2018年3月31日土曜日

【重要】レポートの書き方 No.5 〜考察・議論の書き方〜

レポートの書き方 No.5は、考察・議論の書き方である。

要旨、序論、方法と材料、結果まで書いて、最後に考察・議論である(そのあとに引用はあるが)。

考察・議論は、個人の実力差がもっとも出るところと言って良い。

こちらもそれぞれ「型」がある。

まずは結果の解釈を記載していく。サンプルが3つあって、データが3つあれば、それらを比較していくことになる。この辺は自然とできることではないかと思う。

最初に述べる多い間違いは、考察・議論に序論がいっぱい入っていることである。

例えば、私の実験では、スピルリナという藍藻を扱っているが、藍藻とは何か、スピルリナとは何かを説明するのは序論である。考察・議論ではない。

では考察は何かと言えば、得られた結果について、これまで知られている知見と比較していき、結果の位置付けを読者に説明することである。

なので、どんなに悩み苦しんでも、IQが高くても、それらの知見を調べなければ書くことはできない。このため、いっぱい調べて勉強したかそうでないかが、考察・議論を読むとすぐにわかってしまうのである。

調べないで考察・議論を書くとどうなるかというと
1. 結果の繰り返しを何度も書く
2. 感想文になる
というよくある悪い例になってしまう。

特に多いのが、「今回の実験は失敗である→次回は改善して頑張ろうと思う」というものである。

成功・失敗ではなく、他の例・先行研究と比べて同じなのか違うのかが考察である。成功・失敗は感想に近いと言っても良い。卒論や修論でも結構多い間違いなので、これをレポートのうちに覚えておくと、その後の展開がぐっと良くなると思う。




あとは最後に引用・参考文献を記載する。
注意点としては、URLだけ書かないことだろうか。発表年や著者名なども必須である。

ということで、5回に渡って記載した「レポートの書き方」でした。

実習の時に「レポートの書き方を記載しました」とは言わないかもしれない(気分で言うかもしれないけれど)。なぜかというと、自分で探してくることがもっとも大事だからである。

レポートの書き方はこれで終わりだけれど、次回は「レポートの書き方簡易版」の記事を掲載します。

2018年3月30日金曜日

【重要】レポートの書き方 No.4 〜結果の書き方・見せ方〜

レポートの書き方 No.4は、結果の書き方・見せ方である。

要旨、序論、材料と方法に続いて、結果を記述する。結果を記述する場合は、図や表を必ず利用する

「素晴らしい文章を書いているので、図や表なしでも補える」ということは絶対にない。相手の想像に頼ってはいけないのが科学の鉄則である。相手の想像に頼ると、人によって別のものになってしまうからである。

結果では、得られた結果をシンプルに説明していく。その結果から考えられる「解釈」は、すべて考察・議論に持っていく。

例えば、「サンプルAの吸光度が0.5で、サンプルBの吸光度が0.3であり、サンプルAの方が濃度が高かった」と記述するのは、厳密には間違いである(レポートなので多少多めに見るけれど)。

何がおかしいかというと、結果はサンプルAの吸光度の0.5とサンプルBの吸光度の0.3であり、それを比較してサンプルAの方が濃度が高いと考えるのは、考察・議論だからである。うっかり結果に書いてしまいたくなるところだろう。心配しなくても学部生のみならず、もっと上の年代でもたまに書いてしまったりするので、注意して書くとかなり人と差をつけることができる。

そして、結果には図や表を載せる。図は色が必須の場合はカラーにする。

大事な点の1つは、結果の写真の縦横比を変えてはいけない

拡大縮小は問題ないが、縦や横に引き延ばしたりしてはいけない。これはたまに見かける。

また、図や表には必ず説明文をつける。ここでも間違いが結構多い。

よくある問題点は、
1. サンプル番号を言葉で書いていない(写真に書き込んで終わり)
2. 棒グラフ・点グラフの値は平均値であることが書いていない。エラーバーが標準偏差なのか標準誤差なのか書いていない
3. 図の説明に、考察を書いてしまっている(「サンプルAの濃度が一番濃くなった」など)

これらはどれもうっかり書いてしまいそうだけれど、明確に分けなければならない。

繰り返して書くが、これらのルールを逸脱して書いても、「天才的な文章は一般人には理解されないから仕方ない」と誰かが素晴らしい評価を下してくれることは絶対にない(ポテンシャルを感じることはなくはないが)。フィギュアスケートの試合にスケート靴以外を履いても参加しても、フィギュアスケート以外の何かになるだけである。そこは勝負するところではない。

ということで、上記を踏まえた上で、シンプルに書いていくのが結果である。

No.5に続く。

2018年3月29日木曜日

【重要】レポートの書き方 No.3 〜材料と方法の記述〜

レポートの書き方 No.3は「材料と方法」について


前の記事でも書いたが、2年生以降ならば
1. 要旨
2. 序論
3. 材料と方法
4. 結果
5. 考察・議論
6. 引用

これらに加え、図や表、その説明文を加える。今日は、材料と方法についてである。

まず最初に材料について書く。材料とは、使った生物の名前、試薬、器具・装置などである。

生物については、さすがに科学のレポートであるため、学名を調べて併記した方がよい。

大腸菌と書くだけではなく大腸菌(Eschechiria coli)などである。また、それぞれの生物には「株」というものがあり、同じEschechiria coliでも単離場所の違いや長年に渡る培養やの結果で名前や番号がついていることがある。実習でそれらが明記されている場合は、これも併記する。

試薬について必須なのは、必ず試薬の濃度を記載することである。質量%濃度やモル濃度で記載する。

モル濃度についてはぜひ復習しておいてほしい。molは物質量であって濃度ではない。mol/L = Mである。すっかり忘れている人も多いので復習は必須である。一般的には後者のM, mM(ミリモル)などで記載し、mol/Lなどとは書かない。

また、単位の前は半角スペースを空ける。これが鉄則である。

20 mM NaCl
5 g/Lになるように食塩水を調製して・・・

ただし、%と℃の時は空けなくて良い(高校の教科書だと空けていることもある。どちらでもよいが一般的には空けない)。

また、カンマ,やピリオド.の後も必ず半角スペースを開ける。

器具や装置についてはそのまま記載すればよいが、プロトコールとして配られたプリントに記載された器具や装置と実際に使った器具や装置が異なることがある。

これは実際の研究でも起こりうることで、いつもすべての器具や装置が使えるわけではない。故障していたり、予約が取れなかったりしていつもと違うものを使うことも頻繁にある。

そのような時に実験ノートに記載しておかないと、しばらくして違う結果が出た時に「何が原因だろう?」と考え込まなければいけなくなる。逆に、「装置を変えることで違う結果が出たので、自分の実験には◯◯が大事である!」と発見につながることすらある。

配布された文章をそのまま写す人と、自分で考えて記載する人ではかなりの差が出ると言って良い。この部分はぜひ自分で使ったものを記載することが必要である。

ということで、材料と方法について「プロトコールをうつせば良い」と考えているかもしれないが、他の人と差がつくポイントがあるので注意が必要である。



No. 4に続く。


2018年3月28日水曜日

【重要】レポートの書き方 No.2 〜要旨と序論の違いって?〜

レポートの書き方 No.2では、まずレポートの形式について扱う。

ちなみに私の実習では、1年生についてはレポートの形式を崩していて、簡単になっている。1年生でいきなり完璧な形式でのレポートを書こうとすると、さすがにオーバーワークになるので(それだけ農芸化学科は大量の講義と実習とレポートとその他諸々のタスクがある)、1年生が読んでいたら私の実習に関してはここまでやらなくて良いです。

一方、2年生の実習ではどうしているかというと、実習が終わったら、「じゃあ、レポート書いてきてね。」で終わりにしている。

そんなことを言うと「はっ?どういう形式で、何枚レポート書いて、何を重点的に書くのか?」となるが、それを調べて考えるのがレポートになっている。

今回はブログでレポートの書き方なんて公開するが、これを探してくるのも自分でやることだし、他にもレポートの書き方は本やネットでいろいろと調べられると思う。

そして大事なことであるが、すべての情報が正しいとは限らない。少し付け加えるならば、正しくても自分の場合に当てはまるとは限らない。

そこで、自分で複数の情報を得て、それらを取捨選択し、統合することになる。これはレポートの書き方だけでなく、研究や仕事などすべてに通じることである。

ということで、レポートの書き方などは述べないけれど要求されるのが2年生である。結構ハードル高いと思うが、これまでの先輩たちは自分なりに調べて頑張っていると思う(だからこそ、農芸化学科の学生はレベルが高いのだと思う)。

だいぶ脱線したが、レポートの形式についてである。レポートの形式は、基本的には論文と同じにしておけば間違いはない

論文の書き方は別の記事にあるが、
1. 要旨
2. 序論
3. 材料と方法
4. 結果
5. 考察・議論
6. 引用
これらに加え、途中に図や表、その説明文を加える。

最初の評価はこれらの形式が整っているかどうかである。そして、大学生で大事なことは、これを自分で調べて「科学の文章ってこういう形式が一般的らしい」と知ることである。「教わっていないからできません」が通用しないところが、高校生と大学生の大きな違いである。

上の形式で、もっとも間違いやすいのが要旨と序論である。英語では要旨はAbstract(アブストラクト)、序論はIntroduction(イントロダクション)である。

要旨とは、文章全体を短くまとめたもので、通常は1パラグラフ、すなわち段落分けをしない。文章全体ということなので、要旨には、序論、材料と方法、結果、考察・議論がすべて含まれていなければならない。そして、引用は避ける。

多いのが、
1. 序論と混同している
2. 「この実験は◯◯を学ぶことを目的としている」など、目標などの宣言を行って終わりである
の2つである(繰り返すが、私の実習では1年生にそこまで要求していない)。

これに対し、序論は、レポートを読むために必要な知識を引用付きですべて書くことである。

生物Aを用いた実習ならば、その生物Aの説明を書き、実験手法B、Cを用いたならば、その実験手法の説明を書く必要がある。

大腸菌を用いた実験ならば、グラム陰性菌であることや増殖が速いこと、遺伝子組換えが可能なことなど無数に書くことがある。それを引用をつけて、実験内容に合わせて記載するのである。

特に大事な点は、引用をする際に、最後に引用リスト(Reference、リファレンス)をつけるだけでなく、各文に数字や苗字などで引用箇所を明記することである。

過去にわかっている事実を文献をつけて紹介していくのが序論である。


このように、要旨と序論は全く違うもので、それぞれポイントがあるので、気をつけてほしい。


記事が参考になったら、下記のクリックをお願いします!!

