早くも年度末。来年のことが気になる季節である。当然かもしれないが、任期付のポジションの場合、来年度の契約をする時期である。アカデミックは割とぎりぎりに契約することも多い。
アカデミックのポジションの場合、最近は助教、場合によっては准教授も任期付である。また、契約が実質X年と言っても、契約は単年度のことも多い。
契約で最も大事な項目の1つは、給料だと思う。
どんなに楽しい仕事だって、仕事である以上給料をもらわなければならない。多少いやなことがあっても、それなりに給料が良ければ、まあ仕事のうちと我慢できる。反対に、給料が低くて生活が苦しくなれば、好きな仕事だって続けられないかもしれない。
アメリカなんかだったら当然のように給料の交渉をするのだと思うけれど、はたして日本の任期付のポジションの場合はどうか。あくまで、自分を含めた個人の体験なので千差万別なのだけれど・・・
正直、被雇用者(任期付の研究員、技術員)が直接給料を交渉する(要するにもっと上げてくれ)というのは、すごくハードルが高いと思う。
これは日本の文化的、社会的な側面が大きいのかと思う。仕事だから当然なはずなのだけれど、お金のために仕事とか言うと、すごく嫌わせるのではないか、卑しいと思われるのではないかという心理が強く働いてしまう。
実際には、お金をもらうために仕事をしているのだし、お金をもらわないで仕事をする方が間違いなのだけれど、お金の話をしてはいけない雰囲気が漂っている。
そして、困ったことに、お金の話をすると怒る人も少なくない。
労働に対する対価を要求しているのに、「こんなのはみんなボランティアでやっている」と言って、無給で仕事をさせようとする人も少なくない。アカデミックだとそれなりの割合でこのような人がいると感じている。
こういう社会でずっと育っているので、任期付で給料交渉をするとすごく雰囲気が悪くなるかもしれないという恐れを、多くの人が抱いている印象を受ける。なので、日本の場合、給料の交渉はかなりしにくいというのが個人の感想である(主語が大きい・・個人の感想です)。
本来は、仕事なのだから自分から給料を上げてくださいと言えるべきなのだけれど、日本の場合、雰囲気的にかなりの人が言えないのではないかと思っている。匿名のツイッターでは言えるかもしれないけれど。。なので、日本の場合は、本人が満足するような給料を上から提案するのが、雇用する側の大事な仕事だと思っている。
そして、そんなに簡単ではないかもしれないが、お金の話をすると怒るようなところからは移るべきだと思っている。要するに、その人の生活のことを考えていないということなので。
ここからは自分の場合だけれど、個人的には給料の値上げ交渉はしてもらっても全く構わない。それに見合うと思えば給料なんて全然上げる。
むしろ、成果を挙げるので給料もそれに見合った額が欲しいと言ってもらえる方が助かる。
というのも、人を採用しようとする場合、これも日本人的だけれど、「全然不勉強ですが・・」「専門外なので・・」「お役に立つかわからないですが・・」と、謙遜する場合がほとんどである。
謙遜は素晴らしいと思うし、そう言いながらバリバリ仕事をする人もいるのだけれど、一方で、本当に不勉強なだけの場合もある。そして、面接の時に専門外だと言ったのだから成果がでなくても仕方がないと、免罪符にしてしまうこともある。
なので、成果を挙げる宣言をしてもらった方が、給料を高くしたとしても全然ありがたい。実際、そういう宣言をする人はよほどの勘違いでなければ、いろんなチャレンジをして成果を挙げる可能性が高い(いうまでもなく人による)。
ということで、長々書いたけれど、
1. 日本の任期付の場合、給料を上げてくださいとはすごく言いにくい
2. 残念ながら、お金の話をすると怒る人は、それなりにいると思った方がいい。そういうところからはフェイドアウトすべき
3. 自分の場合は、高い給料でも良いから、成果を挙げると宣言するような、チャレンジをしてくれる人が欲しい
という感じである。もちろん個人の感想。また、高い給料と言ってもアカデミック基準なので、大したことはないかもしれないが・・
いずれにせよ、研究は好きでやっているのだからなんて時代ではないと思うので、お互いが納得する仕事場が見つかるのが幸せなことだと思う。
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