアイスの画像をのせいていたのだけれど。)

2018年4月28日土曜日

嫌気培養と培養上清の回収

培地を作ったら、次に基礎実習で行うのは、前培養と本培養を行ったら、次は嫌気培養と培養上清の回収を行う。

本培養のあと、OD730を測定する。
同じODになるように嫌気培養を行う。

嫌気培養は、10 mLの20 mM HEPES-KOH(pH7.8)バッファーに、OD730 = 20となるように濃縮することを基本としている。

細胞を10 mLの20 mM HEPES-KOH(pH7.8)にOD730 = 20となるように懸濁したら、20 mLのバイアル瓶に移す。

この後、注射針をつけて窒素ガスを導入する。

前はブチルゴム栓をした後、30分間ほど窒素ガスを導入していた。しかし、ブチルゴム栓が劣化しやすくて、穴を空けると酸素が入ってしまうことがあったので、最近は注射針を溶液に浸け、30秒程度窒素を導入したら急いでブチルゴム栓をして、嫌気にしている。

その後、アルミホイルでバイアル瓶を覆い、暗条件にする。

30℃のシェイカーで3日程度浸透し、終了後、細胞を遠心分離して、上清を集める。

この上清は、HPLCにかけるが、その前にはかならずフィルターを通してゴミが入らないようにする。

このように、本培養後は、嫌気培養という少し特殊な培養を練習している。

2018年4月27日金曜日

ペリスタポンプで人工いくら作製

分子生物学の授業では、アルギン酸を使った人工いくらを配っている。アルギン酸は、藻類から取られる多糖である。食品の増粘剤などに用いられている。

アルギン酸はカルシウム溶液に触れると重合し、いくらのような膜を作る。アルギン酸は不溶性で、一般に「アルギン酸」と言ったときにはアルギン酸ナトリウムを指す。

アルギン酸溶液をカルシウム溶液に垂らしてたくさんのいくら・ゼリーを作ろうとしたのだが、分子生物学の授業は150人近くである。とても大変。

ということで、ペリスタポンプを使って作製した。
ペリスタポンプは商品名である。
http://www.atto.co.jp/products/perista
一般名は、チューブポンプだが、研究業界では大ヒット商品なので、商品名が一般名のように使われている。

原理としては、要するに、ローターが回転しながらチューブをひたすらぐりぐり押しつぶして、溶液を押し出していくのである。
https://www.tacmina.co.jp/products/pump/tube/pdf/index-pdf-01.pdf
当然、チューブは劣化するので消耗品である。タンパク質の精製でも使う人も多いかもしれない。

今回は動画のような感じでアルギン酸いくら・ゼリーの作製に使ってみた。こんな風に、研究室では工作のようなことを行うこともある。


2018年4月26日木曜日

学生実習本格スタート

今期の2年生向けの実習がスタートしている。

担当は環境分析実験。3クラスに分かれてローテーションで実験を行う。1学期間に4周ずつ同じ実習を行う。

昨日行ったのは、フィコシアニンの抽出と硫安沈殿による濃縮・粗精製およびBCAによるタンパク質定量である。

フィコシアニンというスピルリナの色素タンパク質を使っているが、硫安沈殿にしろ、BCAタンパク質定量にしろ、分野に限らず使う手法であると思う。

自分の担当分の実験は、前の先生の引き継ぎではなかったので、一から内容を立ち上げるものだった。基本的には時間内に全部の班が終わるようにしなければならないので、時間の計算が大変だったけれど、きっちり収まるようなので、一安心である。

今のところ大きな事故や怪我も起こっていないけれど、ガラス器具や高電圧の機械などを使うので、油断禁物である。

学生実習では何を求められているかを考えて、短い時間でレポートを書かなければいけないので大変だけれど、この厳しい時間を乗り越えるといつの間にか実力がついているので、ぜひ頑張って欲しいと思っている。




写真の撮り方を学ぶ。no.2

Instagramを始めてから、当環境バイオテクノロジー研究室の学生に写真の撮り方・加工などを教わっている。前のブログ記事でも紹介したFoodieというアプリをすでにたくさん使っている。

せっかくなので、Foodie以外のスマホアプリも使ってみた。

いろいろとオススメの写真アプリがあるようだけれど、ピクチュアというアプリを使ってみた。ネットでオススメ写真加工アプリと調べたら割と上位に出てきた。
ピクチュア

ミニチュア化写真アプリというジャンルまで出来てきているようだが、写真などの画像をおもちゃのようにミニチュア化したイメージに加工してくれるアプリである。

ただのスーパーボールを掬うゲーム機を加工してみるとこんな感じの写真が撮れた。なんかきらきらしていてそれっぽいが、実際はただのゲーム機である。直接アプリで写真を撮り、加工してしまったので、加工前の写真がなくてすみません・・・
上下にぼかしを入れるのが特徴なのだろうか?また、色彩がより濃くなっているように感じる。こうするとミニチュア風に見えるのだろうか。

バスとか建物を撮影して加工すると下のような感じである。

ミニチュア風というのかな💦?一風変わった写真を撮れることは確かである。。。

無料で使えるアプリなのだけど、アプリ内でプロフェッショナル版への有料アップグレードがある。また、広告がたくさん出てくる。無料アプリなのだから当然なのだけれど、やや操作性を落としている感は否めない。仕方ないとは思うけれど。

他にも続々と画像の加工アプリがあるみたいなので、いろいろと試していきたいと思う。

2018年4月25日水曜日

現場百遍、データ百編

刑事ドラマはいつの時代でも人気であるが、よく出てくる言葉に「現場百編」というものがある。操作に行き詰まったら、現場に戻ってその糸口を探す。現場に100回戻って、そこから得られる情報を元に徹底的に考えるということである。

研究でもこれに似たものがあり、研究の場合は「データ百編」だろうか。

その時は得られたデータを十分解釈ができたと思っていても、あとで別のデータが得られた時に見ると、全然違う見え方がする。特に最近でもデータの量が膨大に増えてきている。データを得て、それをすぐに全部を理解することは難しい。

最近は、特にデータ百編と言い聞かせて、少し経ったらデータを何度も見返すことにしている。そうすると、「あれ、これ結構重要なデータでは?」「実はこのデータはAではなく、Bをしめしているのではないか?」などの気づきがある。

他の記事でも述べているが、このデータ百編と対極にあるのが、「失敗しました、次回がんばります」で終わらせようとする研究発表である。レポートでもかなり多い。

得られたデータをもとに、別のデータと比較する。別のデータは自分のものである必要はないので、実はいくらでも比べる対象がある。勉強すればするほど、比較対象が増えてくるので、昔のデータも違う顔を見せてくれるのである。

そうはいっても、日々忙しいのでなかなか昔のデータをゆっくり眺めている時間はないのだけれど、やはり定期的にデータを眺める「データ百編は続けていかなければいけないと思っている。





2018年4月24日火曜日

小山内研研究室速報

4月から新年度で気持ちも新たに研究を進めているが、研究室は丸3年が経過した。

当然これまでの研究成果があり、それらを順次論文化している

現在の論文状況だが、
リバイス中 1本
投稿中 2本
準備中 4本
という感じだろうか。すべてうちの研究室が主体となっている論文である。

準備中の4本の論文の内訳は、
5月はじめまでに1本投稿予定
5月〜6月に3本投稿予定
である。あとは筆頭著者次第(および小山内のスケジュール次第)なので早まることもあるだろうし、遅くなることもあると思う。

