2018年4月15日日曜日

【シリーズ】藻類培養装置の作製 〜微細藻類の培養って需要あるの?〜 

我々の環境バイオテクノロジー研究室では、シアノバクテリアやユーグレナ、シアニディオシゾンなど、微細藻類の研究を行っている。

当然ながら、これらの生物を培養することが研究室では必須である。

研究室に入れば最初から培養装置があるのだけれど、現在でも培養方法の工夫を一つのテーマとして進めている。

また、前職の理化学研究所では、自分のセンターに微細藻類をメインとして研究している人はいなかった。最初は植物の研究をしようと思って理化学研究所にいったのだけれど、徐々に微細藻類に戻ってきた。

植物研究は時間もかかるし、スペースなどもたくさん必要である。さきがけなどで個人型研究を進めていた身としては、微細藻類は結果も割と早く出るし、省スペース・低コストで研究ができるメリットがあった。

そうはいっても、全く何もないところから培養装置を組み立てていくのは非常に大変であった。そこで、何度かに渡って、「藻類培養装置の作製」について書いていこうと思う。

需要あるのか?という懸念もあるが、実際には藻類用インキュベータなんていうものも売り出されているのが現在である。

また、藻類の培養技術は、実は錚々たる企業が特許を出願し続けている。

「藻類培養」と少し特許の出願・取得を検索しただけで、

(株)IHI、旭化成(株)、鹿島(株)、新日鉄住金(株)、昭和電工(株)、キャノン電子(株)、三菱重工(株)、三菱マテリアル(株)、(株)デンソー、(株)東芝、東京電力(株)

と超有名企業が出てくる。ちなみにこれはこの3、4年で公開になった特許の話である。過去の話ではない。

ということで、それなりに需要があると信じ、また、学生にとっても意外な就職が開けるのではないかと思い、藻類培養装置の作製法について公開していきたいと思う。

微細藻類を培養するために制御することとしては、
1. 栄養(培地&空気)
2. 温度
3. pH
4. 光
5. 攪拌方法
などが挙げられる。特に4.の光が光合成をする微細藻類に特徴的であり、このため、培養する試験管・フラスコ・培養槽の形を考えることも重要なのである。

培地については別の記事に書いてあるので、そちらを参照してほしい。

次回からは、空気と二酸化炭素の混ぜ方などについて記載していきたいと思う。

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