実は今、研究室のターニングポイント No.3。
研究室が順調に立ち上がり、忙しいものの論文をたくさん出せる体制ができた。
しかし、人数が増えるとともに歪みが生まれてきた。
2期生として10人が配属された。この年は、ちょうど退官される先生が2名もおり、一学年の研究室配属人数が多かった。
また、自分も2年目に入り、新しい実習を立ち上げたり、新しい講義をさらに作ったりとなかなか激しい忙しさであった。このような状況で、段々と研究室に問題も起こるようになってきた。
研究室でよく起こるトラブルといえば何かというと、共通の仕事をサボることによるいさかいである。研究をするにはさまざまな準備が必須である。共通の機器は予約しなければいけないし、使い方を間違えれば壊れる。試薬は勝手には補充されない。掃除やゴミ捨てをしなければゴミがたまり、溢れる。
当たり前だが誰かがやってくれるわけではない。自分たちでやらなければいけないが、だれかがズルをすると、正常にシステムを動かすためには、だれかがその人の分までやらなければならない。
1期生のみで人数が少ないときは、誰かがさぼっても少しの労力でカバーできた。実際にはすでにそういう状態だったのだが、問題は顕在化しなかった。
ところが人数が増えてくると、誰かの頑張りではカバーしきれなくなってくる。こういう状況が研究室に表れ始めてしまった。
そして悪いことに、こういうサボりが教員の目と耳にはなかなか届かない。後になって聞くと、実は掃除当番なのに全然来なかった、共通の物品を全然頼んでいかなったなど、不平等がかなり発生していたことがわかった。教員として今も後悔しているが、システム・組織を作るものとして本当に不覚だった。
発足後すぐに論文もバンバン出て、CRESTが終わると次には新学術領域の分担にも入れていただいた。特許も多数出願に至った。こういう良い方の成果によって研究室がうまくいっていると思い込んでいた。しかし、実際には問題が蓄積していたのである。
昨年度(2017年度)が発足から3年目であるが、研究室の問題が表面化した年だと言える。実は問題がたくさんあったのだと、認識することになった。いきおいだけでは立ちいかなくなったことが明らかになったのである。
サボった人たちが悪い!と言いたいのかというと、実はそれは違う。研究室のルールがしっかりと決まっていなかったことが要因である。ルールがしっかりとしていないと、みんなどうすればいいかわからない。わからないから、「まあ、いいか」となって共通の仕事をやらなくなる。上の先生方にいろいろ聞いてみた結果、明らかになっきたことは、
ルールが決まっていれば、学生たちはきちんとやってくれる。ルールがなければ、ルールを作るところからやらなければならない。それはハードルが高すぎる。
返す言葉もない・・・その通りだと思う。
ということで、今年度に入るにあたり、「共通の仕事の平等化」、「発注のシステムの見直し」、「掃除当番の厳密化」などを行い、だいぶ平和にはなってきた(と思う)。組織・システムづくりの難しさを思い知った過去3年間であった。研究室運営と研究能力は全然別物であることを、身を以て知らされたのである。
No.4に続く。
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