2020年3月28日土曜日

誤字脱字と論文の質の関係性

自分でも論文を書き、他人の論文の査読もする。

原著論文というのはわずか数ページから多くても10、20ページである。これを書くのに1年単位の時間を書ける。とても大変なものである。

原稿を作成する時には、何度も何度も見直す。論文を投稿する前はもちろん、査読(review)を受けた後も論文を改訂しながら再度見直す。また、共著者も読むし、英文校閲などにも出すので、第3者も読むことになる。

論文が通ると最後に最終校正(Proof)が待っている。

こうして何度も読むのだけれど、それでも誤字脱字があったりする。

誤字脱字と内容は関係ないと言いたいところだけれど・・・

やはり誤字脱字の少なさと論文の質は比例していると思う(正しくは、負の相関)。

ついつい天才物語みたいなものに憧れて、書き殴っても内容が素晴らしいので誰かが直して世の中に出してくれるのではないかということを期待してしまう。作曲家のモーツァルト状態である。

しかし、やはり自分で書いたり人の論文を読んでいると、質の良い論文は誤字脱字が少ない。

自分の分野は実験系なので、確かに得られたデータがかなりの比重を占める。コントロールが少なかったり、わずかな差しかないデータでどんなにきれいな論文を書いても、確かに微妙かもしれない。

しかし、得られたデータはそれで終わりではなく、自分でどこまで位置付けを考えられるかが大事である。なので、実験のイントロ(序論)とディスカッション(議論、考察)で、非常に差がつく。書き手の実力が出る。

こうしたものは一発で書けるわけではなく、何度も推敲が必要である。また、推敲している間に、実力そのものがアップする。

必然、何度も読み返すことになり、誤字脱字が減っていく。

一方、誤字脱字が多い論文は、結局、この推敲が足りないとも言える。

ということで、質の高い論文は、やはり誤字脱字が少ないというのが経験則である。偉そうに言っているが、自戒を込めている・・・。きちんと読み直さなければと反省する日々である。。



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