ちなみに論文がすべてではなく、うちは知財を重視しているので、こちらも進めていきたいと思っている。

今年度は何本研究室から論文がでるだろうか。質・量ともに向上させていきたいと考えている。

しかし、間違いないことはなにかというと、

楽に通る論文なんて1つもない。

ということである。一歩ずつ焦らず頑張ろう。

2018年4月23日月曜日

自己紹介ゼミからスタート

4月になるとゼミがスタートする。3月に配属される新3年生の初めてのゼミである。

基本的には、
PR (Progress Report)という研究の進捗報告と、論文紹介の2種類がうちのゼミである。

このほかに、学年別にやるゼミなんかも始まっている。こちらは上から決められたことではなく、学生たちの意思で決まっていったものである。

4月のゼミは、新3年生の自己紹介から始まる。Powerpointで10分間くらいの自己紹介のスライドを作って発表してもらっている。スライド作りや発表の練習にもなるし、人数が多い研究室なので、パーソナリティを覚えてもらうことも大切である。パーソナリティを理解し合うといういことは、集団の中ではとても大切なことである。

と言いつつ、僕はどちらかというと、「自己紹介なしで、上の学年の研究報告からスタートしてもいいのでは?」という感じのことを言ったのだけれど、みんなに否定されて現在も自己紹介ゼミを続けている。

ようするに、新メンバーを知ることを、みんな楽しみにしているようである

PIになって感じることであるが、研究も仕事も人間が行っている。どんなに重要な仕事でも、大事にされていない環境で長期的にモチベーションを維持して働くのは難しい。人間関係の構築は、どんな場所でも最重要項目の1つである。

ということで、新メンバーの最初のゼミは、こんなふうに自己紹介から始まっている。小山内研春の風物詩である。

2018年4月22日日曜日

「なんでできないの?」と言われ続ける。

大学1年生から始まり4年生になり、大学院生になる学生もいる。現在は研究室にも3年生からM2(修士2年)の学生いる。

2年生、3年生(および4年生)の講義も担当しているし、1、2年生の実習も行う。大学院の講義(ゼミ形式)もある。ということで、すべての学年を見ている。主に修士までなので、6学年を見ているということになる。

これら学年の違う学生を見て、さらに自分でも講義や実習を行うのを振り返ると、「1つ学年が上がるごとに、求められるものがすごいスピードで増える」ということだろうか。

極めてざっくりだが、学年ごとに求められているものとしては、
1年生 大学特有の講義に適応し、実習で課される大量のレポートをこなす。

2年生 専門性が増した講義や実習をこなし、これらの専門性に対応するために、範囲外のことも自分で勉強しなければならない

3年生 研究室配属になるので、勉強することはもちろん、研究テーマから日々の生活まで、すべて自分で決めていかなければならない。また、研究室内でのコミュニケーション力をつけていかなければならない。

4年生 論文や学会など、外部の評価に耐えうる発表を学ぶ(プレゼンや文書力など)

修士1、2年 研究成果を出すとともに、後輩などへの指導力、研究室の統率力なんかも求められている。就活をこなしながら、論文作成も求められる。

自分の実習でも、1年生はレポートの形式について問わないことにしているが、2年生では「自分で調べて」形式を整え、何を書くべきかを探してもらうことにしている。

そうやって頑張っているうちにあっという間に3年生になれば、自分のテーマで研究を進めていかなければならない。当然読む文献や論文は自分で探すことになる。

こうして、あっという間に求められるもののハードルが上がっていく。なので、なんでできないの?」と言われ続けているイメージになるかもしれない。


「この間はそれでいいって言ったのに?」という感想を持つことが多いが、学年が上がったら同じことをしていても認められないのである。

自分が大学生、大学院生の時も、こんな感じで、「求められるもの多すぎ、高すぎじゃない?」という感想を常に持っていた気もする(ポスドクでもそうか)。

ということで、「なんでできないの?」と言われてしまうかもしれないが、それはみんな共通であり、できないと思われたことが、できるようになることこそ成長であると思う。

一歩ずつでいいので、「できないこと」を「できること」に変えていって欲しいと思っている。

2018年4月21日土曜日

前培養と本培養

培地を作ったら、次に基礎実習で行うのは、前培養と本培養である。いよいよ生き物を使った実験になる。

いろいろな微細藻類がいるが、まずは一番使いやすいシアノバクテリアSynechcoystis sp. PCC 6803で基礎実習を行うことが多い。

培養だが、まずSynechcoystisの様々な株が固体培地で培養されている。BG-11培地を寒天で固めたものである。ここから爪楊枝で液体培養に「植菌」する。この最初の液体培地での培養を、前培養と呼んでいる。

その後、Synechcoystisの場合は、光を照射し、1%のCO2を含んだ空気を導入し、30℃で3〜5日間培養する。

爪楊枝での植菌では、同じ量の細胞を入れることは不可能である。そこで、上記の前培養の濁度(吸光度)を測定すρう。Synechocystisの場合、OD730測定する(OD750の場合もある)。

その後、同じ濁度になるように新しい培地に移す。この際には、前培養液を液体のまま入れない。プラスチックチューブに前培養液を入れ、遠心分離をしてから上清を捨て、残った細胞を新しい培養液で懸濁してから培養を始める。
シアノバクテリアの場合、遠心分離は必ず室温で行う

この時の濁度は揃っているはずであり、ここからの培養を本培養と呼んでいる。

一見簡単そうだが、少しでも操作が異なれば全然違う結果になるのが、生き物の難しさである。

できる限り毎回同じ動作で行ったり、同じ器具を使うことが重要である。

毎回同じように細胞を増殖させることができるようになることが、研究をスタートさせる第一歩である。



2018年4月20日金曜日

培地の作り方

安全面のチェックが終わったら、いよいよ実験に移る。

基礎実習なので、まずは試薬や器具の場所、水の種類、秤の使い方、ガラス・プラスチック器具の使用ルールなど、覚えなければいけないことが多い。

最初に作るのが、何と言っても培地である。うちの研究室で扱っている微細藻類は、シアノバクテリアSynechocystisはBG-11培地、Arthrospira(スピルリナ)はSOT培地、ユーグレナEuglena gracilisはCM培地、シゾンCyanidiochyzon merolaeはM-Allen培地である。ようするに生き物によって全然違う培地になる。

まずはBG-11培地の作り方から練習している。組成はこちらのリンク。
https://environbiotechnology.blogspot.jp/2017/10/Synechocystiscultivation.html

こちらに書いているが、必ず順番通りに混ぜていく。最初にある程度水を入れておき、ストック用液を入れていく。ストック用液の濃度が濃い状態で混ざると、反応して沈殿ができてしまったりする。

培地に使う水は最もグレードの高いMilliQである。培地を作る時にはプラスチック製のメスシリンダーを用いている。

鉄の入ったI液以外を混ぜ、メスシリンダーでメスアップし、メジュームビンに入れる。オートクレーブをかけるが、蓋を緩めることを忘れてはいけない。

オートクレーブ後、十分冷めたらI液を入れる。I液を入れることを忘れないように、オートクレーブ前に「鉄なし」などのシールを貼っておくことが大事である。

うちの研究室では、BG-11以外に、窒素源を除いたBG-11(-N)培地をよく使う。ストックの作り方が違うので要注意である。

たくさんストック用液を使うので、間違えたかもしれないと思ったら捨てるのが安全策である。しかし、BG-11培地は1Lあたり225円もするので、できれば慎重に作る。

みんなで共有しているので、「培地がなんかおかしいかも?」と感じたら、すぐに他の人にも聞いてみる。他の人もおかしいと感じていれば、培地がおかしい。ストックそのものが悪くなっている可能性もあるので、いち早く原因を究明する。

2018年4月19日木曜日

アクティブラーニングだね!?

