さていよいよ講義がスタートする。秋学期は講義が1つしかない(実習は週2もあるが・・・)。
その1つの講義は、環境バイオテクノロジーである。
こちらは専攻科目で3年生、4年生が対象の講義になっている。
「バイオテクノロジー」と付いているだけあって、最終的には技術的な話になっていく。
RNAiやゲノム編集、バイオプラスチックやバイオディーゼル、水素エネルギーなどの話が出てくる。
ただし、その前には遺伝子や代謝の基礎の話をしなければならない。DNA修復や一次代謝の分子生物学・生化学教科書的な復習をする。
なんで分子生物学や生化学をやらなければいけないのかと思うのだけれど、上記の技術がこれらをベースにしているからである。
プラスチック原料がクエン酸回路や乳酸発酵から出来ますと、これまで習った生物学が、実は産業につながっていますというのがこの講義の主題である。
専攻科目としては、春学期(前期)に生命システム工学、秋学期(後期)にこの環境バイオテクノロジーを担当している。
春学期には、2年生用の分子生物学も担当しているのだが、教える側としては、分子生物学は比較的楽である(必修で受講人数がかなり多い点では大変だけれど)。
なぜかというと、分子生物学は教科書に沿って進めるので、体系立っているからである。
それに比べ、生命システム工学や環境バイオテクノロジーは、教科書的なものがあまりない(あることはあるが、著者の定義によるものになっていて、本農学部の内容とは少し異なることが多い)。なので、いろんな分野を掻い摘むことになり、受講する方も少しもやっとするかもしれない。
しかし、3年生以上になると、そういう境界領域の勉強に入っているとも言える。教科がはっきりしていて、暗記がメインという時代は終わりに近いとも言える。
ということで、教える方も結構難しく、農学部の学生に役立ちそうな内容を考えながら進めている。今年は今のところ80人以上受講しそうなので、結構大変そうである。。もちろん楽しみでもある。。
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