2020年3月1日日曜日

数字の魔力。人は数字で納得してしまう。

街を歩いて広告を見ると数字であふれている。

「ランキング第1位!」「100万人が選んだ・・」「80%OFF」、「300年前から続く伝統の・・・」、「500 kgでも耐え切れる・・」などなど。

これは広告・営業の基本で、数字を見ないと人間はイメージができないからである。

上の「ランキング第1位!」「100万人が選んだ・・」を「みんな大人気です」「ものすごく多くの人が選んでます」と言っても全然イメージが沸かない。

しかし、例えば100万人ならば、ざっくり仙台市と同じ人口である。なので、こういう言葉を足すと、「え、東北で最も大きい仙台市全員が選んでいるのか・・」などのイメージができる。

これと同じで、科学のレポート、論文などでも数字というのは大事である。

例えば自分の研究では、バイオプラ原料の生産を行っている。新しい技術で得られたバイオプラの生産量が、過去と比較して1番なのか、それとも実は100番目くらいなのかで意義が全然違ってくる。

また、類似の研究が行われている生物が、他に全くないのか、5種くらいの生物で行われているのか、100種類の生物で行われているのかで、これまた意義が全然違ってくる。

他にも、例えば目的とするバイオプラの年間生産量・使用量、生産エネルギー、コストなど、いくらでも数字が出てくる。

なので、レポートや論文の序論(Introduction)、そして議論・考察(Discussion)では、必然的に数字が出てくるはずである。

言い換えると、研究の位置付けに数字が必要である。

一方、全く勉強しないと、状況がわからないので、「すごく良い生産量だった」「過去の自分の研究室の中では最高」「少なくとも今回使った生物では初めて」、「世の中でたくさん使われているプラスチック原料」など、曖昧な表現だけで終わってしまう。

ということで、研究室のゼミではこのような指導をしていて、序論や考察に全く数字が出てこないと、大体不勉強であるし、また、位置付けもわからない。

さらに、研究室のメンバーは、全員が研究者になるわけではない。むしろ、他の職業に行く人の方が多いが、最初に述べた通り、数字の利用はむしろビジネスで必須なものである。こうしたこともゼミで学んでもらおうと考えている。

数字は「魔力」と言ってもいいくらい大きな力を持つ。もちろん、インチキは大変困るが、きちんと利用して自分の仕事に役立ててもらいたいと思っている。


大学教育部門ランキング1位です!・・というとなんか凄そうに聞こえます笑
大学教育ランキング

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