アクティブラーニングだぞ!?の続き。

他にどんなアクティブラーニングを実践しているかというと、英語動画のリスニングを行っている。

これは本学の学生の印象であるが、全体的に学力が高いが、英語が苦手という学生が多い。

特に、読み書きならばよいが、リスニング・スピーキングなどの実践的な英語が苦手な学生が多いようである。

正直、リスニング・スピーキングなどは、経験があるかないかの違いだと思う。経験があれば誰でもできると思う。しかし、じゃあ「自分でやりなさい!」と言っても、目標がないと続かないと思う。目的がなく英会話教室に入っても、やめてしまう人が多いのと一緒である。

ということで、これを補うために講義では途中で英語のリスニグを課している。

動画は、遺伝子やバイオプラスチックの話など、科学に関連した動画である。動画を見て、クイズに答えることになっている。

また、期末試験では、試験前に英語動画を提示して、それをたくさん聞くことになっている。試験本番では動画は流さないので、一発勝負ではなく、なんども繰り返し英語動画を見なければいけないことになっている。



やや残念なのは、これがどれくらい役立ったか、検証する機会がないことである。

とはいえ、講義に実習に研究にと忙しいと、読む以外の英語に接する機会がなくなってしまうので、このようなリスニングを導入した講義を行っている。

2018年4月18日水曜日

アクティブラーニングだぞ!?

アクティブラーニングという言葉をこ存じだろうか。大学では嫌というほど聞く言葉かもしれない。

Active learningで、後ろのlearningは学ぶという意味である。Activeは能動的に。すなわち、一方通行で授業を聴くのではなく、自分で頭や体を動かして学ぶというものである。

特に大学の講義は90分間のところが多いし、本学のように100分間授業のところもある。ずっと聴いているだけでは寝てしまう人もいるので、工夫が必要ということである。

昨年度から本学は100分間授業になり、私はスタイルを少し変えた。

授業の途中で、2回くらいクイズなどを出して、自分で解いてもらうことにしている。

これらのクイズに応えるために、スマホを持ってきてくださいということになっている(忘れた場合は友達と共有でももちろん可)。



今の世の中、知識や情報の量が膨大である。全部を記憶するなんて不可能である。

また、スマホなどで情報にアクセスすることが簡単である。昔だったらわざわざ図書館に行って、本を探してページをめくらなければいけないことを、今ならば検索ワードを入れるだけでアクセスできる。

このことから、記憶しておくことの重要性が落ちて、情報の検索の技術の重要性が上がったと考えている。

いうまでもなく、情報は豊富で簡単にアクセスできるようになったが、すべてが本当の情報というわけではない。なので、正しい情報を検索することは、とても大事である。

ということで、だいたい2回くらい、多い時は3回くらいスマホを使って調べてもらうクイズを出している。


つづく。

2018年4月17日火曜日

本格的に講義が始まったが。

今日から講義2週目に入り、本格的に授業スタートとなった。1週目はガイダンス週間で、ガイダンスに参加してから履修する講義を変更するので、基本的には授業を進めることはしない(必修ならばしてもよいのかもしれない・・・)。

本日終了したが・・・喉がガラガラだった。

なんか今日は寒くて3月の気候に逆戻りした感じだった。だからかもしれないけれど、花粉が戻ったのかもしれない。寒暖差のせいかもしれないが。

自分の場合は、特にヒノキの季節に弱く、さらに喉に症状が出る。喉が赤く腫れあがって喋るのが大変になる。

今日はゼミもあったので、あっという間に1日が終わった。

教員はしゃべる職業なのだけれど、なんとかならないものだろうか・・・。今日はのど飴食べて、しょうが湯を飲んでなんとかしのいでいた。

早く花粉の季節終わってくれないだろうか。。

2018年4月16日月曜日

なんで?なんで?なんで?

さて、新年度。明日から本格的にゼミが始まる。

基礎実習も進み、新メンバーも頑張って実験をしているようである。まずはいろいろな場所やルールを覚えるのが大変だと思うけれど。

基礎実習の技術ではなく、これから研究室で言われることについて紹介。

それは、
「なんで?なんで?なんで?」である。

すべての行動に「なんで?」と疑問をぶつけられ、説明を求められる。

明日からゼミだが、先輩たちもみんなから「なんで?」ばかりぶつけられることだろう。

「なんでその解析したの?」「なんで条件Aに着目して実験したの?」「なんでその結果からそういう結論が出せるの?」「そもそも何でその生物で研究するの?」などなど。

質問をたくさんぶつけられ、それに答える。これがゼミである。そして、これからの研究室生活である。社会人になってもずっと続くと思ってほしい。

ゼミを経て、学会発表、さらに論文作成となると、これがどんどんエスカレートしていく。ゼミだったら、まあ「なんとなくこうしました」でもそれなりにしのげるかもしれない。しかし、論文となるとそうはいかない。文章や図にすべてロジックをつけるつもりでいかなければならない。なんとなくそうしたというのは、すなわち熟慮しなかったということである。

説明をする力。これがゼミに始まり学会発表、そして論文作成を経験することで身につけてほしい力である。

説明をする力が向上すると、それは同時にコミュニケーション力と判断力の向上にもつながる。うちでもっとも大事にしている力である。

どんな仕事でも一人ではできない。必ず協力者が必要である。相手に協力してほしい場合に、大事な仕事であったり、相手にも利益があることが説明できれば、喜んで協力してくれるだろう。一方、実は大事な仕事であっても、説明なしでは、自分のことで忙しい相手に断られてしまう。だれだってよくわからない仕事に自分の時間や労力を割きたくはない。

また、これから生きていく上で、自分の方向性に正解はない。どんな職業を選ぶべきか、そこで何の仕事をすべきか、どんな商品・サービスを売るべきかなどに正解はない。正解があるならば、誰だって正解を教えてほしいものである。

そんな時に自分で説明ができて、相手も納得するようならば、うまくいく確率が上がる。一方、どうやっても自分も相手も納得しないようならば、その方向に進むのはやめておいたほうが良いだろう。説明をすることは、自分の方向性を決めることでもある。

ということで、ゼミ、学会準備、論文作成ではいやになるくらい「なんで?なんで?なんで?」と聞かれる。しかし、上記の力をつけるためだと思って、嫌がらずに力をつけてほしいと考えている。

そろそろ花粉も終わり?

今日は雑記。

私は花粉症である。結構重度だと思う。

花粉症の薬を飲まないと鼻、目、喉がえらいことになる。
10年くらい前は眠たくなる花粉症の薬ばかりで、この時期の仕事効率は本当に悲しいくらい低下していた。1ヶ月くらい北海道にいけないものか、本気で考えていたものである。

大学生の時、主に辛い症状が、喉の痛みだった。桜の季節になると、喉が腫れ上がって、声を出すのが本当に苦痛だった。生姜やはちみつなどをいっぱい食べたが、焼け石に水。アルバイトにも支障をきたすほどだった。

最近では、ヒノキの花粉の季節に喉の痛みが多いことが言われている。ヒノキはスギよりも遅く、3月後半から4月上旬で、まさに桜の季節である。おそらく自分もこの影響だったと思う。

今年はヒノキの花粉が記録的に多いらしい。そのせいか喉がガラガラだったが、薬が改善したせいか、昔のような激しい喉の痛みはなくなった。しかし、まわりでも喉の不調を訴える人がとても多かった。花粉症は国民病である。

大学教員は、ひたすらしゃべる職業である。喉が大事なので、プロとしてケアしなければいけないのだが、なかなか難しい。先日、農学科のS先生とお話をしたが、机にトローチなどを常備しているとのことであった。私も同じである。(笑)

そろそろ花粉も終わり、一年で一番爽やかな季節である。忙しくてあっという間に終わってしまうのだけれど、天気のいい日は研究や講義の合間に散歩でもして気分をリフレッシュしたいと思う。



2018年4月15日日曜日

【シリーズ】藻類培養装置の作製 〜微細藻類の培養って需要あるの?〜 

我々の環境バイオテクノロジー研究室では、シアノバクテリアやユーグレナ、シアニディオシゾンなど、微細藻類の研究を行っている。

当然ながら、これらの生物を培養することが研究室では必須である。

研究室に入れば最初から培養装置があるのだけれど、現在でも培養方法の工夫を一つのテーマとして進めている。

また、前職の理化学研究所では、自分のセンターに微細藻類をメインとして研究している人はいなかった。最初は植物の研究をしようと思って理化学研究所にいったのだけれど、徐々に微細藻類に戻ってきた。

