環境バイオテクノロジー研究室 インスタグラム公式アカウント
https://www.instagram.com/meiji_biotechnology
このようなことをはじめるに至ったのには理由がある。
当環境バイオテクノロジー研究室は、明治大学農学部農芸化学科に所属している。明治大学は就職がとても強い。農学部ということもあるが、理系であっても大学院に進学する学生が3割前後である。国立の理系であれば、修士課程への進学率は少なくとも5割以上、8割以上に達する学部もあると思う。
農学部農芸化学科の場合、3年生から研究室に所属するので、2年間は研究をする時間がある。通常は4年生からだと思うが、学部卒で就職する人が多いと卒業研究が1年間だけでは全く研究室が廻らないと思う。2年間卒業研究があるシステムは非常に素晴らしいと思う。
当研究室では、学部生であっても国際誌に論文を発表している。これは珍しいことで学生は非常に頑張っていると思う。しかし、授業があり、就活もあり、アルバイトなどもある中では限界もあると思う。
論文発表というものは、非常に長い時間と多大な労力を有する。1年、2年、それ以上の時間をかけて実験を行い論文にまとめる。それを投稿するが、審査に最低1ヶ月。それでリジェクト(不採択)ならば一からやり直し。リバイス(改訂を要求されること)であったとしても、どんなに早くても1ヶ月。1年以上かかるであろう追加実験を要求されることもある。
さらに、リバイス論文を投稿してもリジェクトされることもある。論文を投稿してからアクセプト(採択)されるまで1年以上かかることも別に珍しくない。というか、そちらの方が多いかもしれない。
このような状況から、国際誌に発表するだけが研究成果を世に出す方法だろうか?と考えるようになった。
もちろん、論文は絶対大事である。審査なしで焦って発表して間違った結論を出してしまうこともある。じっくりと読める媒体が必要なことは言うまでもない。
一方、「やってみたけれどあまりうまくはいかなかった」、「この結果を論文にする時間はない」などの場合には、論文以外の方法で発表してもよいと考えた。
学会発表などもあるが、学会発表の場合は、要旨は残るけれど、画像などは残らないことの方が多い。また、学部生にとっては学会発表はよい機会であるものの、それほど簡単なものでもない。学会の時期は限られているので、速報性も低い。
そこでSNSの登場である。インスタグラムが最適なのかはわからないけれど、SNSでの研究発表というのもありなのではないかと考えた。
例えばこれはシアノバクテリアをチューブで培養した様子である。シアノバクテリアの場合、いかに光を当てるかが重要なので、自由に形を変えられる培養を試してみた。
ところが、ポンプの力を強くしないといろいろなところにシアノバクテリアが蓄積してしまうなどの問題があり、思ったようには育たなかった。
こういう結果を論文にするのは、難しい。労力に見合う成果が得られるとは到底思えない。しかし、「こういう培養はうまくいきませんでした」という情報も、研究者に役立つと思う。
ということで、新しい研究メディア戦略として、インスタグラムでの研究発表を始めることとした。ブログやツイッターでも発表していくと思う。
はたしてうまくいくかはわからないけれど、別にうまくいかなかっとしても損害はなにもない。すぐに辞めることができるのもSNSの手軽さだと思う。
また、このブログも発表手段の一つでもある。ブログは日記のようなものを公開するのが原型だったと思うが、もはや研究の一部であるといっても過言ではない。
ということで、次世代研究メディア戦略としてのインスタグラムがどうなるか、チャレンンジしてみたいと思います。ブログでも研究関連情報を発信していきます。
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