さて先月も新しい論文が採択され、みんな頑張って論文を書いている。
それはとても素晴らしいことなのだけれど、論文を出版するにはたくさんの仕事がある。
最終的にはエディターがOKを出して、論文の採択(アクセプト)の返事が来る。しかし、それで終わりなわけではない。
論文が通ったあともやらなければいけないことがたくさんあるのである。
1. 共著者などに連絡
雑誌によるが、論文の採択は責任著者一人に連絡がくることが多い。そのため、共著者全員にアクセプトの連絡をすることになる。まあ、楽しい仕事である。
2. 論文の最終校正
論文は、ワードなどの文章作成ソフトで作成して、やりとりをしている。アクセプトになってしばらくすると、編集部が論文雑誌に掲載する形に直してくる。この原稿の最終的チェックをする必要がある。これをProof(プルーフ)という。他のブログ記事でも書いたが、最近はプルーフの質が下がっていて、適当に直してくることがある。こちらで間違いチェックもしなければならないというなんとも大変な仕事である。
3. 関係各所への連絡、プレスリリースの作成
共著者だけに連絡をすればよいわけではない。所属機関(明治大学)や予算配分機関にも連絡が必要である。また、論文によってはプレスリリースと言って、日本語の原稿を作成すする。言うまでもなく、ただ日本語訳をしても専門的すぎて読者はぜんぜんわからない。一般の人にもわかりやすく日本語で書く必要がある。大変な仕事である。また、プレスリリースの日時の決定も非常に重要である。
4. 出版料の支払い手続き
勘違いしている人もいるが、論文を出版するには、著者側がお金を払う必要がある。この支払い手続きも大変である。うちの大学では、VISAなどで立替え払いをして、その後手続きをして、最終的には研究費から支払うことになる。クレジットカードの立替え払いだと、引き落としが1ヶ月以上先になることが多く、覚えておくのも大変である。
ということで、論文が出るのはめでたいのだけれど、手続きだけでもたくさんの仕事がある。ただ、こういうのを体験すると、世の中の仕組みが少しはわかるかもしれない。
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