植物研究は時間もかかるし、スペースなどもたくさん必要である。さきがけなどで個人型研究を進めていた身としては、微細藻類は結果も割と早く出るし、省スペース・低コストで研究ができるメリットがあった。

そうはいっても、全く何もないところから培養装置を組み立てていくのは非常に大変であった。そこで、何度かに渡って、「藻類培養装置の作製」について書いていこうと思う。

需要あるのか?という懸念もあるが、実際には藻類用インキュベータなんていうものも売り出されているのが現在である。

また、藻類の培養技術は、実は錚々たる企業が特許を出願し続けている。

「藻類培養」と少し特許の出願・取得を検索しただけで、

(株)IHI、旭化成(株)、鹿島(株)、新日鉄住金(株)、昭和電工(株)、キャノン電子(株)、三菱重工(株)、三菱マテリアル(株)、(株)デンソー、(株)東芝、東京電力(株)

と超有名企業が出てくる。ちなみにこれはこの3、4年で公開になった特許の話である。過去の話ではない。

ということで、それなりに需要があると信じ、また、学生にとっても意外な就職が開けるのではないかと思い、藻類培養装置の作製法について公開していきたいと思う。

微細藻類を培養するために制御することとしては、
1. 栄養(培地&空気)
2. 温度
3. pH
4. 光
5. 攪拌方法
などが挙げられる。特に4.の光が光合成をする微細藻類に特徴的であり、このため、培養する試験管・フラスコ・培養槽の形を考えることも重要なのである。

培地については別の記事に書いてあるので、そちらを参照してほしい。

次回からは、空気と二酸化炭素の混ぜ方などについて記載していきたいと思う。

2018年4月14日土曜日

ブログランキング発表!

小山内が運営しているブログは以下の4つである。

「環境バイオテクノロジー研究室の講義ファイルと研究アーカイブス
https://environbiotechnology.blogspot.jp/

「明大の先生が朝の35分間でバイオ研究にVRを導入してみるブログ
https://biovrmeiji.blogspot.jp/

「大学教員が綴る37.5℃の育児体験談
https://ikuji99.blogspot.jp/

「小田急沿線グルメ〜駅から半径18km〜

https://odakyugourmet.blogspot.jp/

当たり前だけれど、それぞれのブログが同じアクセス数な訳ではない。始まった時期が違うので累積アクセス数で見るとどれがよくアクセスされているかはわからない。

人気を見るとどうなっているかというと
1位 環境バイオテクノロジー研究室の講義ファイルと研究アーカイブス
2位 小田急沿線グルメ〜駅から半径18km〜
3位 大学教員が綴る37.5℃の育児体験談
4位 明大の先生が朝の35分間でバイオ研究にVRを導入してみるブログ

というランキングになっている。

1位のアクセスが多い理由は、正直読者の多くはまだこのブログしか知らないからである。いろいろなところで紹介しているし。中身はいろいろである。そもそも複数のブログをつくるなんて想定していなかったので。。。

そして、2位と3位はほとんど同じくらいである。その日の記事や更新によって変わる。

4位は、2番目に始めたVRブログであるが、、、ぜんぜんアクセスがない(泣)

ただし、この理由は明白である。

環境バイオテクノロジー・・・には、論文紹介、プロトコール、レポートや論文の書き方などが載っている。

また、育児、グルメもそれぞれ、それなりに有益そうな情報があるかもしれないという期待がある。子育てに役立ったものとか病気の話は木になる人もいるだろう。まだ店は少ないが、グルメも店選びの参考にはなると思う。

一方で、VRは特に必要とされていないのである。VRがなくて困る!という人がいないのである。

ということで、現在はこんなランキングになっています。VRももっと頑張ってアクセス数が上がるように頑張ります。VRでは、ゲームでも紹介していこうかなと思っている。あまりゲーマーではないのだけれど、メディアミックスが現在のテーマでもあるので。幅広い意味で言えば、これも研究の一環なのである。

2018年4月13日金曜日

なぜ差がないことにがっかりする?

ついに4年目に突入した環境バイオテクノロジー研究室。
1期〜4期生全部で学生は31人である。ポスドクやテクスタもいる。

今年も春になって今年もゼミがスタートした。暖かくなって生田キャンパスの動物たちものんびり散歩をしていた。



これまで、たくさんの学生のゼミでの研究発表をみてきた。ゼミ以外でも研究進捗や論文作成で研究の話をする。そうすると、いくつかの共通点があることに気づく。

そのうちの1つが、実験結果で「差がないことにがっかりする」「差がないと失敗だと思う」ことである。

例えば、最初に野生株と変異株Aのグリコーゲン(多糖、炭素の貯蔵源)の量を測定したとする。その結果、2つの株のグリコーゲン量に差がないと、「残念ながらグリコーゲンの量に差はありませんでした」という報告をすることが結構多い。一見残念に見えるのは無理もないかもしれない。

しかし、これは完全に間違いである。

そもそも、「残念ながら」という感情を混ぜているところもよろしくない。また、失敗を反省することで、「とりあえずその場はうまく切り抜けよう」という処世術に逃げている点もよろしくない(←これもすごく多い)。

それらに加え、科学的にも「差がないこと」はとても重要である。

例えば2番目の解析で2つの株の全アミノ酸量を測定し、野生株と変異株Aの全アミノ酸が異なることがわかったとする。

1番目の結果があると、2番目の結果を得た時に、変異株Aでアミノ酸量が変化したことだけではなく、変異株Aでグリコーゲンとアミノ酸の量比が変化したこともわかる。

つまり、1番目の差がないという結果にも科学的な重要性があるということである。

冷静に考えれば差がないことの重要性にも気づくのだけれど、研究は人間がやるもの。思い通りの結果が出ないと、つい感情が動いてしまい、落胆する必要のないところで落胆してしまう。焦る必要のないところ焦ってしまう。

そもそも研究ではそんなにすぐに結果はでない。4つも5つも解析をして、なかなか変化が現れないと研究のモチベーションが下がってしまう人も多い。

しかし、上記のことを理解していれば、差がない結果が出たからといって落胆する必要がないことがわかる。

新年度が始まり、新メンバーもやってきたのでいろいろと学んで欲しいことがたくさんあるのでブログで書いていこうと思うが、ぜひ「差がない結果の重要性」を理解してもらいたいと思っている。

上手な研究発表とは?

3月は学会シーズンであった。日本農芸化学会、日本化学会、日本植物生理学会などなど、色々な学会の年次大会が目白押しである。

この時期に初めて学会で発表するという学生もいるかもしれない。また、学会ではなくても、研究室の新メンバーが決定する時期でもあるため、研究室のゼミ発表ってどうすればいいのだろう?と悩む学生もいると思う。

学生に限らず、上手な発表というのは社会人になっても求められる。企業に勤めても学会に参加する人は大勢いるし、社内、社外でも発表で大事なプロジェクトが決まることも多々あることだろう。発表は別にアカデミアのものではなく、社会人として大事なスキルである。

当然ながら、「上手に発表するにはどうしたら良いのだろう?」と誰しもが考える。このスキルに終わりはないので、私も常にどうすれば良いだろうと日々悩んでいる。

いろいろな種類の発表があるので一概には言えないが、一言で言うと「相手(聞き手)の立場で発表を作る・発表する」ことである。


こんなことをいうと、「は?そんなの当たり前じゃないか?」と思うかもしれない。しかし、その当たり前のことができないのが研究発表である。

研究発表の前は、「緊張する・・」「勉強不足かもしれない・・」「早く終わらないかな」「質疑に答えられるかな?」
研究発表後は、「やっと終わって解放・・」「発表の感想どうだったかな?」
などの意見が多い。当然のことだと思う。