↓ブログランキング大学教育部門1位をキープ中!

大学教育ランキング

2018年3月27日火曜日

【重要】レポートの書き方 No.1 〜小説家になれるかも?〜

明治大学農学部農芸化学科では、学生実習が1、2年生に集中している。1、2年生の間は週2回、多いときは週3回も学生実習がある。これに講義ももちろんあり、花の大学生生活とは無縁であることを思い知らされるのが本学科である。

(ちなみにいきなり話はそれるが、「大学は遊ぶところだ」なんて言っている大人は信じない方がよいので、これで良いと思う。単に若者がたくさん勉強して実力アップされて追い抜かれるのが怖いから勉強するなと言っているだけである。)

私は環境化学実験、環境分析実験などを分担で担当している。他にも農学科の化学実験なんかも担当している。

私が担当の環境化学実験・環境分析実験では、微細藻類であるスピルリナやクロレラを用いて、分光光度計や簡易的なクロマトグラフィー、硫安沈殿やBCAタンパク質定量、SDS-PAGEにブロッディングなどを行う。分子生物学・生化学などで用いる基本的な技術を習得するのである。

上記のような実験を行うのであるが、その後当然レポートを書かなければならない。この環境◯◯実験だけでも、半期に4つレポートなどを書くことになる。いや、本当に大変だ・・・

しかしながら、これらのレポートに始まり研究論文作成につながっていく「文章を書けるようになること」は、大学教育のもっとも重要な項目の一つであると考えている。ここでいう文章は、英語ではなく、日本語の話である。

こんなことをいうと「日本語の文章?いや、日本人で大学受験に通ったくらいなんだから、書けるに決まってるでしょ?」と思う人も多いかもしれない。いや、自分が学生のときに言われたら、「自分の方が文章うまいよ?」と反論すると思う。いや、実際に言っていた気がする笑。

正確には、大学教育で学ぶような文章は「科学的な文章」(人文科学や社会科学も含んだ科学)であるが、もう少し一般的な「仕事で使う文章を書ける」ようになるということであると思う。

上記でいう「自分の方がうまい」文章とは、「心情を綴るような文章」や「小説のような文章」のことを指すことが多い(それらも勉強しなければ、簡単にかけるものでは全くないはずだが)。

ということで、シリーズとしてレポートの書き方をブログで綴る

まずレポートを書くためにやることは、高校までたくさん書いてきた感想文や物語文とは全く違うことを認識する必要がある。

そして、レポートをはじめとする科学の文章には形式がある。それらを逸脱して「自分は名文を書いている」といくら主張しても、認められない。いうなれば、野球の試合にテニスラケットを使ってホームランになっても、それは野球でない何かになるだけあり、野球として認められないのである。

成績の良い人ほど自分の文章力に自信があったりする。そして、「小説家になれるかも?」なんて考えたことがある人もそれなりに多い。

そのような文章力を否定するわけではないが、科学やその他の仕事の時には小説のような物語文や感想文と明確に分けなければならない。当たり前だが、同じ文章なので、忘れてしまいがちなところでもある。


ということで、今回は前振りで、次回以降レポートの書き方の入っていく。



2018年3月26日月曜日

本日は明治大学の卒業式

本日は明治大学の卒業式である。
https://www.meiji.ac.jp/koho/news/2017/2017graduation.html
武道館で卒業式が行われた後、学科ごとに分かれて学位授与式が行われる。

学位授与式では各教員からのメッセージもある。さて今年はんて言おうか。昨日の別ブログで、少し言いたいことは書いたのだけれど。
https://ikuji99.blogspot.jp/2018/03/blog-post_25.html

会社に就職にしろ、大学院進学にしろ、自分の足で立って行きていくことに変わりない。

自分の人生を振り返っても、大学院からが面白い気がする。自分の権限が増えて、自分で何事も進めていかなければいけない。その分恐ろしく大変なのだけれど、だからこそやりがいがあった。人に言われたことで行動が決まるのって、やはりあまり面白くなかった記憶がある。

環境バイオテクノロジー研究室は、今年10名の4年生が卒業する。

去年も思ったけれど、個性的なメンバーである(笑)(本人たちはどう思っているのだろうか。。)。

大学の先生をしていると、それぞれが顔のある個人として思い出すことができる。

しかし、会社に入ったらそういう扱いとは限らない。表面上は一人一人を大事にしています!と標榜していても、顔のない労働力として扱われることも少なくない。

出世をする必要はないけれど、うまく一人の人間として扱ってもらえるポジションに進んで欲しいなと思っている。一人の人間として扱われることは、決して当たり前のことではない。リストラのニュースなんて珍しくもなんともないことだし。

本日は晴天。最高の卒業式日和である。本日は手放しでお祝いしたいが、社会人・大学院生としての厳しさを考えると、ただ笑ってもいられない。色々と考える日である。

やるからには徹底的に

今日から月曜日。大学は春休み期間中であるが、大学業務や研究に休みはない。本日は、高校生の案内と実習が入っている。フレッシュな高校生たちと会うのはとても楽しみである。

研究は、微細藻類を用いて、遺伝子の改変によるバイオプラスチック生産や、光合成、代謝、転写のメカニズムの解明、酵素の生化学などを行っている。

このような様々な研究を進めているが、現在ではSNSなどを利用した新しい研究枠組みの構築を進めている。

SNSは情報共有手段として、非常に強力である。研究室には20人以上の人がいるので、情報共有の方法は非常に重要である。繰り返し述べているが、このブログでも、「論文の書き方」、「プロトコール(実験手法)」、「研究紹介」などを掲載している。

ちょうど3月に新メンバーが決定したので、ブログのカテゴリーの「研究紹介」、「論文アーカイブス」を読んでおいてくださいとメールをした次第である。まだまだ未完成なのだけれど。

昨年までだといくつか印刷して渡していたが、全部印刷するには膨大すぎるし、保管する方も大変だと思う。あとで読み返そうと思っても、物理的に探さなければならない。この時代には、「情報の検索のしやすさ」が極めて重要である。

続けてVRのブログも始めた。こちらもそのうち本格的に仕事と絡んでいくことになる。現在ではまだ言えないが、うちの研究室だけのマターでは無くなっていくと思われる。

このように、本格的にSNSと研究を融合させていくのだけれど、「大学教員でブログをやってます」、「SNSで研究成果を発信しています」なんて別に珍しくもなんともない。なので、何か人と差別化をしようと思った。

ということで、たくさんのブログを操る研究者になろうと思った。これはただ差別化するだけでなく、上記の情報の検索のしやすさとも関連する。最初のこのブログも記事数が増え、検索しにくくなったためである。

なので、たくさん記事がたまりそうなカテゴリーは別のブログにすることにした。

たくさんたまりそうなカテゴリーとしては・・・・「美味しいものの情報」だろうか。

ということで、グルメブログを発信することに決定した。4つ目のブログである。
小田急沿線グルメ〜駅から半径18km〜

これかも情報共有を効率化しながら、研究や講義を頑張りつつ、かつ、仕事を徹底的に楽しむつもりである。

2018年3月25日日曜日

カリウムでコハク酸増産!?

"Anionic metabolite biosynthesis enhanced by potassium under dark, anaerobic conditions in cyanobacteria."

Ueda S*, Kawamura Y*, Iijima H, Nakajima M, Shirai T, Okamoto M, Kondo A, Hirai MY, Osanai T.

