2018年1月19日金曜日

コハク酸結晶の作製

新しいブログカテゴリーとして、「工作室シリーズ」を作ることをふと思い立った。

私の出身は分子生物学である。現在も分子生物学解析を進めている。

分子生物学は目に見えないミクロなものを解析するものである。サザンブロット・ウエスタンブロット、リアルタイムPCRなどなど、目には見えない微小なものを可視化しながら分子メカニズムを解明する学問である。

一方、最近では、コハク酸やフィコシアニン生産などを始めとするバイオテクノロジーも進めている。これらは環境に資するものづくりである。

とはいえ、まだまだコハク酸などの有機酸生産量は少ないため、目に見える形まで到達していないのが現状ではあるが。

現在は遺伝子改変や培養条件を変化させることでコハク酸などの有用物質生産を行っている。コハク酸の場合であれば、溶液中のコハク酸濃度を高速液体クロマトグラフィーなどで定量している。

これはあくまで溶液中のコハク酸量であって、実際にコハク酸そのものを精製するところまでは至っていない。

しかし、生産量が増えた場合を想定し、その後のプロセスを開発しておくことも非常に重要である。

コハク酸を精製する方法はいろいろあり、その精製法についても、いろいろな企業がさまざまな方法の特許を出願・取得している。微細藻類の培養法も少し調べれば、錚々たる企業がたくさんの特許を出願・取得していることがわかる。過去の話ではなく、現在進行形である(こういうことからも分かるが、研究室での体験が社会で役に立たないなんていうのはとても信じられないし、信じない方が良い)。

コハク酸の精製法の一つが「再結晶」ある。高校の実験でやった人もいるかもしれない。

再結晶そのものはとても簡単で、コハク酸の飽和溶液を作り、一旦熱することでより溶解させ、その後冷やしていくことで、コハク酸を析出させるのである。

この再結晶で作ったのが写真のコハク酸結晶である。これは微細藻類由来ではなく、購入したコハク酸の粉末で作ったものである。

10%程度のコハク酸溶液を作製し、一旦80〜90℃に熱して溶解させ、その後徐々に冷やしていった。



しかし、、、難しい。

溶液に針金や糸などを垂らしておくのだけれど、全然同じように結晶ができない。出来る時と出来ない時がその時の偶然によるので、計算できない。上の写真は比較的うまくいった例であるが、うまくいかないのも多数あった。

そもそも10%溶液を作ったが、その濃度で適切なのかわからない。もっと過剰にした方が良いのだろうか。

また、一度大きくなってきた結晶をさらに大きくしようとして放置しておくと、反対に溶液に溶解してしまうということもあった。

口でいうのは簡単なのだけれど、やってみるととても難しいことがよくわかった。

「結晶学」という教科書があるくらいで、それは研究分野であるらしい。なんで結晶が出来ていくかというのはとても難しくて、かなりの勉強が必要そうだった。経験則でうまく作れる人がいるかもしれない。

結晶作りが上手い人がいたら、ぜひコメント欄にご意見をください!

ということで、こういう新しい結晶作りにもチャレンジしています。工作室っぽいので、工作室シリーズとしてブログで紹介していきます。過去のブログ記事も一部工作室シリーズのラベルに移しました。

※溶液を熱する場合には火事ややけどの危険を伴いますので、必ず安全を確保した上で実験をお願いします。

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