ただし、これらは聞き手のことを考えてのではなく、自分のことを考えている意見である。

緊張するとか、勉強不足とかは聞き手には関係ないし、本番になってしまったらもはや仕方がない。それよりも、現状の範囲で、「文字を大きくする」「余分な文字数を減らす」「足りない説明を補う」「相手にとって専門的すぎないかチェックする」などをすべきである。これが相手のことを考えるプレゼンである。


相手(聞き手)の立場で発表を作る・発表するなんて当たり前かもしれないが、これがなかなかできないのが人間である。

また、人前の発表で緊張する人がいるかもしれないが、相手の立場のことを考えて頭をいっぱいにしてしまえばよい。もし、緊張するとか考えているならば、それはまだ自分のことを考えているのであって、その時点でベストな発表とは言えないと思う。



ということで、当たり前すぎるけれどなかなかできない、相手の立場で発表を作る・発表すれば、おのずと人より良いものができると思う。もちろん、実験データや知識がないとどうやっても限界があることは最後に追記しておく。

2018年4月12日木曜日

まずは安全面の講習

基礎実習で真っ先に行うことは、実験を安全に進めるための注意である。

いうまめもなく、実験は時として危険を伴う。すでに実習でさまざまな薬品や機器を使っているので、農芸化学科の学生はそれなりには慣れているのだが、新しい研究室に所属すれば、当然違う薬品、機器があるので、それらを安全に取り扱うことを覚えなければならない。

気をつけなければいけないものはいくつかあるが、代表的なものとして、まず下のものの取り扱いを練習する。

1. オートクレーブ
高温、高圧で試薬や器具を滅菌する装置である。注意点はいくつもあるが、
i. オートクレーブに耐え得る器具であることを確認。
ii. 試薬をオートクレーブする時には、オートクレーブにかけて良い試薬かを確認し、蓋を必ず緩める
iii. 中の水(水道水)が十分に入っていること、廃液が適切な量であることを確認
などを確認する必要がある。特に、メジューム瓶などで密閉した状態でオートクレーブにかけるとガラスが破裂する危険があるので、要注意である。

2. 乾熱滅菌機
こちらも高温でガラス器具を滅菌する装置である。
i. 乾熱滅菌に耐え得る器具であることを確認
ii. タイマーがセットされているか確認(タイマーなしで終日運転されているととても危険)
などを注意する必要がある。

また、どちらも終了後に十分温度が下がってから取り出す。慣れてくると早く進めたくなってしまうが、安全面に関しては、必ず注意する必要がある。

3. 遠心機
これもバイオでは欠かせない機械だが、危険なものの1つである。まずは小型遠心機で練習をしている。
i. バランスが取れていること、蓋がしまっていることを確認。
ii. 用いる容器の最高回転数を確認。
iii. 最高回転数に上がるまで、異音がしないかを見守る。異音がする場合は、すぐに停止を押し、離れる。

これらが大事である。特に、遠心に耐えられない容器で高速回転で遠心してしまう事故が後を立たない。多いのが、えっペンチューブで15,000 rpmで回しているので、そのつもりで15 mLや50 mLのプラスチックチューブを同じ回転数で遠心をかけてしまう事故である。それぞれのチューブには最高回転数(正確には遠心力 g)が設定されているので、必ず確認することが必要である。


結果を出すよりも前に、まずは安全講習が必須である。

2018年4月11日水曜日

基礎実習について

農芸化学科では、研究室配属が2年生の3月に決定する。このため、卒業研究を実質2年間行うことになる。

3月は、基礎実習と名付けられ、新メンバーは各研究室でいくつかの実験を行う。基礎実習は授業科目ではないので、内容は各研究室でばらばらだと思う。勉強だけのところもあれば、いきなり実験をする研究室もあると思う。ただし、3月は卒業・異動シーズン、学会シーズンなので、「3月中毎日実験!」という研究室はないと思う。

備忘録も兼ねて、環境バイオテクノロジー研究室では基礎実習をどのように進めているかを記載していこうと思う。

はじめに述べるが、学年によって基礎実習のやり方が異なる

そもそも丸3年が経ったばかりの研究室であり、システムを構築している途中であるという理由もある。また、システムの改善に終わりはない。ただし、それだけではなく、学生の意見や希望によっても変わるからである。

研究室に入ると、裁量が大きく増える。自分で何をするかを自分で決定する権利が拡大するのである。一方で、その分、自分で決定しなければいけないので、責任も増えるとも言える。まさに社会人の練習である。

ということで、基礎実習がどんな風に行われるかを記載していきたいと思う。


乳酸脱水素酵素わかってるつもり?

"Substrate Specificity and Allosteric Regulation of a D-Lactate Dehydrogenase from a Unicellular Cyanobacterium are Altered by an Amino Acid Substitution."

Ito S, Takeya M, Osanai T.

Sci Rep. 2017 Nov 8;7(1):15052. doi: 10.1038/s41598-017-15341-5.



お待ちかねの論文紹介である(まさか論文紹介が少ないなんてコメントがくるなんて夢にも思わなかった・・・)。

こちらは現M1の伊東くんの仕事。B4の時に出版し、その結果、みごと学生顕彰優秀賞を獲得して卒業式で表彰された。昨年の竹屋くんに続く2年連続の快挙である。

この仕事は、シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC6803の乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase)の生化学解析である。

乳酸脱水素酵素はピルビン酸から乳酸を合成する酵素である。

乳酸は不斉炭素があるため、L-乳酸とD-乳酸がある(本当はL, Dは小型大文字というフォントを使う)。L-乳酸を作る乳酸脱水素酵素はLdh、D-乳酸を作る乳酸脱水素酵素はDdhと略される。

シアノバクテリアSynechocystisは、D乳酸を作る乳酸脱水素酵素はDdhを持っている。100%ビュアなD-乳酸を作る酵素である。この酵素の生化学解析を行ったのがこの論文である。

論文では、シアノバクテリアSynechocystisDdh(SyDdh)を組換えタンパク質として大腸菌から抽出・精製し、活性を測定した。

至適温度や至適pHを決定し、Km値やkcat値などを決定した。

また、14番目のグルタミン残基をグルタミン酸に変えることで、マグネシウムイオンによって活性化されるようになったり、234番目のセリン残基をグリシンに変えることで、本来の基質ではないオキサロ酢酸を基質とできる活性が向上した。


乳酸脱水素酵素という酵素は、いろいろな生き物で非常にたくさん研究されているクラシックで有名な酵素である。しかし、シアノバクテリアでは解析がなく、上記のように面白いアロステリック制御や基質特異性を有することが明らかになった。

この論文でもそうだが、酵素というのは1つのアミノ酸を変えるだけで性質がガラッと変わってしまうことがわかってきた。

とすると、アミノ酸配列がわかっているからといって、相同性のある酵素と同じだろうとは思ってはいけないことになる。

現在は、メタボロームや代謝モデリングなどが盛んである。

しかし、このような解析だけでなく、やはり1つ1つの酵素の生化学を行っていかなければ、本当の意味での代謝の理解ができないのではないだろうか。

明治大学に移ってから生化学グループを作って酵素の解析を進めているが、この論文の結果をみてもその思いを強くするばかりである。

2018年4月10日火曜日

☆新入生へのメッセージ No.5 〜一を聞いて十を知る〜

大学生活に入っても、高校までと同じく評価を受けることになる。

まずはGPA(Grade point average, 評点平均)という成績が全員につくことになる。

また、研究生活に入れば点数ではないが、研究成果などで「あの人は研究が進んでいるか?」などと他の人から評価される。

人間は他人の評価やランク付けが大好きである。

学生に限らず、社会人になっても他人から評価されることからは逃げられない。先生もいろいろな形で評価されることになる。

教員をやっていて、「成果が挙がるなあ」「この学生は伸びるなあ」と思う学生はどんな人たちかというと、「一を聞いて十を知る」学生である。学生に限らず、社会人の人を見ていても当てはまる。