Sci. Rep. 2016, 6:32354. *同等貢献

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27576448

一期生上田さん、川村さん(当時学部4年生、既卒)が筆頭著者となった論文である。二人とも既卒である。元気かな・・・

シアノバクテリアを用いたバイオコハク酸生産のプロジェクトを抱えて明治大学に着任。コハク酸生産は、環境バイオテクノロジー研究室のメインテーマの一つである。

遺伝子改変によるコハク酸増産を明らかにしたが、こちらは培養法によるコハク酸の増産方法である。

先行研究では、単細胞性シアノバクテリアであるシネコシスティスを、暗嫌気条件で培養すると細胞外にコハク酸が放出されることを発見した。この暗嫌気条件では、バッファーや培地を用いていたが、この培養を塩濃度を変えて行なってみた。

具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムを100 mM加えて発酵させてみたのである。お試し実験で、コハク酸が増えるとはあまり期待していなかった。

ところが、コハク酸量を測定したところ、カリウムを入れた時だけコハク酸の量が2倍くらい増加した。ナトリウムやカルシウム塩では増えなかった。

メタボローム解析を行ったところ、カリウム存在下で発酵させると、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸などの有機酸の細胞内濃度が増加することが明らかになった。つまり、カリウムによって、発酵条件(暗嫌気条件)で有機酸の生合成が促進されることがわかった。

カリウム添加に、これまで取れたコハク酸をよく作る株であるSigE過剰発現&ackA欠損株(通称1299E株)を組み合わせると、コハク酸生産量が野生株の約11倍の140 mg/Lに増加することが明らかになった。また、乳酸生産も46倍の
210~220 mg/Lに増大することが明らかになった。
なぜカリウムを入れると有機酸の生合成が促進されるのかはわかっていないが、陰イオン性の代謝産物が包括的に増えるため、細胞内の電荷のバランスを取っている可能性がある。

このように、培養条件と遺伝子改変を組み合わせて、シアノバクテリアのコハク酸生産を増大させる研究を行っている。


2018年3月24日土曜日

人の噂も七十五・・・

人の噂も七十五日ということわざがある。
このブログを書こうと思って、そういえば何日だっけ?と調べていまった。予測検索でも「人の噂も」と入れたら「何日」と出てきた笑。正直”75日”に大した意味はないのだと思うが。

ことわざ辞典もリンクしておく。
http://kotowaza-allguide.com/hi/hitonouwasamo.html
この言葉は、ようするにどんな噂だろうとしばらくすればみんな忘れるということであり、世間なんて、他人なんてそんなものだということである。

これは結構教育上も大事だと思っている。

若い人ほど、優秀な人ほど、 誰かにネガティブなことを言われるのを恐れてしまういことがある。処世術としてうまくやっていこうということなので決して悪くはないが。

しかし、それによって、例えば「良い点数を取る」、「人より成果を挙げる」、「人と変わったことをする」ことを辞めてしまうことも多い。日本では特に横並びで画一的なものを要求されることが多いので、却って優秀な人ほど他人との軋轢を気にしてしまって、自分のやりたいことを辞めてしまうことがある。

しかし、所詮人の噂も七十五日である。他人の目を気にすると、絶対に自分の目標や夢を達成できない

良い成果を上げたり、より良い待遇を目指そうとして目立つと、必ずそれに対して文句をつけてくる人がいる。単純は悪口や嫌味だけではなく、一見親切そうなアドバイスを装って辞めさせようとしたりする。親切を装っているが、単に嫉妬なんかの感情だったりする(ただし、本当にアドバイスの時もあるので、この見極めが極めて重要である)。

このため、他人の目や噂を気にしすぎると、自分の目標や夢を達成できなくなることを伝えたいと思っている。



自分も含めてだが、大人になると「あ、みんなそれぞれ好き勝手なこと言ってるんだなあ」と感じることが多い。さりげなく自分の生きてきた道を肯定し、場合によっては相対的な地位を挙げるために、他の道を否定するのである。

ということで、余計な噂に流されず、自分の道を貫けるかどうかというのが人生においては非常に重要であると思っている。どんなに優秀でも頻繁に方向転換しては、大きなことを達成することはできない。とくに優しすぎる人をみると、とても心配になるのである。

2018年3月23日金曜日

キラキラリクルーターにご用心

3月になり、就活のエントリーも(公式上)解禁になり、いよいよ就活戦線がスタートしている。当研究室の学生も就活に忙しいようである。



昨日も新4年生と話していたが、いろいろな会社の説明会やインターンがあり、膨大な情報の中で自分の進路に迷うことだと思う。

これは私に限らず、企業経験者の意見でもあるが、就活説明会に来る「キラキラリクルーター」には注意が必要である。

キラキラリクルーターとはすなわち、入社1〜3年目の新人で、自分の会社最高!という感じで説明に来るリクルーターを指す。

入社してすぐのころは、「名刺ができた!」、「出張で◯◯へ行った」、「社員食堂が美味しい!」なんてことでもとても嬉しい。

そして、最初は責任が軽めの仕事が多いので、プレッシャーも少ない(会社によるが)。

これらを統合して、誰しもが最初は「うちの会社最高!」と思い込もうと頑張る

しかし、3、4年もするとだんだん良くない部分も見えてくる。どんな職業、会社だって良い部分、悪い部分があって当たり前なのだけれど。そして、自分の職業、会社について冷静に判断するようになってくる。

そして、もう少し長く勤めると、一生の仕事にしていいか悩むようになる。こうして悩んだ時に「続けたい」と思える仕事こそ、その人にとても合っている仕事なのだと思う。

企業側もしばらく働くと悩んだり迷ったりすることがわかっているので、キラキラな新人をリクルーターに送る込むとのことである。ある意味、確信犯である。。(別に悪いことではないが)。

ということで、会社の雰囲気を見るには、少し年齢が上の社員の様子を見ることをお勧めする。その会社で長く働いた結果が可視化されているのである。これ以上の証拠はないのではないかと思う。

エントリーシートに説明会、面接と、つぎつぎ忙しい学生には余裕がないかもしれないが、自分の一生がかかっている就活なので、全てを鵜呑みにせず、慎重に選んで欲しいと考えている。

ゲームをやったその日には・・・

そういえば、年末年始に久しぶりにスマホゲームにはまった。20年以上前からあるゲームの続編であった。本当に久しぶりにやったけれど、基本的な操作は同じですぐできた。

とはいえ、である。ゲームをやってスッキリするかというと、スッキリしない。スッキリしないその気持ちから、そういえば、高校生のときもこんな気分だったことを思い出した。

私が幼稚園生くらいの時に、ファミリーコンピューターが発売された。いわゆるファミコンである。もはやファミコンなんて若い学生は知らないかもしれない。

ファミコンはいわゆる家庭用ゲーム機である。ゲームといえば、その昔はインベーダーベームに代表されるように、外でやるものであって、家庭でテレビゲームをするという発想はなかった。このファミコンの登場によって、家庭でゲームをすることができるようになり、世の中の子供たちの遊びが一変した。

その後、私が小学校高学年くらいにスーパーファミコンが発売された。これでさらにゲームのクオリティが上がる。さらに高校生か大学生くらいにはプレイステーションが発売され、ゲーム業界は、任天堂だけではなく多くの企業が参画する一大産業となっていったのである。

さて、こんな面白いものがどんどんと出てくるのに、ゲームをやらないはずはない。小学校から高校1年生までゲームばかりやっていた。高校2、3年生は受験のためにあまりゲームをやらなかった気がする。そして、受験が終わってから少し再開してみたのだけれど、なんか飽きてしまい、それ以降はずっとやることはなくなってしまった。

ゲームへの熱中があまり続かなかった理由の一つとして、高校生の時までゲームをたくさんやり、自分の気持ちを考えて気づいたことがあったからである。

高校生ながらに感じていたことに、「ゲームをやったその日を振り返ると、1日の終わりにもやもやした気持ちが残る」というものがあった。

当たり前だけれど、高校生ともなれば大学受験が気になる。忘れようとしても、毎日どこか心の中に引っかかっている(本当はメリハリをつけて忘れた方がよいのかもしれないが)。

ゲームをやればその時は楽しいが、1日の終わりに「今日は勉強せずに終わってしまった・・・」という後悔が必ず残ってしまった。当然勉強していないので、成績にプラスなはずもなく、将来が明るくなるはずがないことは自分でもわかっている。

逆に、おもいっきり勉強した日は、大変ではあるのだけれど「今日はたくさん勉強した!」とすっきりして1日が終わるのである。当然たくさん勉強すれば成績も上がり、将来につながることは高校生でもわかる。

ということで、毎日ゲームをしてもやもやした後悔を持ってしまうくらいならば、むしろ勉強した方がスッキリするという結論に至った(だからと言って、毎日やる気で勉強ができたわけではないけれど💦)。

この考えは今でも役立っている。

「勉強」に限らず、「大変なことだけれど、やれば将来につながるもの」をやらずに放っておくことは、精神衛生に非常に良くないのである。

これは研究業界でいえば「論文を書くこと」や「新しい実験手法にチャレンジすること」だと思っている。

論文を書くのはとても大変だし、書いて投稿したらリバイスでたくさん批判をされてリジェクトされたりする。何年も通らないと、共著者(特に学生と教員など)の関係がぎくしゃくすることもある。なので、つい論文は後回しにして、実験ばかりをしてしまったりする。

また、新しい実験を覚えるのも誰かに聞いたり予定を合わせたりといろいろ大変なので、ついすでに自分が身につけた実験ばかりを繰り返してしまうことがある。

しかし、実際には研究業界では論文を書かなければ成果とは呼べないことが多いし、新しい実験手法を覚えていくことも大事である(ただし、必要になってからでよいと思うが)。

論文書きや新しい実験に挑戦していると、大変ではあるが、やらなければいけないことに挑戦しているし、一歩ずつでもものごとがよい方向に進むので、挑戦している人は多かれ少なかれ充実した顔をしている。

反対に「忙しい」、「体調が悪い」、「家庭の事情で」、「私の将来には必要ない(と信じたい)」など、外部要因を持ち出して挑戦をしない人の顔は、一様に暗い。みなどこか満たされない顔をしている。

環境バイオテクノロジー研究室に入ると、実験をしながらでもとにかく論文を書き進めなさいと言われることになる。論文を書くと研究計画がブラッシュアップされるという理由はもちろんのこと、実は精神衛生の面でもプラスであると考えているのである。

