2018年1月20日土曜日

フィコシアニンキャンドルの作製

工作室シリーズの今回はフィコシアニンキャンドルの作製である。

まずフィコシアニンとは何かと言うと、青色の色素である。そんな色素の名前を言われても知らないよ、という人がほとんどである。しかし、有名なソーダ味のアイスである「ガリガリ君」の名前を出すと、ほとんどすべての人がガリガリ君を知っている。そして、あの青色がフィコシアニンですというと、「そうか、食べたことあるんだ・・」となる。

このフィコシアニンはスピルリナというラン藻から抽出されている天然の色素タンパク質である。色素というとなんとなく化学合成で体に悪いイメージがあり、特にあのようなくっきりとした青色なので、きっと良くないと思うかもしれないが、こちらは長い食経験もあり、かつタンパク質なので、体に悪いことはない。むしろ、健康効果が学術論文レベルでは報告されている。

フィコシアニンは綺麗な青色なのでわかりやすく、学生実習にも利用している。タンパク質の濃縮や分光光度計の利用、SDS-PAGEなどを行っている。

話が逸れたが、今回はこのフィコシアニンを使ってキャンドル(ろうそく)を作ってみた。

手作りキャンドルは、材料が100円ショップなどでも売っているくらいメジャーである。

キャンドルは、ロウソクというだけあり、蝋(ろう)を固めて作るものである。蝋は英語で言うとWax(ワックス)である。

蝋は、動物や植物から取られた油脂を含むこともあるが、主には石油から合成されている。炭化水素(炭素と水素だけなからなる物質)を持つエステル(-COO-という結合を持つ化合物)である。


蝋は室温では固まっているが、熱をかけると液体になる。そこで一旦熱で溶かしてから、上記のような耐熱性の容器に入れて固めるのである。その際には、火がつくような芯となる部分を入れておく。芯の部分も手作りキャンドルコーナーには必ず売っている。

蝋を溶かしてキャンドルを作るのだが、それだけでは面白くないので、色をつけたり飾りを入れたりする。キャンドル作りのプロもいるくらいである。

私の場合プロではないので、何をしたかというと、上述したフィコシアニンを入れてみた。このフィコシアニンは、シアニディオシゾンという紅藻から抽出したものである。

蝋は脂溶性であり、フィコシアニンは水で抽出した水溶性のタンパク質である。蝋の上からたらすと、蝋とは混ざらずに、上のように球形になって青いフィコシアニンのボールができた。

完全に蝋が固まる前に、フィコシアニンを滴下してみた。その後、スマホでタイムラプスの写真を撮ったのが上の動画である。タイムラプスとは、一定時間ごと(2、3秒ごと?)に写真を撮ってそれらをつなげて動画にすることである。

そうすると、フィコシアニンのボールが徐々に沈んでいく様子を撮影することができた。

いや、だからなんだと言われても困るのだけれど笑。。

と、このように、青色色素フィコシアニンは、食用として使われるだけでなく、手作りキャンドルの材料としても利用できるのである。現在、フィコシアニンの利用法を考えているところである。良いアイデアは大募集中です。

※火を使う場合には、火事や火傷に十分ご注意ください。

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