例えば大学受験で、「漢文ってこの先使わないよね・・?」と思ったかもしれない(自分も思っていた)。大学でも「分子生物学とか、将来多分使わない」「研究者じゃないから論文とかいらないし・・」と思うこともあると思う。

しかし、そこで学ぶ「学ぶプロセス」、「仕事の進め方」はどの分野に言っても役に立つ。

今ではPDCA cycle(plan-do-check-act cycle)なんていうかっこいい言葉もあるが、ようするに知識を得て計画を練り、実行してその結果を評価して、また新しい計画に入るというのはどんな仕事でも当てはまる。

一見関係のない勉強や実験をしていていも、これらのスキルを上げることは可能である。

さらにいうと、世の中どう展開するかわからない。富士フィルムというカメラのフィルムの会社がメディカル事業・化粧品事業に注力していることは有名である。他にもパナソニック、ソニーなどもバイオ事業に参入している。モバゲーというポータルサイトを運営しているDeNAが、遺伝子診断を行っているのも有名である。

いろいろなことを勉強して、応用を考えておくと、このような変化のときにチャンスをつかむことができるのだと思う。

このように、できる学生は、1つのことを学んでいても「どのように役立つか?」を常に考えていて、外から見ていると、1つのことを教えただけなのに、たくさんのことができるようになっているように見える。

まさに一を聞いて十を知るである。



ということで、学生に限らずいろいろな人を見てきたが、仕事ができる人、結果を残せる人は、まさに一を聞いて十を知るだなあと感じることが多い。

2018年4月9日月曜日

生田の桜の木の下で

毎年新人歓迎を兼ねた花見を行っている。場所は生田キャンパス内の芝生である。建物の目の前でランチをするくらいだけれど。

先週ぎりぎり桜が残っていたので、花見を行った。就職活動などがあるので、全員揃うのが難しいのは例年通り。

今年で早くも4回目の花見。4期生が入ってきた。時の流れは本当に早い。
3号館前の桜は本当に綺麗で、桜の咲く時期がずれるので長く楽しめるのも特徴である。なんでずれるんだろう?種類の問題だろうか・・・。

VRブログの方で桜のVR動画を公開しているので、ぜひ。。こちらは理工学部の方の桜。
https://biovrmeiji.blogspot.jp/2018/03/blog-post_53.html

M2の冨田さんが作ったトルティーヤもあった。女子ってすごい・・・
この日はとても暑くて、23、24℃くらいあったので、1時間足らずで退散。まだ新メンバーは緊張気味であるが、きっとこれから本性を表すと思っている。。

さて、今年度はどうなることやら。毎年研究室のシステムを変えていく予定なので、メンバー次第で研究室の様子もガラッと変わると思う。

2018年4月8日日曜日

4つのブログの合計アクセス数は?

さて、突如として4つのブログを運営し出した。「4つのブログを運営しています」というと、驚かれる、呆れる、コメントに困る・・・など楽しい反応が得られます。。

現在(2018/4/8)のアクセス数は、
「環境バイオテクノロジー研究室の講義ファイルと研究アーカイブス」
https://environbiotechnology.blogspot.jp/
 アクセス数 18,170

「明大の先生が朝の35分間でバイオ研究にVRを導入してみるブログ」
https://biovrmeiji.blogspot.jp/
 アクセス数 907

「大学教員が綴る37.5℃の育児体験談」
https://ikuji99.blogspot.jp/
 アクセス数 763

「小田急沿線グルメ〜駅から半径18km〜」
https://odakyugourmet.blogspot.jp/
 アクセス数 893

ということで、合計アクセス数は
18170+907+763+893 = 20,733 となりました!

ということで、2万アクセス突破です(↑すごい半端な数だけど。だからどうしたと言われても困るけれど)。

ということで、今年度もいろいろな情報を発信していく予定です。。

☆新入生へのメッセージ No.4 〜アルバイトはじめる?〜

☆新入生へのメッセージ No.4はアルバイトについて。

大学に入学して勉強だけをしている、という人は少ないと思う。勉強たくさんした方が良いと思うが、それ以外の体験をするもの大学生では重要なことである。


また、大学生活では色々とお金がかかる。短期も含めれば、多くの人がアルバイトをしていることだろう。

新生活に少し慣れてきたら、アルバイトでもしようかな?と思い出すとだろう。すでに始めている人もいるかもしれない。

大学生にとって、アルバイトの位置付けは非常に大事だと思う。

まず、原則は、アルバイトはアルバイト。正社員でもないし、本業でもないので、「時間や労力を使いすぎては、絶対にいけない。学費がもったいない」である。

雇用側は、「学生だから、アルバイトだけれど責任を持って仕事をしてください」と言うと思う。もちろん、責任を持って仕事をするべきだと思う。

しかし、だんだんに「出勤日数を増やして」とか「4年生になっても辞めないで」とか言ってくることも多い。

これは雇用側の都合であって、学生のことを考えているわけではない。絶対に情に流されてはいけない。じゃあ、アルバイトに勤しんで就活ができなかったら正社員として雇用してくれて、しかも良い待遇で面倒をみてくれるのですか?と聞けば、ほとんど口をつぐむと思う。きちんと割り切ることが大事である。

また、アルバイトで頑張って疲れると、それなりに充実感を得てしまう。しかし、他の人はその時間勉強していたり、研究しているのである。これを忘れてはならない。

もちろん、アルバイトそのものもスキルアップには役立つことも多い。

私は、家庭教師、塾の講師、新聞の営業なんかのアルバイトをした。なんとなくこれらを選んだのだけれど、すべて「喋る職業」であった。話がつまらなければ、あっという間に商売上がったりになる。

この経験は今でも役立っていて、プレゼンなんかは苦手ではない。なので、アルバイトでスキルアップを考えると良いと思う。

一方で、同じアルバイトをずっと続けると、あまりスキルアップしなくなってくる。なので、お勧めとしては、半年、1年くらいで替えるのがいいと思う。正直、相手から喜ばれないし、自分自身も億劫なのだが、それくらい割り切ってアルバイトをした方が良いと思っている。

アルバイトに費やす時間は、大学生活でそれなりに大きなウェートを占める。間違ってもアルバイト先の都合の良い働き方はしてはいけない。貴重な大学生活を時給千円前後で費やしてしまう。勿体無いの一語である。

最後に大事な点であるが、必修を落として留年してしまう学生には、アルバイトが多すぎるケースが多い

話してみると、「なんか真面目だし、賢そうだし、なんで必修落とすの?」という学生が、必修の単位を落として留年していたりする。

こういう真面目な子に限って、アルバイトの店側にうまく使われてしまい、アルバイトでへとへとになっているケースがある。繰り返し書くが、雇用側の都合に流されては絶対にいけない。これはぜひぜひ覚えておいて欲しいと思う。



2018年4月7日土曜日

ハイテクリサーチセンター

明治大学は学部教育に力を入れている大学である。昨今の国立大学では大学院重点化の方針にともなって、大学院の力を強くする傾向がある。このため、学会などでは、◯◯大学ではなく、◯◯大学大学院と所属を記載する先生も多い。

しかし、明治大学は学部教育を重視している大学のため、明治大学農学部と「学部」で名乗る。私も外部に自分の所属を紹介する時は明治大学農学部にしている。

教育に力を入れている大学ではあるが、研究ももちろん頑張っている。「ハイテクリサーチセンター」は、生田キャンパスにある研究に特化した建物である。

すべてを把握しているわけではないが、私の関連の機器としては電子顕微鏡がここにある。これは学部共通で、走査型電子顕微鏡も透過型電子顕微鏡もある。

講習を受ける必要があるが、これらの顕微鏡を学部生・大学院生が使うことができる。電子顕微鏡を学生が触れるなんてとても贅沢な話なのである。研究所だと、壊したら大変なので、高額の機器は専門の人しか触れないことが多い。明治大学は教育の大学なので、自分で触れるようなシステムになっている。