いうまでもなく、徹夜などをして書いたら体調が悪くなってしまうので程度問題であるが、必要なことに挑戦しないと精神的につらくなってくるというのがこれまでの経験である。

また、論文を書いている最中においても、必要な実験や論文読みを避けてしまいたくなる。早くアクセプトしてよと叫びたくなる。しかし、こちらも実は挑戦してしまった方が精神的に安定するし、いうまでもなくアクセプトされる確率が上がる。

たまにはゲームなどをして遊んだり休んだりすることはとても大事である。しかし、新しいことや必要なことに挑戦することは、実は遊ぶこと・休むことと同じくらい精神衛生・心の安定に必要なことであると思っている。

この記事を読んだら、ぜひ自分の現在の気持ちを考えて欲しい。もし、現在あまりよい精神状態でないならば、1) 遊んだり休んだりすることが足りない、2) 新しいこと・必要なことへの挑戦が足りない ということはないだろうか。

心の問題なので、そんな単純にはいうことはできないだろう。遊んだり休んだりしなければ、心の状態が悪くなることはもちろん知られているが、実は2)のように挑戦しないことが原因の場合もあると思っている。ゲームに1日を費やしてしまった自分を振り返ると、まさにそれに当てはまるのである。

また、研究界隈で、暗い顔をしている人、不満を抱いている人には、働き過ぎの人もいるが、実は2)のパターンも結構多いと感じている(統計的なものではないし、本当にはわからないので感じているとしか言えない)。

遊びや休みを多くとれば精神状態がよくなるかというとそんなことはなく、遊び・休みと挑戦のバランスをうまく取ることが、心のバランスに重要であると思っている。

久しぶりにゲームをやって、そういえばと高校生のときに気持ちを思い出した。ゲームをやっていけないわけではなく、適度に使うべきだという当たり前の話。心の問題なので、科学的に正しいとか正しくないとかは言えないのだけれど、こんな考え方もあるというのが今日のブログ記事である。

2018年3月22日木曜日

オープンアクセス誌掲載料高騰問題!

学会や研究会などに参加し、そのあと懇親会などに出る。このような懇親会も大事な仕事の場で、会の時間では話せないような研究内容以外の話題を話す場所でもある。最新の研究内容はオンラインで見られる昨今からすれば、懇親会での話がかなり重要であると言っても過言ではない。



これらの懇親会で最近必ずと言ってよいほど出る話題の1つが、「オープンアクセス誌の掲載料高すぎる!」というものである。研究者全会一致の意見と言っても過言ではない(多分)。

研究者にとって、論文は最大かつ最重要な研究成果の発表の場所・媒体である。

雑誌としては、Natureが有名だと思う。NatureはNature Publishing Groupから出版されている雑誌であり民間の会社から発行されているため商業誌と呼ばれている。

一方、大学や研究所、その他の非営利団体などから出版されている雑誌もたくさんある。Proceedings of the National Academy of Sciences USA(PNAS)は、アメリカの科学アカデミーの雑誌であるし、Genes & Developmentはアメリカコールドスプリングハーバー研究所の雑誌、日本でいうと、Plant & Cell Physiologyは日本植物生理学会の雑誌であるし、Journal of Bioscience and Bioengineeringは日本生物工学会の雑誌である。

これらの雑誌に掲載されるために、論文を書いて投稿し、審査を受けてやっと採択され(アクセプトされ)、雑誌に掲載されるのである。最近は、紙に印刷せずにオンラインだけのところも増えてきている。

論文が掲載されるとどうなるかというと、知らない人からは驚きかもしれないが、自分たち(著者)が印刷・編集などの「論文掲載料」を払うのである

少し前でいうと別刷りといって、自分の論文の印刷物が送られてきたが、今は頼んでいる人は少ないかもしれない。

また、図をカラーにすると余分に印刷料が取られる。最近はオンラインも増えてきたので、カラーが無料のところも増えてきた。

論文掲載料がいくらくらいかというと、上記の非営利団体の場合、だいたい数万円である。投稿を促すため、なかには無料の雑誌もある。

これで論文が掲載されるのだが、大事なことは、読者は無料で読めないことである。

一定期間後に無料になったりするが、読者は読むためにお金を支払わなければならない。ようするに、著者もお金を払うし、読者もお金を払うのである。

このようなビジネスモデルのため、世の中には論文を掲載する雑誌というものは無数にある。

ところが、この流れに拍車をかけたのが「オープンアクセス誌」である。

オープンアクセス誌とは何かと言うと、その名の通り、読者はただで読める(アクセスが開放されている)ということである。

それは素晴らしい、世のため人のためではないか、と思うかもしれないが、それは全くの誤りである。

じゃあ、どこからお金が出るのかというと、「著者の掲載料が高く、掲載料ですべてを賄う」のである。

一番人気のNature Publishing GroupのScientific Reportsでだいたい17, 18万円。スイスのFrontiers系列だと20万円を少し超えるくらいである。なんと著者は論文を書いて、このような高額な掲載料を払うのである(レートによって変わるのでご確認を)

さらにNature Publishing Groupのレベルの高いオープンアクセス誌であるNature Communicationsだとなんと70万円くらいになるらしい!

ということで、オープンアクセス誌にたくさん論文を出そうと思うと、研究を圧迫してしまうのである。本末転倒である。

じゃあ、「論文をオープンアクセス誌に出さなければいいじゃないか」というのは正しくもあり、うーん、悩ましくもある。

オープンアクセス誌の方が、無料で読める分、研究成果の伝わり方が良い。また、実は論文をオープンアクセス化していきなさいというのは予算配分機関の方針でもある。科学の知識の共有ということである。

ということで、予算と相談しつつ、年に1、2本オープンアクセス誌にすることにするかもしれない。最近たくさんだしていたのだけれど、「その予算で研究試薬などを買った方がいいのでは」と思うようになってきた。

このようなビジネスモデルから、世の中ではオープンアクセス誌がどんどん増えている。ただ、研究者の不満は結構溜まっている。いずれどこかでビジネスモデルが崩れるとは思うが、現在ではこのような形で論文が出版されているのである。

2018年3月21日水曜日

睡眠時間って何時間?

誰しも「自分のライフスタイルでこれだけはゆずれない」というものがあると思う。

自分の場合は何かと言えば、睡眠時間を確保することである。

というか、睡眠を削って効率的に勉強や仕事ができるとは到底思えない。これは中学生の頃からずっと思っていて、今もそう思っている。

中学生や高校生のころは確か10時くらいに寝ていたと思う。朝は6時くらいだっただろうか。7〜8時間くらいは寝ていたと思う。

大学生や大学院生のことは少し乱れたと思う。それでも11時かせいぜい12時だっただろうか・・・それを過ぎてしまった場合は、取り戻すのに何日かかり、トータルで見れば結局効率は悪かったと思う。

博士号を取り働き出して、その後2年目に子供が生まれた。ここからがかなり生活が変わることになる。

子供を寝かしつけるのに時間はかかるし、よく熱を出していたので、その度に救急病院に行ったりもした。

また、20代終わりから30代前半は、仕事が最も忙しい時期であると思う。通常の会社でもよく言われるが、研究者も同様だった。若手ではなく、中核となって働かなければいけない。それでいて、上の意見などを組み入れたりしなければならず、権限の自由もない。一番大変な時である。今思い返しても、本当に大変な時であった(少なくともこんなブログを書くことなんて絶対不可能だった)。

2人目の子供も生まれ、仕事も家庭も忙しさのピークに達する。この時に忙しさは本当に半端なかった。ちょうどこの年にさきがけが始まったし、その前は学振やら基礎特研やらでもう毎年ポジションが変わったり、ヒアリングを受けたりしている状況だった。

そんなこんなでかなり辛い状況だったのだけれど、結局たどり着いたのが子供と一緒に寝てしまうスタイルだった。現在も9時半くらいに寝ている。そして起きるのが4時半。前後することはあるが、だいたい7時間寝ている計算になる。

どこかで読んだけれど、寝すぎるのもよくないらしいので(なんでだろう?)、7時間くらいが一番健康にいいのではないかと思う。30代前半〜半ばにしてやっとこのスタイルにたどり着き、とても仕事が捗るようになった。

そもそも9時半に眠りにつける仕事は少ないかもしれないが、研究者の仕事は家でもできるので、私の場合は全く問題なかった(その分、仕事に終わりがないのだけれど💦)。

全然寝なくても平気な人もいるので一概には言えないけれど、一般的にはきちんと睡眠を取ったほうが長期的には効率的だと思う。睡眠時間だけでなく、何時から何時まで寝るか?も重要だと思う。子供に合わせてこのスタイルになったけれど、今ではとても健康的に過ごせてとても気に入っている。

若い頃から寝ないとダメだったのだけれど、やっと自分の睡眠スタイルを見つけたのだった。自分に合った睡眠のスタイルを見つけることはとても大切だと思う。

2018年3月20日火曜日

論文が書けないと思ったら・・・””研究者編””

桜も咲き始めた今年の3月。

「昨日の論文が書けないと思ったら・・・」は初めて論文を書く人向けの記事であった。
超絶偉そうだが、研究者に向けても書いてみようと思う。

ちなみに ・・不快に思う人はこれ以上読み進めないでください・・
別に読まなくても人生に影響はありません。



●●その1:実績がある人が、"論文が書けない"と思ったら・・・●●




休みましょう。以上。



研究者もそうだし、営業の仕事なんかでも言われるけれど、加点方式の仕事は終わりがない。1本論文がでても「さらにもう1本論文を書こう 」、「次はもっと良いジャーナルに・・」となる。

