2018年3月17日土曜日

論文査読あるある・・・いや、ない。

久しぶりの論文査読あるあるシリーズ。

論文は、投稿すればすぐに掲載されるわけではない。査読(peer review)と言って、何人かの研究者によって審査され、追加実験などを行って、やっと採択されて、掲載されるのである。とても長い時間がかかる。

まず論文は、それぞれのジャーナルのエディター(editor)の元に行く。その後、エディターは2〜3人のレビューアー(reviewer、審査員)を選ぶ。レビューアーが論文を読んで様々なコメントをつけて判定し、最終的にエディターが判断するのである。

ということで、エディターが論文の審査には一番偉い人になる。

現在、あるジャーナルに論文を出しているのだけれど・・・・なんとエディターが途中で3回も代わり、ついに4人目である。

エディターというのは、その分野の著名な研究者がなるものであり、「例えば、誰々先生は◯◯ジャーナルのエディターです」というと、「おお!すごい」となるのである。

そのシステムをうまく利用したのがFrontiersというスイスの出版社が発行しているオンラインジャーナルシリーズである。うちもFrontiers in Microbiologyにたくさん論文を出している。

このFrontiersシリーズは通常通りのエディターもいるのだけれど、Research Topicsというもので、トピックスを提案して認められると、「誰でも一時的にエディターになれる」のである。このシステムで、「自分のジャーナル」と感じることができるので、すごく延びているジャーナルである。自分のFrontiers in MicrobiologyでResearch Topicsを一度作ったことがある。

ただ、やはりたまには弊害があって、それが今回である。

Frontiersシリーズに出したのだが、一人のエディターはアメリカのポスドクであった(ポスドクでもエディターになれる)。そしたら2ヶ月くらい放って置かれて、連絡しても何の返事もない。次もアメリカ在中のポスドクであり、対応してくれたかと思ったら、やはり放置になってしまった(3ヶ月経過)。

Frontiersオフィスが業を煮やして変えたらしく、今度は教授の方になったが、なぜか数日経って、また替わっていた。4人目のエディターである(3ヶ月半経過)。

途中でエディターが変わるというのは、長いリバイスをやっているとエディターの任期が終わってしまい、交代することはある。しかし、それでもせいぜい2人で、4人目とはいかに・・・である。

これのブログは「論文査読あるある」だけれど、さすがに初めてのケースである。

ただ、「想定外のいろんなことが起こる」という意味では、論文査読あるあるかもしれない。

本当にいろいろなことが起こるので、論文を通すにはメンタルの強さが必要不可欠である。

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