この他にも低温室があり、タンパク質関連の実験の時にはお世話にあることもあるだろう。

また、予算を獲得した際にはプラスアルファの実験デスクを申請することもできる。空き具合によるが、新しいプロジェクトが始まる際には実験スペースを新たに使うことができる可能性がある。

ただし、割とどこに何があるか教員ですらもわからないので、情報共有を円滑にすることが必須なようである。だんだん事情がわかってきた。。

このように、研究室配属になるまでは全く縁のない建物であるが、ハイテクリサーチセンターという研究に特化した建物が生田キャンパスには存在するのである。

2018年4月6日金曜日

運営している4つのブログについて

現在小山内が運営しているブログのURLです。

「環境バイオテクノロジー研究室の講義ファイルと研究アーカイブス
https://environbiotechnology.blogspot.jp/

「明大の先生が朝の35分間でバイオ研究にVRを導入してみるブログ
https://biovrmeiji.blogspot.jp/

「大学教員が綴る37.5℃の育児体験談
https://ikuji99.blogspot.jp/

「小田急沿線グルメ〜駅から半径18km〜
https://odakyugourmet.blogspot.jp/

☆新入生へのメッセージ No.3 〜勉強がわからない!〜

新入生へのメッセージ No.3は〜勉強がわからない!〜ような場合について。

これは実体験を例に話をしたい。

私は国際基督教大学の教養学部出身である。この大学は少し変わっていて、1年生のときは、授業の半分くらいが英語であった。理系の科目は基礎しかやらない。

英語のクラスは入学式の次の日のTOEFLでクラス分けされる。私は真ん中のクラス。一番上は少人数で、ほぼネイティブ。真ん中のクラスに入ったのだけれど、「3年くらいアメリカに行ってました」、「小学校まで外国」など、帰国子女、海外経験者がわんさかいた。

私は、大学生までは1回しか海外に行ったことがない。テストの英語はそれなりでも、ディスカッションばかりの英語のクラスにはなかなかついていくのが大変だった。

2年生になると理系の授業も増えてくる。高校の時は物理と化学の選択で、生物は触ったことがなかった。しかし、2年生の1学期(ちなみに3学期制、今はどうだろう?)の終わりに生物を専門(メジャー)にしようと決定。

生物も英語と同様についていくのが大変だった。

正直、高校までだったら、「まあこれくらいやっていけば、100点とは言わないけれど、80〜90点でしょ」という気分だった。しかし、周りはみんなそういう人たちばかり。初期の生物の点数は目を覆いたくなるようなものばかりだった。(明大農学部に入学した人たちも、同じような体験をするかもしれない。自分も優秀かもしれないけれど、周りもまた優秀であることを決して忘れてはならない。。)。

当時指定されて買った教科書は有名な「The Cell」という教科書である。しかも、英語版・・・。生物を選択していなかった人間には不可能だった。頑張って勉強はしたものの、1時間に1ページも進まない。

こういう時に、無理をして頑張るのはよくないと思う。せっかくの勉強意欲を無駄に削いでしまう気がする。

そこで諦めて始めたことは、まず2ページのうち絵が1ページくらいを占める一般向けの本から始めた。「図解雑学シリーズ」なんかをたくさん買って読み漁った。

それらが一通り終わったら、次は生物関連の一般向け文庫本を読み漁った。ブルーバックスや中央公書などの本である。軽いし、持ち運びも楽だった(The Cellとか持ち歩くとかっこいいが、理解するのは無理だった。)。

結果として、この勉強法が大成功だった。

一般向けの本とはいえ、知識量は豊富である。教員となった今でもたくさん読んで、「へえ〜、そうなんだ」ということが無数にある。

一般向けなので当然わかりやすく書いてある。すなわち、時間あたりの学習量、労力あたりの学習量が極めて高いのである。英語の分厚い教科書で1時間に半ページしか進まなければ、当然半ページ分の学習量しかない。英語力がつくかと言われても、半ページではたいしたことない。

入学当初、教科書を指定されて、周りはみんな同じものを読んでいると思う。たまによくできる人が「この教科書はわかりやすくて、楽勝!」なんて言っていると、その教科書を読まなければいけない気分になってくる。講義で指定されていればなおさらである。

しかし、大学入学時点での選択は人それぞれだし、方向性もそれぞれである。その時点での知識量、実力派ばらばらである。

したがって、無理をして難しい教科書を勉強することは絶対にオススメしない最初に持っている高いモチベーションを浪費してしまし、そのうち勉強が嫌になってしまうと思う。

大学生では、「何を勉強したら良いか?」を自分で考えていくことが極めて大事である。その1つの助言として、「読む気になる本」を選択することも重要であると思う。


※先輩たちで、ぜひ「新1年生にはこういうアドバイスをした方が良い」というのがありましたら、ぜひコメントをください。


2018年4月5日木曜日

☆新入生へのメッセージ No.2 〜ぼっち飯〜

☆新入生へのメッセージ No.2は友達関係について

入学して最初の悩みは、何と言っても友達関係・人間関係だろう。新しい場所に行けば、人間関係がうまくいくか悩むのは当然である。職場だって人間関係がもっとも大きな悩みな人が多いので、何歳になってもこれは変わらない。

大学生になって一番悩むのが授業時間以外の居場所ではないかと思う。

高校生と違ってクラスの教室があるわけではない。講義や実習が終わったらその部屋は次の講義などがあるので、出ていかなければならない。

空き時間をどこで時間を費やすかというのは、大学生にとって大きな悩みではないかと思う。

また、昼食なんかにしても、講義で近くに友人がいればよいが、必ずしもいるわけでもない。これはどの大学でもそうだけれど、昼食を一人で食べると、「なんか友人少なくて、自分はダメなんじゃないか」と感じてしまう人も多い。いわゆる「ぼっち飯」と呼ばれるものである。

職場でも、昼食をどうするか(誰とどこで食べるか)って、割と大きな問題の場合もある。

サークルなんかに入っている部室があるだろうけれど、理系で実習も忙しいとアルバイトで精一杯で、入っていな人も多いかもしれない(自分もそうだった)。そうすると、そのような居場所もない。

こういうぼっち飯の寂しさについては、自分も大学時代に感じて、割と一人でご飯を食べることも多かったので、「自分は人間関係を構築できないダメ人間なのではないか?」「まわりからさみしいやつだと思われているのではないか?」と気にしたものである。

ではどうすればよいかというと、結論としては、
「そんなの気にしないで、さっさと一人でもいいからご飯を食べて、図書館でも行って勉強していた方がよい」
である。

正直、一緒にご飯を食べるなら食べるで時間も合わせなければいけなかったり、人数が増えると席が見つからなくて大変だったりする。

そうまでして一緒に食べても、毎回同じメンバーだと話すこともあまりなくなってくる。自然と同じメンバーならばいいが、合わせるのにだんだん疲れてくることもある。

「さみしいとかなんとかを気にせずに、さっさと食べて勉強でもしていた方がよかった」というのが、自分の大学生活をを振り返った結論でもある。

大学は学校。遊ぶところではなく勉強をするところである。

先生的な道徳的発言ではない。

大学のうちに実力をつけておかないと将来望むものが得られないで、仕事が楽しくなくなるからである。

人生では仕事をする時間が圧倒的に長い。自分に合わない仕事、待遇などのよくない仕事で時間を費やすことはとても辛い。

しかし、人気の仕事、良い待遇などはみんなが欲しがる。競争であることは間違いない。

そのような仕事を得られるかどうかは、大学時代の頑張りにかかっている。大学は遊ぶところだなんて騙されていると、将来望むものが得られなくなってしまう(今時の学生はむしろ賢くて、ちゃんとしている気もするが)。