はたから見れば、「その業績で何を悩むんだ!?」と思うような人が、悩んで心身を崩すことがある。

ということで、実績がある人は「論文が書けない・・・」と思ったら、休むのが一番いいと思う。前の記事でも書いたが、近場でもいいので、全然知らないところに行ってみるのはお薦めです。



●●その2:"実績がない人"が、論文が書けないと思ったら・・・●●


i. 外部要因のせいにしないで論文書きましょう。
ii. データなくてもいいから論文書きましょう。 


実績がない人は、論文を書く能力がないのではなく、論文を書くことを躊躇していることが多い。書かない理由をつけてためらっていることが多い。本当に多い。

「◯◯で忙しい」、「論文を書くための知識が足りない」、「データが足りない」、「英語が苦手」などである。

忙しくない社会人なんてそもそもそんなにいない。忙し宮内時を待っていたら、きっと職を失った時だと思う。

知識についても、人間は忘れる生き物である。せっかく論文などを読んでも、論文化していかないと、得た知識をどんどん忘れる。何も残らない。なので、論文を読んだらWordなどに書いてしまうこと、すなわち論文を書き始めてしまうことをお薦めしている。

また、データはいくら集めても足らない。そして、論文化してみると、論文に必須なデータと必須ではないデータがあることに気づく。
なので、論文化をしないでいくら実験をしても、無限に条件を変えて実験をすることになる。

データがなかったら、レビューやprotocolの論文なんかを書いてしまえば良いと思う。もちろんこれらを書くことで、論文を書く能力も鍛えられるし、実績にもなる。




ということで、論文が書けないと思ったら・・・””研究者編””というブログ記事を書いてみた。

ちなみにここでいう実績のあるなしは、自分の目的に達するために十分な実績があるかどうかである。

パーマネントのポジションを得るためには、良いジャーナルに多数論文を発表する必要がある。一方、ノーベル賞だったら、流行りの分野でいくらNatureを書いても取れない。あるグラントを獲得しようとしたら、すでに獲得している人たちと比較すれば、十分な実績かどうかわかる。一方、ビジネス展開を考えているのだったら、論文だけ書いても仕方がない。

ということで、実績のあるなしは人によるので、自分で自分の状況を考えて欲しいと思っている。いずれにせよ、論文を書くのは大変だけれど、毎日一歩ずつ進めれば、(レベルの違いはあるにせよ)だれでもできるものだと思っている。

2018年3月19日月曜日

論文が書けないと思ったら・・・

論文の書き方カテゴリーを作って、原著論文の書き方を記載している。

簡易版も掲載しているが、それでも論文を書くのが難しいと思う学生も多いと思う。

そのような場合、まず行うことは、

1. 結果をPowerpointで並べてみる。
結果の順番を入れ替えて、話をすっきりと通るようにする。

まずこれを行うと良い。「Powerpointではなく、Illustratorで!」とかいうのは上級者の話であり、いきなりそんなことをしようとすると1枚のスライド作るのに数日を費やしてしまう。

結果のPowerpointだったら、ゼミなどですでに作っていると思う。これらを並べ替えて、話が通るように組み替えてみ
る。実験を行った順番である必要はない。

その次にやることが、
2. 関連する論文を1、2文に要約して、Wordファイルに書いていく。その論文を引用リストに載せる。

こちらもゼミなどで文献紹介を行っていると思う。いろいろな質問をされるゼミに比べれば、読んだ論文を1、2文に要約するなんて簡単ではないだろうか?

うちの研究室の論文だったら、

シグマ因子SigEの転写活性が、クロロフィル合成酵素のサブユニットで直接制御されていることがわかった(Osanai et al. 2009)

シアノバクテリアのホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼは、フィードバック阻害を受けない特殊な酵素であることがわかった(Takeya et al. 2017)

ユーグレナは、窒素欠乏後に嫌気培養すると、コハク酸を細胞外に放出することがわかった(Tomita et al. 2017)

書いていき、あとでパズルのように並べ替えたり、削除や追加をすればよいのである。


論文書きはとても難しく思ってしまうが、一度挑戦してしまうと、それほどでもない。挑戦しないとすごく難しそうで、憂鬱になり、論文を書かない理由を見つけて、論文を書くことをやめてしまう
ぜひ一歩踏み出してチャレンジすることを強くお薦めする。

2018年3月18日日曜日

日本農芸化学会に参加

日本農芸化学会2018年度名古屋大会で発表を行った。

日本農芸化学会は、1924年に設置された学会であり、もうすぐ100周年ということになる。バイオテクノロジーに関連する研究者、技術者、学生が所属する学会で、会員数は1万人を越す巨大な学会である。
http://www.jsbba.or.jp/about/about_outline.html

場所は今回は名古屋開催で名城大学。とても綺麗なキャンパスであった。当日は、急に午後から冷えてきて、最低気温がなんと3℃という寒さであった。朝はとても暖かかったので、危うくコートを着ていかないところであった。




農芸化学会の年会に参加するのは、なんと15年ぶり。自分の分野だと、この時期には植物生理学会があったり、そもそも年度の切り替えの時期ということで、学会参加ができないことも多い。今回は植物生理学会をパスして、農芸化学会に参加した。最近自分の研究が、代謝工学や発酵、微生物生産などになってきたので、農芸化学会のほうがマッチする場合もある。


発表は8分間に質疑応答2分間。口頭発表のみというのが農芸化学会の特徴である。本当は自分ではなく、学生の方が発表をする良い機会であったのだが、3月は就活などの時期でもあるので、なかなか参加できなかった。ということで、今回は自分とテクスタSさんのみの参加であった。

開催は3日間あったが、自分が参加したのは2日間のみである。3月はいろいろ他にも仕事があるので、これくらいで終了。味噌煮込みうどんなんかも食べて、あっという間の学会終了でした(名古屋ご飯美味しかった)。

今後は農芸化学会はできれば毎年参加したいのだけれど、はたして・・・


2018年3月17日土曜日

論文査読あるある・・・いや、ない。

久しぶりの論文査読あるあるシリーズ。

論文は、投稿すればすぐに掲載されるわけではない。査読(peer review)と言って、何人かの研究者によって審査され、追加実験などを行って、やっと採択されて、掲載されるのである。とても長い時間がかかる。

まず論文は、それぞれのジャーナルのエディター(editor)の元に行く。その後、エディターは2〜3人のレビューアー(reviewer、審査員)を選ぶ。レビューアーが論文を読んで様々なコメントをつけて判定し、最終的にエディターが判断するのである。

ということで、エディターが論文の審査には一番偉い人になる。

現在、あるジャーナルに論文を出しているのだけれど・・・・なんとエディターが途中で3回も代わり、ついに4人目である。

エディターというのは、その分野の著名な研究者がなるものであり、「例えば、誰々先生は◯◯ジャーナルのエディターです」というと、「おお!すごい」となるのである。

そのシステムをうまく利用したのがFrontiersというスイスの出版社が発行しているオンラインジャーナルシリーズである。うちもFrontiers in Microbiologyにたくさん論文を出している。

このFrontiersシリーズは通常通りのエディターもいるのだけれど、Research Topicsというもので、トピックスを提案して認められると、「誰でも一時的にエディターになれる」のである。このシステムで、「自分のジャーナル」と感じることができるので、すごく延びているジャーナルである。自分のFrontiers in MicrobiologyでResearch Topicsを一度作ったことがある。

ただ、やはりたまには弊害があって、それが今回である。

Frontiersシリーズに出したのだが、一人のエディターはアメリカのポスドクであった(ポスドクでもエディターになれる)。そしたら2ヶ月くらい放って置かれて、連絡しても何の返事もない。次もアメリカ在中のポスドクであり、対応してくれたかと思ったら、やはり放置になってしまった(3ヶ月経過)。

Frontiersオフィスが業を煮やして変えたらしく、今度は教授の方になったが、なぜか数日経って、また替わっていた。4人目のエディターである(3ヶ月半経過)。

途中でエディターが変わるというのは、長いリバイスをやっているとエディターの任期が終わってしまい、交代することはある。しかし、それでもせいぜい2人で、4人目とはいかに・・・である。

これのブログは「論文査読あるある」だけれど、さすがに初めてのケースである。

ただ、「想定外のいろんなことが起こる」という意味では、論文査読あるあるかもしれない。

本当にいろいろなことが起こるので、論文を通すにはメンタルの強さが必要不可欠である。

2018年3月16日金曜日

子供の卒園式終了とまさかの3つ目の・・

研究者にももちろん生活がある。世間一般からは、忘れられているようなのだけれど。。



子供(次男)が幼稚園を卒業。早いもので4月から小学生になる。

子育ては本当に大変なもので、「子供はかわいい!」だけではやっていけない。しかし、子供は奇跡のような幸せをくれたりもする。

乳児のころは全く目が離せないし、体力もないので風邪などをひいたときはとても心配ですぐに病院に駆けこまなければならない。まだまだ小さいけれど、子育ての最も忙しい時期は終わった気がする。

子供が生まれる前は、自分は仕事だけするような人間だと思っていた。しかし、子供の可愛さのため結構な時間を子供に費やしていると思う。研究者・大学教員なので比較的時間は自由になるので。仕事と子育ての両立はとても大変だけれど。

乳児期の子育てを振り返って思うことは、「もっと知っていれば楽だった」ということである。一人目の時はわからないので、余計なことをしたり、泣いている原因がわからなかったりしたのだけれど、そういう知識を二人目に活かすと、少し子育ての負担が減ったことを覚えている。

