さて、新年度。明日から本格的にゼミが始まる。
基礎実習も進み、新メンバーも頑張って実験をしているようである。まずはいろいろな場所やルールを覚えるのが大変だと思うけれど。
基礎実習の技術ではなく、これから研究室で言われることについて紹介。
それは、
「なんで?なんで?なんで?」である。
すべての行動に「なんで?」と疑問をぶつけられ、説明を求められる。
明日からゼミだが、先輩たちもみんなから「なんで?」ばかりぶつけられることだろう。
「なんでその解析したの?」「なんで条件Aに着目して実験したの?」「なんでその結果からそういう結論が出せるの?」「そもそも何でその生物で研究するの?」などなど。
質問をたくさんぶつけられ、それに答える。これがゼミである。そして、これからの研究室生活である。社会人になってもずっと続くと思ってほしい。
ゼミを経て、学会発表、さらに論文作成となると、これがどんどんエスカレートしていく。ゼミだったら、まあ「なんとなくこうしました」でもそれなりにしのげるかもしれない。しかし、論文となるとそうはいかない。文章や図にすべてロジックをつけるつもりでいかなければならない。なんとなくそうしたというのは、すなわち熟慮しなかったということである。
説明をする力。これがゼミに始まり学会発表、そして論文作成を経験することで身につけてほしい力である。
説明をする力が向上すると、それは同時にコミュニケーション力と判断力の向上にもつながる。うちでもっとも大事にしている力である。
どんな仕事でも一人ではできない。必ず協力者が必要である。相手に協力してほしい場合に、大事な仕事であったり、相手にも利益があることが説明できれば、喜んで協力してくれるだろう。一方、実は大事な仕事であっても、説明なしでは、自分のことで忙しい相手に断られてしまう。だれだってよくわからない仕事に自分の時間や労力を割きたくはない。
また、これから生きていく上で、自分の方向性に正解はない。どんな職業を選ぶべきか、そこで何の仕事をすべきか、どんな商品・サービスを売るべきかなどに正解はない。正解があるならば、誰だって正解を教えてほしいものである。
そんな時に自分で説明ができて、相手も納得するようならば、うまくいく確率が上がる。一方、どうやっても自分も相手も納得しないようならば、その方向に進むのはやめておいたほうが良いだろう。説明をすることは、自分の方向性を決めることでもある。
ということで、ゼミ、学会準備、論文作成ではいやになるくらい「なんで?なんで?なんで?」と聞かれる。しかし、上記の力をつけるためだと思って、嫌がらずに力をつけてほしいと考えている。
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