理系の研究業界ではたびたび出てくるのが、インパクトファクター。SNSでもたびたび出てきては荒れたコメントが並んだりする。
インパクトファクターとは、雑誌の指標の1つで、ざっくり言うと、過去にその雑誌で出版された論文がどのくらい引用されるかというものを数値化したものである。一定期間に引用された回数を、出版した論文数で割り算する。
考えればわかるけれど、この指標は、良い論文ほどたくさん引用されるという前提がある。この時点で、ん?と思う人もいることだと思う。
参加者が多い業界ならば当然よく引用される(ただし、論文数も増えるので、その分、値は減る)。また、どんなに素晴らしい論文でも、ニッチな業界だと引用されにくい。
これだけでも若干微妙なところだが、それに拍車をかけたのが、雑誌によるインパクトファクターの釣り上げ戦略。
○編集部がレビューやコメンタリー(短い解説)を積極的に出して、自分たちの雑誌の論文を引用する
○データベースやゲノミクスの論文を載せて引用させる
○1年の初めの方にレビュー(概説)の特集号を出す(レビューは引用されやすい傾向にある)。
○論文審査の時に、自分達の雑誌の論文を引用するように著者に促す
など、様々な方法でインパクトファクターを釣り上げようとする動きがあった。いや、今でもそうではないかと思う。
そんなこんなで雑誌の価値がよくわからなくなってきた。さらにもう1つ拍車をかけているのが、研究者同士のマウンティングである。
それはなにかというと、「自分が論文を出した雑誌は素晴らしい雑誌で、自分が出していない雑誌はよくない雑誌」という人が少なくない。
これらに加えて出版社による新雑誌の発行乱発や出版料の異常な高騰などがおこり、最近は論文を出す雑誌がぐちゃくちゃになってきた印象がある。
そんなこんなでインパクトファクターを始めとする雑誌の格付けを巡っては、研究者はしばしば要らぬ労力と神経をすり減らしている。
No.2へ。
久しぶりに続きもの。。
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