ただし、子育てをしてみなければ不可能といえば不可能な気がする。世の中には怪しい情報も溢れているので、知識だけだと間違った情報を信じてしまうかもしれない。

ということで、子育てのことについて紹介していくブログを作った。


大学教員が綴る37.5℃の育児体験談
https://ikuji99.blogspot.jp/

自分の子供の紹介ではなく、「例えば、子供用のお風呂は必要か?」などの体験談を紹介したいと思っている。自分の備忘録としても使う予定である。

いつもと違う場所に行こう。

学業でも研究でも社会人での仕事でも、やる気を継続するためのストレス解消法は必須であると思う。どんなに望んで入った大学、研究室、会社でも毎日続けれいれば嫌なことや辛いことがあったり、同じ仕事を続けることで飽きてしまったりすることがあると思う。

そういうときに、ただひたすら頑張ろう!だと、なかなか効率的に仕事を継続することができない。真面目な人ほど、学業・研究・仕事に対して、飽きてしまったり、辞めてしまいたくなることについて、罪悪感を覚えてしまいがちである。

しかし、そもそもどんな場所・場面でも、誰しもがそういう気分になるときがある。だから、そもそもそういう気分になることを想定して、その対策をしておいた方が良いのというのが、これまでの経験から得た回答である(言葉にすると当たり前すぎるけれど)。

やる気を継続したり、ストレスを解消するためにはいろいろな方法があると思う。

その一つが「いつもと違う場所に行くこと」であると思う。

自分はどちらかというと、過去には旅行に対して否定的なイメージを持っている人間であった。あまり旅行には積極的に行かなかったし、「なんか行ったら混んでいたり、移動したりして疲れるから、その辺で美味しいものでも食べていた方がいい」なんていう考えをする人間だった。

しかし、大学院からだんだんに学会やその他の研究・仕事でいろんな場所に行かざるを得なくなってきた。忙しい中移動すると、本当に疲れるのはその通りではあった。

ただし、やはり普段行かない場所に行くと、気分がすっきりすることがある。自然が多いところに行くのはもちろんのこと、都会であっても初めての場所に行くと、その後で気分が晴れることが多かった。

それに気づいてから、最近では飽きてきたり、効率が落ちてきたときには、定期的にいつもと違う場所に行くようにしている。

定期的に学会や研究会には行くのだけれど、そうでなくても行ったことのない街で適当なカフェなどに入ってみたりするだけでもとても気分が晴れる気がする。
カフェに限らず、全く知らない店などに入ってみたりするのも刺激的でリフレッシュできる。こういう癒しの効果ってどこから来るのか不思議なのだけれど、とにかく経験的に癒されることがわかってきた。なので、最近はうちの研究室のメンバーにも推奨している。

私の場合は学会や研究会に定期的に行くので、ほっておいても機会は来るが、そうでない人は定期的に近場でも行くといいと思う。

ただし、学会や研究会で疲れすぎないことにも配慮をしている。最初のうちは発表やディスカッションで全エネルギーを使い果たしてしまい、くたくたになってしまうことが多かった。最近でも、偉い先生たちと話すと素晴らしく勉強になるのだけれど、どうしても体に力が入っていて、終わった後に体が痛かったりする。うまく疲れないで学会や研究会を乗り切るのも大事であると考えている。

仕事を長く続けていく上で、やる気・モチベーションや心身の健康を保っていくことは最重要項目の一つである。気合を入れて頑張ろうという精神論ではなく、具体的な方法論で解決していきたいと考えている。

2018年3月15日木曜日

せとかの家系図

先日高級フルーツである「せとか」を頂いた。

せとかはこんな少し大きめのみかんであり、甘みが強く、ジューシーで、酸味が少ない。皮はうすいので、手で剥くことができる。種もない。・・・という理想的な食べ物である。

ネットで調べると、1個600円という値段であった。驚き。旬の季節が短く2月から3月までが美味しい季節とのことである。

瀬戸内で作られて、この品種が持つ「良」にちなんで、せとかと名付けられたらしい。また、瀬戸内海の「せと」だけでなく、もとの育成地である長崎県口之津町から望む地名(早崎瀬戸)も由来の一つらしい。

日本の柑橘類というのはとても手が込んでいて、その進歩にはとても驚く。せとかも2001年に登録された新しいものである。
http://10-mikan.com/knowhow/mikan_no_kakeizu/

こちらのリンクを見ると、せとかは、「37号」と「マーコレット」という品種の交配から生まれたらしい。その「37号」は、「清見」と「アンコール」という品種の交配らしい。

「清見」と「ポンカン」を交配したものが最近有名な「デコポン」である。こちらはかなり全国区で有名な品種ではないだろうか。手で剥けて果肉が厚くて食べ応えがあり、酸味が少ないので、人気の品種である。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/161201_1/01.pdf
こちらのリンクでは、ゲノム配列レベルで、柑橘類の系統を明らかにした論文がプレスリリースされている。せとかは載っていないが、例えば紀州みかんがいろいろな品種の親になっていることなどが遺伝子レベルで明らかになっている。おもしろいなあ・・・

ということで、頂き物の柑橘も調べてみると、交配の歴史から遺伝子までサイエンスになる。農学部にぴったりな話題なので、とりあえてみました。

2018年3月14日水曜日

お菓子を減らそう月間。

このところお菓子を食べる量を減らす努力をしている。

忙しいとストレスがたまる。また、忙しいだけでなく、1、2月は大学教員にとってはプレッシャーのかかる時期でもある。

センター試験の監督なんて1分単位で予定が決まっている。1分でもなにか予定を間違えてしまったら大学が謝罪をして、場合によってはニュースになる。

その他にも卒業関係の仕事があり、ミスのできない時期である。

ストレスがたまると、食べる方向に走る人と食べない方向に走る人に分かれると思う。

自分の場合は食べる方向に走る人である。

そして、最近はデスクワークがメインになってきたので、お菓子に手が伸びやすい。ということで、このところ1日2つくらいはなんらかのお菓子を食べていた気がする。

しかし、さすがに糖分を取りすぎな気がしたので、減らすことにした。

上の写真でもあるが、せめてチョコレートではなく甘栗と思って食べているが、どうなんだろう?甘栗だと同じだろうか?(笑)

また、口寂しい時には、味噌汁やスープに置き換えるようにした。どこまで続くかわからないが取りえず実行。塩分の取りすぎにも気をつける必要があるけれど。

ということで、ホワイトデーにまるで合わないブログ記事だけれど、そういう特別な日は除いて、健康のことを考えている今日この頃である。

農芸化学科は食品を扱う学科なので、お菓子の位置付けについても定期的に語っていきたいと思っている。。

2018年3月13日火曜日

明日はホワイトデー!?

明日は3月14日。ホワイトデーである。



以上。



・・・というのはさておき、お返しもそれなりに大変である。

もう正直よくわからないので、ぜんぶ一括でゴディバで返す


ゴディバならまあ、文句は言われないだろうという安直な考えであるこんな余計なことを言わなければ、きっともっと感謝されるのだろう)。

危うくホワイトデーを忘れるところであった。本当に危ないところであった。今日(3月13日)の朝、明日がホワイトデーであることに気づいた。そもそもこの間紅白歌合戦などの年末の歌番組を見ていた気がする。いつの間に3月になったのだろう。そして3月ももう半ばである。

さすがに1、2月に比べれば予定は空いているが、それでも結構忙しい。

ということで、今年のお返しはゴディバのトリュフ。自分がショーケースを見て、一番食べたかったものを購入した。即断即決である。

本日は新3年生の基礎実習であったが、こういう迅速な判断力も身につけてほしいと思っている(これは本気で)。



そういえば、こういう買い物の時はだいたい試食をたくさんもらえるはずなのだけれど、全然もらえなかった。しかし、お菓子の量を減らすキャンペーン中なので、良ししよう。このように、残念なことも考え方によっては前向きに捉えることができる。


いろいろとあるとおもうけれど、とりあえず明日はホワイトデーである。

シアノバクテリアの大量培養に挑戦。。

環境バイオテクノロジー研究室では、微細藻類の研究を行っている。微細藻類とは厳密な分類ではなく、単細胞性の藻類を広く含む言葉である。当研究室で扱っているシアノバクテリアやユーグレナに加え、緑藻のモデル生物であるクラミドモナスや紅藻のシアニディオシゾン、シアニジウム、魚の餌としても知られる珪藻なんかも含まれる。

いきなり少し脱線するが、わざわざ「微細藻類」という曖昧な言葉を使うのには理由がある。上記の微細藻類の中で、シアノバクテリア(ラン藻)だけが原核生物であり、その他の緑藻、紅藻、珪藻は真核生物である。

そして藻類(Algae)と言った時には、実はシアノバクテリアを含んではいけない。そのため、シアノバクテリアを含めて議論したい場合には、「Algae and cyanobacteria」という表現になる。

ただし、簡単に話す時にこのような説明をいちいちするわけにはいかないので、一緒くたに微細藻類(Microalgae)と呼んでしまっている。

微細藻類を培養する場合、大腸菌や酵母などの微生物と最も異なる点は「光照射」が必要なことである。また、二酸化炭素などの炭素源があれば、糖は不要である。この光合成の能力が最大の魅力であり、研究対象である。




普段は数十mLから1Lのスケールで培養している。しかし、応用展開を向けて、スケールアップをしていくことが重要である。数十mLで得られた結果が、数十Lで得られる結果と必ずしも一致しないためである。