ということで、新入生へのメッセージとして、居場所、特に昼ごはんに困ることがあるかもしれないが、「一人でもいいからさっさと食べて図書館などに行って勉強していよう」である(もちろん、一緒に食べる人がいるならば、別に無理に一人になる必要はないけれど。。)。


ちなみに生田キャンパスには食堂が2つ、そば処1つ、カフェ1つ、さらにコンビニとワゴン販売などがある。
こちらは生田教職員食堂の定食の写真。教職員食堂はその名の通り、教職員のみで学生は入れない。

ということで、よく聞く悩みの一つ「ぼっち飯」に対する一教員の意見でした。なんにしろ、悩まないで欲しいと思う。


※先輩たちで、ぜひ「新1年生にはこういうアドバイスをした方が良い」というのがありましたら、ぜひコメントをください。

2018年4月4日水曜日

4つのブログを運営して

それにしても我ながら4つもよくブログを始めたと思う。

1つめは、このブログである「環境バイオテクノロジー研究室の講義ファイルと研究アーカイブス
https://environbiotechnology.blogspot.jp/
である。
研究や講義、レポートから雑記まで何でも書いている。そもそもブログを複数扱うなんて発想がなかったため、何でも書いている。


2つめは、「明大の先生が朝の35分間でバイオ研究にVRを導入してみるブログ
https://biovrmeiji.blogspot.jp/
である。
VR(Virtual Reality)を利用して、実験的なブログである。自分で視点をいじることができる静止画や動画を掲載している。いつも思っているのだけれど、360度カメラが壊れたら止まるのでどうしよう💦。。。それはともかく、流行りのVRを扱っている。

3つめは「大学教員が綴る37.5℃の育児体験談
https://ikuji99.blogspot.jp/
である。
タイトル通り、育児について書いていこうと思っている。大学教員なので、大学教育などについても記載する予定である。育児のことで、「これはやったほうがよかった!」などがあるので、それらの備忘録としても使いたいと思っている。

4つめが、「小田急沿線グルメ〜駅から半径18km〜
https://odakyugourmet.blogspot.jp/
である。明治大学の最寄駅が小田急小田原線の生田駅である。半径18kmというと、渋谷、新宿、横浜などをすべて含める。しかも、沿線なので、べつに生田を出発とする必要もない。さらに、出張で見つけた美味しいものも紹介している。要するに、自由に美味しいものを記載したいグルメブログである。

こうして、2018年4月現在、4つのブログを運営することになった






更新が大変である。どうしよう。


2018年4月3日火曜日

☆新入生へのメッセージ No.1 〜ゴールではなくスタート〜

今年も4月がやってきた。本学にも新1年生が入学する季節である。



新しい学生が来ると、教員・在学生もそわそわして、しかしフレッシュな気分になってやる気が出るものである。ちゃんとしなきゃと気が引き締まる時期であり、とても幸せな季節の1つではないかと思う。

高校生生活が終わり、大学生なったばかりで、期待だけでなく、不安もいっぱいあると思う(校長先生の発言みたいだが)。

ここは大学教員のブログとして、新入生へのメッセージを書かなければいけないという、勝手かつお節介な使命感に駆られたということで、「新入生へのメッセージ」と題して、何回かブログを書こうと思う。

はじめに伝えたいことは、「大学入学はゴールではなく、スタートである」ことだろうか。

大学受験はとても大変であったと思う。すごいプレッシャーのもと、毎日毎日勉強して、試験の日の緊張感は計り知れなかったと思う。推薦で入学した人だって、明治大学はやはり人気であるので、競争は大変でたくさん勉強したかと思う。

明確なゴールとして、大学への入学があり、まずはおめでとうと言いたい。

しかし、大学は勉強をするところであり、入学ということはすなわち大学での勉強のスタート、始まりなのである。

受験が大変でだったから気を抜きたいし、「大学は遊ぶところ。授業なんてほとんどでないで遊んで卒業できた」なんて、大昔の価値観を押し付けてくる人もいるかもしれない。しかし、残念ながら勉強をする場所である。

特に理系の大学、さらに本農芸化学科では、遊んで卒業などありえないいかに大変であるかについて、先生方・先輩方から繰り返し聞くことになると思う。

実習がいきなり週2、3回もあって、授業もたくさんあるし、そうこうしているうちにレポートや小テストが怒涛のごとく降ってくる。バイトを始める人もいるだろうし、そういう新しい変化に慣れながら日々を過ごしていかなければならない。

「あれ、サークルで楽しく遊んで過ごす華やかなキャンパスライフはどこへ?」というのが大学生活の感想ではないかと思う。本学科に限らず、理系の学科は一般的にそうだと思う(文系はわからないが、私の出身のICUも結局たくさん勉強していた)。

ということで、まず大事なことは、入学はゴールではなくスタートであり、勘違いしていると大学生活が恐ろしく辛いものになってしまうということである。

これは大学入学に限らず、研究室配属や入社にも言えると思う。要するに「あまり夢を見過ぎていると、現実の辛さに耐えられない」ということではないだろうか。

なんかひどい場所のようであるが、こうした大変な勉強をして、自分の実力を磨いて、その充実感を楽しむ場所であると思う。スポーツとか演奏とか、毎日は辛い練習だけれど、終わった後には充実感とその能力が残る、という楽しみ方に近いと思う。

ということで、何回かに渡って、新入生へのメッセージを書いていこうと思います。


先輩たちで、ぜひ「新1年生にはこういうアドバイスをした方が良い」というのがありましたら、ぜひコメントをください。

2018年4月2日月曜日

さあ、新年度スタート

いよいよ4月になり、新年度のスタートである。学生は学年が1つ上がり、なんと言っても農芸化学科に新入生が入学してくる。

今週はガイダンス週間で、新入生はたくさんの説明で頭がいっぱいかもしれない。そういえばTOEICのテストもあったと思う。いきなり大変である。

そして来週からは大学の講義がスタートである。

自分の担当は分子生物学(2年生以上)、生命システム工学(3年生以上)、環境分析実験(2年生)、環境バイオテクノロジー特論(大学院)、これに学部のオムニバス講義が入る。国立の先生たちからすれば結構多いほうだと思う。ただし、私立大学にはもっと多いところもあると思う。


これは北アルプスの写真。先週つかの間のリフレッシュ。

新入生の想いは、この空のように澄み渡っているだろうか。不安がありつつも、希望でいっぱいかもしれない。若者ってすばらしい。

しかし、大学の勉強は険しい登山と同じである。一度に頂上にはつかないし、着いたと思ったらまだ先がある。終わりのない登山である。

いろいろなことがある大学生活。今年はどんな年になるだろうか。

2018年4月1日日曜日

【重要】レポートの書き方 No.6 〜簡易版〜

レポートの書き方 No.6は簡易版である。

5回にわたってレポートの書き方を記載した。「論文の書き方」の記事と同じだけれど、情報量が多すぎると読まれないのが現代社会である。頑張って読みなさいと言っても限界があり、難しいと思う。

そこで、今回は5回分をまとめた「レポートの書き方簡易版」の記事である。他にも注意点はあるが、以下の点は最低チェックして欲しいというものである。



一般的には、
要旨→序論→材料と方法→結果→考察
になる。

要旨
1. 要旨は序論、材料と方法、結果、考察をすべて含む

序論
1. 必要な知識を引用付きで説明
2. 文末に引用を数字や苗字でつける

材料と方法
1. 実際に使った材料・行った方法を書く
2. 単位の前は半角スペースを開ける。, や.の後も半角スペース


結果

1. 解釈は含まない
2. 図だけで説明せず、図の下の説明文でサンブルの番号などを書く。

考察・議論
1. 結果の繰り返しにならない
2. 感想文にならない
3. 「失敗なので次頑張ります」というのはよくある悪い例

その他の注意としては、
1. 図のたてよこ比は変えてはいけない
2. 参考文献はURLだけでなく、著者や年などを記載

だろうか。

あとは詳細版をご覧ください。