研究成果は論文だけはなく、特許にもなる。今年も1件特許を出願し、前任の理化学研究所と現職の明治大学を合わせて合計10件の特許出願となった。やっと二桁。
そうなのだけれど、いまだに特許の仕組みはよくわからない。特許にかかわったことが無いと特許出願=特許取得と思うかもしれないけれど、これは間違い。特許は以下のように進んでいく。出願と取得は異なるのである。
国内特許出願
↓
PCT出願(外国出願)
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国内・国外への審査請求
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拒絶理由通知書の受領とそれに応じた新しい明細書の作成
↓
国内・国外の特許査定
↓
特許料を納付して、特許登録
国外に出願しない場合は、PCT出願はなくなる。
となる。まず出願というものを行う。ここでも出願番号(特願2020-XXXXX)などと番号がつくので、正式なものである。しかし、ここで他の人がその技術を使ったとしても、訴えてお金がもらえるわけでは無い。
最後の特許登録までいかなければならない(あとで登録して、さかのぼって訴えることはできるらしい)。
いわゆるイメージである特許のライセンス料をもらうという段階まで進むには、出願→登録までが必須である。しかし、登録するには審査請求というものが必要。文字通り、特許が特許庁に審査される。これは各国の特許庁が行う。これになんと半年から1年長いともっとかかる。
そして、審査というだけあって、すぐに認められるわけではなく、基本的には「拒絶理由通知書」というものが届き、一旦却下される。
この部分は、新規性はないとか、他の特許とかぶっているとか言われる。
これに対応するために、特許の範囲を狭めたり、相手の意見が間違っているためのデータを集めたりするのである。
これらをまとめて再度審査請求し、認められれば特許査定となる。ここまで来れば、あとは特許料を納付すれば、特許登録となる。
10件の特許出願のうち、2件が特許登録、そして最近2件が特許査定まで進んだ。。
一方、3件くらいが審査請求&拒絶理由通知のやりとりで苦戦している。
これらのやりとりは自分が直接やるのではなく、弁理士が特許庁に提出する。明細書という書類を作るのも弁理士である。
しかし、専門的な内容はわからないので、その部分はこちらで対応する。審査請求では、まさに論文のリバイスみたいな感じで反論を考えていく。ただし、科学ではないので、反論の仕方が違う。この部分を弁理士の方々の判断によるのだが・・・正直よくわからない。
審査請求を通せるのが、弁理士の実力なのだろうか。それともこちらの内容の問題なのだろうか・・・よくわからない。。ということで、誰か弁理士の世界のことを知っていたら教えて欲しい。異世界である。。
このように、論文のリバイスみたいな対応をしていて、結構大変。ほとんど自分でやっているので、仕事を割り振りたいなと思っている今日この頃。見えない仕事がたくさんある。。
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