上の写真は、シアノバクテリアであるシネコシスティス(Synechocystis sp. PCC 6803)を50 Lで培養した様子である。しかもこれは人工海水をベースにした培養である。

写真で見るとすごく大量に培養できているように思える。しかし、濁度(OD730)が0.4くらいで止まってしまった。光や栄養が十分な時には濁度が10を超えるので、全然育たなかったと言えるレベルである。

このようにスケールアップをすると色々と不測の事態が起こり、その原因を追及するもの大事な研究である。今回の場合は、光が届かなくなってしまったのではないかと思っている。

また、このようにスケールアップすると、培養をしたあとの廃液処理をするのも大変である。オートクレーブで滅菌してから捨てるが、3〜4回に分けてオートクレーブをしなければならない。汲み取るのも一苦労である。スモールスケールでやっていると何てことのない作業も、ラージスケールになると色々と大変なことが出てくるのである。

第一回目のトライはなかなかうまくいかなかったが、環境バイオテクノロジー研究室では、このような応用展開を見据えた大量培養の研究も進めていきたいと考えている。

2018年3月12日月曜日

給料のことでちょっと追記

昨日まで、研究者の給料について5回にわたってブログ記事を書いていた。やはり給料のことは興味があるのか、いつもよりもアクセス数が増えていた

お金が一番大事ではないが、やはり生きていく上では必要なものである。口ではそんなに給料にこだわりはないといいつつ、やはり人々の興味の的であり、しばしば争いの種にもなる。

今は就職活動の時期なので、自分の会社の年収を気にする学生も多いと思う。就職後も年収の話題というものは常に付きまとってくる。

これまでの経験上、年収の高い人にはそれなりの共通点がある。

その一つは何かと言うと、「ケチでない人」である。「よく人におごる人」と言ってもいいと思う。

反対に、「人のためにお金を使うことを渋る人」は年収が低い傾向がある。

これにはいくつか理由があり、その1つは、「誰だってケチでずるい人には協力したくなくなる」からである。どんなにごまかしていても、自分のためにお金を使う人か、人のためにもお金を使う人かは見られており、ばれている。「今は苦しいから」と言う人は、何歳になっても変わらずに「今は苦しい」と言っている。いうまでもなく状況によるので一概には言えないが。ただし、苦しいと言いつつ、自分のためにはお金を使っていたりする人も多い。

他の理由としては、意識の問題である。若くして人におごるような人は、「自分は将来上に立つ」という意識や意欲を持っていることが多い(単に気前のいい場合もあるが)。若いうちから、上に立つ意識で日々を過ごしているので、自己研鑽に余念がない。

一方、おごってもらう人は、「誰かの下」という意識が抜けず、責任ある仕事から逃げようとすることがある。このため、大事な仕事を任せることができず、結果として給料が上がらないので、何歳になっても誰かの下という意識が抜けない。本人は自分のことを無欲や謙虚であると思っているのだが、上の立場からすると、大事な仕事を頼めないだけの人なのである。

ということで、別に年収をあげたいかどうかはその人次第だと思うけれど、自分のためだけにお金を使う人は、長期的には良い待遇にならないと思う。ただし、お金の使い道は大事である。誰でもよいからおごったりしても、たかられてしまうだけである。使うべき人、使うべきものを選別し、使い所をきっちりと考えることも重要であることは述べておく。

大学の先生にとって、3月って春休み?

3月である。

1月、2月はセンター試験から始まり、自分の大学の入試関連の仕事や卒論、修論などの業務が入る。もちろん、学期末の試験や採点、成績などもあり、1、2月というのは大学の先生にとっても最も忙しい時期であると言える。しかも体調を崩しやすい時期なので、本当に大変である。

3月になるとそれらも落ち着くので、じゃあ3月は大学の先生は休みなのだろうか?

ということで、3月にどのような業務があるか紹介したいと思う。

はじめに言うと、春休みなどありません・・・

そもそも、研究を真面目にやっていれば、空いた時間はすべて研究に費やすことになるので、休もうと思わなければ休みは発生しないのが、大学教員=研究者であると思う。

休みになれば、当然論文を進めることになる。しかし、それは当然として他のものを紹介しようと思う。(いやしかし、その論文を当然するところが大変さを表しているのだけれど。昨日投稿したし)。

3月にどのようなものがあるかというと
1. 年度末の業務
i. 予算の締め
ii. 退官される先生方の送別会など
iii. 卒業式

研究費というものは、余ってもよい場合もあるが、残額をぴったり0円にする必要がある場合も多い。しかし、人件費が発生する場合は、税金や保険料関係が変動するため、3月に入っても人件費が確定しない。このため、最後の最後まで予算とにらめっこをして、パズルのように0円になるように物品を購入して、予算を使い切るのである。

卒業関連はいうまでもなく、学生の卒業もあれば、先生たちの退職もある。これらの行事もおこわなれるのである。

2. 新年度に向けた業務
i. 研究室新メンバー決定と基礎実習
ii. 入学関連のための会議

当たり前だけれど、4月から新年度が始まり、そうすると新入生がたくさん入学してくる。また、研究室に新しく配属されるメンバーもいる。このように、新メンバーを迎い入れるための準備も当然ながら3月に行われることになる。

3. 学会
前期・後期の2期制の大学が多い。当然ながら、学期期間中は出張をしにくい。学期期間中も学会はあるが、前期・後期の合間に学会は集中する。1、2月は入試・卒業関連で忙しいため、3月に学会が集中する。行こうと思えば、3月中に4つでも5つでも学会に行ける気がするが、さすがに業務もあるのでなかなか行けない。だいたい1つか2つに絞って参加することになる。

農芸化学科だと、なんといっても日本農芸化学会の大会がこの時期にある。

他にも日本植物生理学会、日本化学会、ゲノム微生物学会などがある。

4. 年度の研究報告や次年度に向けた研究会議
研究というものは、どこかからお金が降ってきて勝手に使って終わりではない。

研究費を獲得したからには成果を出す必要があるし、成果をまとめて報告する必要がある。当然ながらこれらも年度末の仕事である。

また、次年度の研究をどのように展開するか、関係各所と会議をするのもこの時期になる。今年の3月も他大学の先生や企業の方とのミーティングがたくさん入っている。

5. その他の大学業務
他にもいろいろな業務があり、例えば以下のようなものである。
i. スーパーサイエンスハイスクールの高校生の案内と学生実習
ii. 委員会関連の仕事

このように3月もいろいろ仕事がある。これに加え、例えば子供の卒業式なども入るので、うっかりするとスケジュールが土曜日も含めて埋まってしまう。「ここは絶対休みを取る」と決めて休みをとらないと新年度に向けて疲れ果ててしまう。

ということで、3月は結構忙しいのである。大学赴任前はわからなくて、1、2月が忙しくて、3月は休むぞ!と思っていたら、最も忙しくなってしまい、疲れ果てた記憶がある。ということで、忙しい覚悟で臨んでいる今年の3月である。。

2018年3月11日日曜日

結局研究者の給料は低いのか?No.5

結局研究者の給料は低いのか?No.5になってしまった。いつのまにやら5回目に。

学振PD、基礎特研の話であった。今回はさきがけの話。

3. さきがけ(専任)研究者

こちらは科学技術振興機構(JST)の研究プログラムである。学振PDは日本学術振興会、基礎特研は理研独自の制度である。

さきがけとは、国の戦略目標に沿った研究領域があり、その中でその戦略目標の推進に沿った研究者を公募で選び、領域の研究を推進するプロジェクトである。

http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/about/index.html

研究領域は毎年有識者で話し合われて、文部科学省で決定される。このため、どんなに優秀でも領域が合わないとさきがけ研究者にはなれない。

また、さきがけは学振PD、基礎特研とは異なり、すでにポジションがある研究者の研究費を提供するのが主である。一応若手向けではあるのだけれど、准教授どころか教授すらさきがけ研究に応募する状態である。なので、そういう人たちと公募で争うのでとても大変である。

前回理研の基礎特研に採択されたと述べたが、ちょうど私が基礎特研になった1年目に「藻類バイオエネルギー領域」が立ち上がった。研究総括は、農工大の前学長である松永先生であった。

これを見たときに、「自分のための領域ではないか!?」と思うくらいぴったりだった。ということで、領域発足1年目にさきがけに応募し、採択された。

学振PD→理研基礎特研→JSTさきがけなんて、自分でも奇跡だと思っている(もちろん努力はたくさんしたのだけれど)。

ちなみに基礎特研は3年間でまだ残り2年間あったのだが、辞退した。

実はこれは失敗だった。さきがけに選ばれた辞退しなければならないと思っていたのだけれど、別に辞退しなくても良かったらしい。

ただし、基礎特研のテーマはシロイヌナズナで、さきがけはラン藻だったので、まあ、テーマがだいぶ異なるので、そういった意味では辞退して良かったと思う。

何が失敗だったかというと、給料のことである。

前回基礎特研は年収650万円と書いたが、実はさきがけ研究者はそれよりも高い

正確にいうと、さきがけは「専任研究者」というものがあり、JST雇用となり、JSTから直接給与が支払われることになる。これに対し、大学の助教や講師、准教授などがさきがけを取得した場合は、自分の所属機関の給料にプラスアルファで10万円が支給される(現在は9万円になったらしい)。

それで、さきがけ専任研究者の給与はいくらかというと、FAQで公開されているが、年収700~800万円である。年齢によって3段階に分かれ、30代はじめでもらった私は700万円プラスアルファであった(プラスアルファがいくらかはちょっと濁す)。ということで、基礎特研よりも良いが、基礎特研に10万円をプラスをした額よりは劣る。まあ、いいのだけれど。

