3月は学会シーズンであった。日本農芸化学会、日本化学会、日本植物生理学会などなど、色々な学会の年次大会が目白押しである。
この時期に初めて学会で発表するという学生もいるかもしれない。また、学会ではなくても、研究室の新メンバーが決定する時期でもあるため、研究室のゼミ発表ってどうすればいいのだろう?と悩む学生もいると思う。
学生に限らず、上手な発表というのは社会人になっても求められる。企業に勤めても学会に参加する人は大勢いるし、社内、社外でも発表で大事なプロジェクトが決まることも多々あることだろう。発表は別にアカデミアのものではなく、社会人として大事なスキルである。
当然ながら、「上手に発表するにはどうしたら良いのだろう?」と誰しもが考える。このスキルに終わりはないので、私も常にどうすれば良いだろうと日々悩んでいる。
いろいろな種類の発表があるので一概には言えないが、一言で言うと「相手(聞き手)の立場で発表を作る・発表する」ことである。
こんなことをいうと、「は?そんなの当たり前じゃないか?」と思うかもしれない。しかし、その当たり前のことができないのが研究発表である。
研究発表の前は、「緊張する・・」「勉強不足かもしれない・・」「早く終わらないかな」「質疑に答えられるかな?」
研究発表後は、「やっと終わって解放・・」「発表の感想どうだったかな?」
などの意見が多い。当然のことだと思う。
ただし、これらは聞き手のことを考えてのではなく、自分のことを考えている意見である。
緊張するとか、勉強不足とかは聞き手には関係ないし、本番になってしまったらもはや仕方がない。それよりも、現状の範囲で、「文字を大きくする」「余分な文字数を減らす」「足りない説明を補う」「相手にとって専門的すぎないかチェックする」などをすべきである。これが相手のことを考えるプレゼンである。
相手(聞き手)の立場で発表を作る・発表するなんて当たり前かもしれないが、これがなかなかできないのが人間である。
また、人前の発表で緊張する人がいるかもしれないが、相手の立場のことを考えて頭をいっぱいにしてしまえばよい。もし、緊張するとか考えているならば、それはまだ自分のことを考えているのであって、その時点でベストな発表とは言えないと思う。
ということで、当たり前すぎるけれどなかなかできない、相手の立場で発表を作る・発表すれば、おのずと人より良いものができると思う。もちろん、実験データや知識がないとどうやっても限界があることは最後に追記しておく。
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