ブログで「論文の書き方」という堅い話題が続いたので、研究室にあるサボテンでも見てちょっと休憩。
このサボテンは、一期生であり、卒業生であるTさんが研究室に置いていったものである。眉を寄せた猫が、シュールで可愛い。
もう2年以上前になると思うけれど、まだまだ元気に生長している。そして、普段は研究室の風景になってしまって気がつかないのだけれど、気がつくといつのまにか不思議な分枝をしている。図のように、いろいろな方向に伸びている。
「水をください。」と書いてあるけれど、ほとんど水しかあげていないと思う。ということは、土にある栄養分と、もともと蓄えていた栄養分で生長しているはずである。もちろん、光合成で炭酸固定をするので、炭素源は大気中の二酸化炭素だと思うけれど。
こんな形をしているサボテンの光合成ってどうなるんだろうと検索してみたら、日本植物生理学会の質問コーナーに同様の質問と回答があった。
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=0984&target=number&key=0984
なんとサボテンは茎で光合成をしているらしい。そもそも、この丸く見えている部分が「茎」であるらしい。そうなんだ、そう言われると考えたことなかったけれど、あのサボテン特有の形の部分は茎なのか。そして、茎が主に光合成の場とは面白い。
さらに気孔(二酸化炭素を含む空気のやりとりをする穴)も茎にあるとのことである。光合成をする場所に必要なのだから当然かもしれない。しかし、気孔が茎にあるって初めて聞いた。
さらに、もともと乾燥した熱帯地域のものなので、昼は乾燥を防ぐために、昼間は気孔を閉じて、取るに気孔を開けて二酸化炭素を貯めておくというのも面白い。そうすると、サボテンのサーカディアンリズムは特徴的な制御メカニズムがあると思うのだけれど、どのくらい研究は進んでいるのだろうか。分子生物学的な研究は難しいと思うけれど。
伊豆シャボテン公園のQ&Aも面白い。
http://izushaboten.com/saboten/faq.html
季節によって、水のあげ方や光の当て方が違うらしい。
春と秋には水をあげ、夏と冬は乾いたら少量あげるくらいでいいとのことである。特に日本で育てようとすると、水のあげ過ぎで枯れることが多いらしい。
また、夏から秋にかけては遮光(光を当てないこと)でいいとのことである。そうなんだ・・・植物なのにそんなに遮光で良いとは。光合成は良いのだろうか笑。
そして、サボテンを増やすにはサボテンを挿し木するらしい。サボテンの挿し木とは何かと言うと、上の写真のぽこっと生えてきた部分を根元からカッターで切り、日陰で2〜3週間乾燥したあと、新しい土に植えるとのことである。小さなサボテンがぽこっと生えることを「仔吹き」というらしい。知らないことばかりだ・・・
ということで、環境バイオテクノロジー研究室ですくすくと育っているサボテン。僕もたまに水をあげていたのだけれど、過剰だったかもしれない💦。
休憩と言いつつ、光合成や植物栽培の話として、一般向けから学術向けまでとても面白そうである。微細藻類だけでなく、サボテン研究でも始めようかな。。
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