ちなみに私のときはとても運が悪く、事業仕分けのため、さきがけの3年半のプロジェクトが3年になってしまった。また、東日本大震災のため、途中で給料が8%カットになった。8%カットだと、およそ年間60万円、月5万円のカットである。このように、研究者は政治などの動きと自分の生活が直結してくるのである。

また、このさきがけも退職金はない。年金は厚生年金ではある。

このころは最も忙しくて、朝の3時半〜4時半には勝手に目が覚めて、PCに向かって論文などを書いていた。今も4時半くらいには起きているが、この時ほどのプレッシャーではないと思う。さきがけでたくさん鍛えられたため、論文を書くスピードが格段に上がったと思う。今は私立大学なので、相対的に講義や実習、その他の業務が多いが、論文が書けるのはこのときの鍛錬に他ならない。

ということで、5回に渡ってブログを書いたが、研究者もうまくすると、悪くない給料がもらえる。ただし、自分はかなり運が良くうまくいったと思う(繰り返すが、もちろん努力はした)。

また、ここまでやっても来年度がどうなるかわからないというプレッシャーはすごかった。結果としてはうまくいったが、1つ間違えればどうなっていたかわからない。

最近は、アカデミックの研究者を目指す人が減っている。悲惨な話が蔓延してしまっているせいかもしれないが、みんながみんな貧しいわけではないことを強調したい

また、紹介したポジションはすべて裁量労働制であった。このため、研究さえ進んでいれば、子供との時間を取ることができた。かなり子育てをしたと思うので、これは自分でも誇りであると思うし、子供の可愛さを知ることはお金には変えられないと思う。

確かにもっと給料の良い職業はいくらでもある。しかし、研究者にはお金以外のメリットもたくさんあると思う。自分自身は、研究者の道に進んだことは一度も後悔したことがなく(とはいえ、任期制の時は精神的に辛かったが)、今でも(知らないだけだけかもしれないが)これ以上良い職業も思いつかない。

現代はいろいろな情報があふれていて、その取捨選択が本当に難しい。しかし、一度きりの人生を、他人の噂で決めてしまって挑戦しなかったとすると、一生悔いを残してしまうかもしれない。どんな道であれ、自分が進みたい道を選び、そこで生き残るために最大限の工夫をしていくことが、幸せへの道だと考えている。


記事が参考になったら、ぜひ下記のクリックをお願いします!

↓ブログランキング大学教育部門ランキング1位をキープ中です!

大学教育ランキング

2018年3月10日土曜日

結局研究者の給料は低いのか?No.4

またもや続きで、研究者の給料について。

前々回は30代後半男性の平均年収を、平均年収.jpなるサイトで比較して、金融業保険業が771万円でトップ、続いて情報通信業が609万円、教育学習支援業が607万円、専学術研究門・技術が4番目の595万円、建設業の551万円、卸売業小売業の523万円と続いている。製造業は484万円であった。


前回は自分のことで、日本学術振興会特別研究員(PD)というポジションが年収423万円という話であった。このポジションは博士号取得後〜5年くらいなので、20代後半から30代前半の人がなれる。

3年間学振PDのポジションで、その後が理化学研究所である。

2. 理研基礎科学特別研究員
こちらは、日本で一番待遇の良いポスドクの1つと呼ばれている。通称基礎特研(きそとっけん)という。
「理研の学振PD」という感じで、理研の研究室を自分で選び申請する。本所の和光だけでなく、横浜やつくば、神戸などで募集している。

月額は48万円(たしか、48.7万円だった気がするが)さらに世帯主だと家賃補助がつく。世帯主かつ子供がいると6万円(4万円だったかもしれない・・忘れた)の補助がつく(ただし、家賃が低い場合はもう少し支給額が下がる)。交通費もありで、厚生年金加入である。研究費も150万円くらいついたとおもう。

今は少し研究費や月収、補助額が変わっているようである。
http://www.riken.jp/careers/programs/spdr/career2017/

ただし、3年間の任期付きで、退職金はない。ということで、家賃補助を入れると単純計算で54 x 12 = 年収648万円となる。ざっくり年収650万円ということである。

基礎特研も年齢制限があり、学振と同様に博士号取得7〜8年以内である。今はさらに短くなっているみたいである。

前回の学振もそうだけれど、もちろん審査は厳しい。

基礎特研は書類選考のあとに、面接がある。

面接では専門外の先生方にわかりやすく伝えなければならない。大学院では専門分野に特化してしまいがちなので、この辺りからは他分野を意識していかなければいけないところであった。

自分の場合は、博士号3年の時に応募して、基礎特研は面接で落ちた。面接で補欠となり、学振PDに受かっていたから良かったが、3月まで受かったかどうかわからないという微妙な立場で困ったことを覚えている。

学振PD2年目に再度応募して、またもや面接で補欠になり落ちた。ただし、学振2年目なのでまあ別にいいやという感じで少し変なテーマで応募してはいた。

そして、学振PD最終年度に応募して基礎特研に受かった。ということで、3回目で通り、30歳で基礎特研になった。

年収の話なので、30歳で年収650万円なので待遇としては申し分ない。裁量労働制なので、こちらもライフイベントには最適である。

ただし、上記の通り、受かるのは大変なので、うーん、だから研究者は高待遇だ!とは言えない気がする。任期は3年で終わりであるし。

またもや続く。

2018年3月9日金曜日

結局研究者の給料は低いのか?No.3

前回の続きで、研究者の給料について。

前回は自分が30代後半だったので、30代後半男性の平均年収を、平均年収.jpなるサイトで比較してみた。

金融業保険業が771万円でトップ、続いて情報通信業が609万円、教育学習支援業が607万円、専学術研究門・技術が4番目の595万円、建設業の551万円、卸売業小売業の523万円と続いている。製造業は484万円であった。

さすがに今の自分の年収は晒せないが、27歳で博士号を取得してからの自分のポジションは、月給が公開されているものが多かったので、下に紹介する。

1. 日本学術振興会特別研究員(PD)
2007年に博士号を取ってすぐなったのがこれである。通称学振PD(がくしんピーディー)と呼ばれている。若手のみが応募できて当時は35歳までしか応募できなかった。最近は少し変わって博士号取得から5年未満の人が応募できる。要するに若手の博士研究員用のポストである。任期は3年間。

博士号取得後は月給36万円だった。交通費はなしで、ただし、別に研究費が当時は110万円つく(確かこの金額だった気がするが間違っているかもしれない・・・)。研究費なのでもちろん生活費にはできない。ただし、パソコンや研究用書籍などを購入し、その分を非課税にすることができる。

デメリットとしては、国民健康保険・国民年金であることだろうか。厚生年金ではない。あと、そもそも雇用されている訳ではないらしく、日本学術振興会からの謝金という謎の形であった。もちろん退職金もない。

ただし、雇用関係にない分自由に研究できるし、出勤時間も自分の裁量である。ライフイベントをこなすには最高であった。ちょうどこの時に結婚し、引っ越して子供が生まれたので、裁量労働は本当に助かった。

月額が36万円なので(36.5だった気もするが忘れた・・)、単純計算すると年収432万円になる。繰り返すが、退職金や交通費がでないというデメリットがあるが。。20代後半にしては悪くないのではないかと思う。

次のポストは理研であるが、また長くなってしまったので・・・続きはNo.4へ。

2018年3月8日木曜日

結局研究者の給料は低いのか?No.2

前回の結局研究者の給料は低いのか?の続き。

ということで、前回に引き続き、平均年収.jpという身も蓋もない名前のサイトで業界別の年収を調べてみた(※どのように統計をとっているかについてはわかりません・・)。

前回は、40代後半の北海道大学の先生が自分の給与を公開していたニュースについてだったので、40代後半で比較した。

自分は30代後半なので、今回はその年代の平均年収を見てみる。


あれ、男女を合わせた平均が載っていない・・・💦

ということで、男性平均を比べてみる。

金融業保険業が771万円でトップ、続いて情報通信業が609万円、教育学習支援業が607万円、専学術研究門・技術が4番目の595万円であった。

その後は、建設業の551万円、卸売業小売業の523万円と続いている。製造業は484万円である。

ということで、30代後半の男性で比べても、専学術研究門・技術はそれほど低くないことがわかる。

また、就職活動では、製造業とか
卸売業小売業などが一般的に有名なので人気がある。しかし、有名度と年収は必ずしも比例しないので注意が必要である。


アカデミックの研究職がそれほど低くないと述べたが、アカデミックの場合は

1. 修士号や博士号を取得することが多いため(というか必須であるため)、働き始めるのが遅い

2. 任期付きのことが多く、雇用が不安定。また、任期付きの場合はほとんどのケースで退職金がない

などの事情があるので、単純に比較はできない。また、ポスドクや非常勤講師などがどこまで統計にカウントされているかも明らかではない。ただし、不安定雇用といっても、民間だって楽ではないと思うが。

上記に加え、雇用が不安定な中でなんとか雇用を勝ち取って
いるので、「勝ち残っているのになぜこんなに年収が低いのだろう?」、「学歴に比べて、年収が低い。」などの前提上限があるため、研究者は年収が低いと感じることが多いのだと思う。

平均値だけではなく、中央値も出して欲しいと思うのだが。平均は偏っていると実態を反映していないことも多いので。平均年収.jpなので仕方ないかもしれないが笑

明日は具体的な年収額について。No.3に続く。