研究室訪問において、よくある質問の1つが「研究テーマ」である。研究テーマが最重要項目の1つであることは言うまでもない(ただし、テーマが全てではない。テーマを悩みすぎることはよくないので、チャレンジしてみるのも大事)。
環境バイオテクノロジー研究室という名前の通り、環境とバイオをキーワードに基礎および応用研究を行なっている。特に微細藻類を研究材料としている。微細藻類では、シアノバクテリア(ラン藻)、ユーグレナ、紅藻を研究対象としている。
もっとも基礎的な研究としては、
1. 代謝酵素の生化学
2. 転写制御機構の分子生物学
3. 光合成の遺伝学
4, 代謝のシグナル伝達の分子生物学
が挙げられる。
少し応用的な研究としては、
1. バイオプラスチック原料(コハク酸、乳酸、ポリヒドロキシ酪酸)の増産
2. 水素生産
3. 食用色素の生産
4. 微細藻類の効率的な培養法の開発
を行なっている。
4番は、基礎とも関わってくるので必ずしも基礎、応用とはっきり分かれているわけではない。
ただし、上記はあくまでも例なので、他にも色々な研究を行なっている。新しく配属された学生(3年生)がどのようにテーマを決めていくかというと、3、4月に基礎実習を行なって研究室に馴染む。その間に先輩たちのゼミもあるので、少しずつ研究室で何をやっているかがわかってくることだと思う。
例年は、5月の中旬から下旬に3年生で集まり、「仮テーマ」を決定する。研究室にある全ての実験操作を覚えても全部使うわけではないし、忘れてしまう。ある程度テーマを絞って、自分に必要な実験手法を学ぶのである。環境バイオテクノロジー研究室では、これを専門実習と名付けている。
これでまずは一つのテーマに沿って研究を進めていく。しかし、研究はうまくいかないことの方がよほど多い。一旦決めたテーマを日々修正していき、場合によってはテーマそのものを変えることもある。1つのテーマを進めているといつの間にか別のテーマになっていたということもある。これは別に驚くことではなく普通のことである。
ということで、早い人では、6月くらいから一人で研究を進めることになる。もちろん先輩たちに手法を習ったり、他のメンバーとディスカッションしながら研究の方向性を日々考えていく。
環境バイオテクノロジー研究では、関連はするけれど、一人一テーマで進めてもらっている。遅くとも3年生の夏からは独立のテーマを始めることになる。誰かの手伝いのようなことはしない。
このように、研究テーマは割と早めに決定するが、常に修正しながら研究が進んでいくと考えて欲しい。
また、研究室のテーマ選びでは、先輩も重要かもしれない。人間なので相性もあるので、「絶対にこのテーマが良い!」というのが決まっていなければ、相性が良さそうな先輩のグループのテーマを選ぶというもの1つの手だと思う。
迷いどころではあるけれど、悩みすぎずにやってみると楽しいこともたくさんあるので、良く考えつつも慎重過ぎずに蹴ってして欲しいと考えている。
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