基礎実習で真っ先に行うことは、実験を安全に進めるための注意である。
いうまめもなく、実験は時として危険を伴う。すでに実習でさまざまな薬品や機器を使っているので、農芸化学科の学生はそれなりには慣れているのだが、新しい研究室に所属すれば、当然違う薬品、機器があるので、それらを安全に取り扱うことを覚えなければならない。
気をつけなければいけないものはいくつかあるが、代表的なものとして、まず下のものの取り扱いを練習する。
1. オートクレーブ
高温、高圧で試薬や器具を滅菌する装置である。注意点はいくつもあるが、
i. オートクレーブに耐え得る器具であることを確認。
ii. 試薬をオートクレーブする時には、オートクレーブにかけて良い試薬かを確認し、蓋を必ず緩める。
iii. 中の水(水道水)が十分に入っていること、廃液が適切な量であることを確認
などを確認する必要がある。特に、メジューム瓶などで密閉した状態でオートクレーブにかけるとガラスが破裂する危険があるので、要注意である。
2. 乾熱滅菌機
こちらも高温でガラス器具を滅菌する装置である。
i. 乾熱滅菌に耐え得る器具であることを確認
ii. タイマーがセットされているか確認(タイマーなしで終日運転されているととても危険)
などを注意する必要がある。
また、どちらも終了後に十分温度が下がってから取り出す。慣れてくると早く進めたくなってしまうが、安全面に関しては、必ず注意する必要がある。
3. 遠心機
これもバイオでは欠かせない機械だが、危険なものの1つである。まずは小型遠心機で練習をしている。
i. バランスが取れていること、蓋がしまっていることを確認。
ii. 用いる容器の最高回転数を確認。
iii. 最高回転数に上がるまで、異音がしないかを見守る。異音がする場合は、すぐに停止を押し、離れる。
これらが大事である。特に、遠心に耐えられない容器で高速回転で遠心してしまう事故が後を立たない。多いのが、えっペンチューブで15,000 rpmで回しているので、そのつもりで15 mLや50 mLのプラスチックチューブを同じ回転数で遠心をかけてしまう事故である。それぞれのチューブには最高回転数(正確には遠心力 g)が設定されているので、必ず確認することが必要である。
結果を出すよりも前に、まずは安全講習が必須である。
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