2020年2月27日木曜日

リアルタイムPCRって何?追記

リアルタイムPCRって何?
の追記。


迅速にコロナウイルスを診断できると言っている人たちいるが、RNAベースの診断は迅速にできない。迅速どころかかなり難しい。色々な条件からとってきた未知のサンプル(検体)からRNAを壊れずにとるなんて、長い時間をかけて経験を積まなければならない。これが簡単だなんて言っている人は、現場を知らない。理系の研究者で言っていたら、関連の実験をしたことがないか、もはやしていない人だと思う。

今後は、ウイルスのタンパク質をターゲットとした抗体(血清)を作り、抗体ベースの診断方法が必要である。インフルエンザでおなじみの罹患すると青い線が出るような診断法である(ただし、そこまで簡便にできるようにするには、もう1つハードルを越えなければならないが。作った抗体が安定であるなど)。

国立感染症研究所などで特異的抗体の開発が進められているようである。
https://www.amed.go.jp/program/list/01/06/covid-19.html

同時に、キヤノンメディカルなどは、PCRベースの検査法の開発もはじめたようである。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56032390V20C20A2TJ1000/

検査法の開発のニュースで、なんかキヤノンの株価が上がっているけれど、これはあくまで上記の抗体による診断法ができるまでのつなぎだと思う。リアルタイムPCRではなく、等温でできるPCRで簡単であるということなのだけれど、大変なのはそこではない。サンプルからRNAを取ってきて、DNAにするところまでである(リアルタイムPCRって何?参照)。

抗体ができるまでに複数の診断法を作っているのだと思う。国立感染症研究所の人はわかっているはずだが、一般の人にはわからないことだと思う。

まさかとは思うが、キヤノンメディカルはPCRベースの診断法開発だけで終わらないと思うのだが・・・

ということで、知識があるといろんなニュースを判断することができる。

一方、自分はウイルスについて呟いていないが、それはウイルスは全然専門外だからである。バイオ系なのだからウイルスもと思うかもしれないが、専門はそんなに甘くない。

せいぜい最新の論文を読むことはできますくらい(いや、それも勉強をしてからではないと、やや厳しいと思う)。なので、不正確な情報を流してしまうので、こちらは触れないと思う。

しかし、難しいところは、不正確な情報がバンバン発信されて、多くの人がよくわからないと発信力のある方を信じてしまうことである。

そもそも、ただのRNAを抽出するキットの写真を見て、コロナウイルスの簡単な診断法があるのでどこでもできるなんて意見があったので、これらのブログを書くことにした。

また、理系でもRNAを扱ったことのない人が、多分簡単にできるはずだくらいのノリで意見を言っていそうな気がする。そして、それらの発言と発信者の肩書きを見て、その意見を信じてしまうことも多そうだった。

こうした理由から、独自に発信することにした。

とはいえ、もはや玉石混交でもうわけがわからないと思うけれど・・・。結局は自分で勉強しないと真偽の判断ができない。昨日は卒論発表会だったけれど、こういう混乱状態になると、大学で学んだことが生きてくる。学んだ人は情報をきちんと選別できていると信じたい。




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