2020年11月7日土曜日

働く場所を大事にする傾向がある。

この間の記事がかなり読まれた。

海外に行かないと研究者になれません?


アカデミックの研究者になるならば海外に行かないとダメという傾向があったのだけれど、そんなの目的が手段になってしまった典型的な例だし、若者にそんなハードルばっかり課してどうするのか?という話だった。


アカデミックの話ではないが、最近の学生の傾向としては、働く場所をとても大事にしていると感じる。




一昔前だったら、やはり有名な企業に入って良い待遇を得ることを目的とし、その分、転勤などは致し方ないという感じだったかもしれない。


個人の問題なのでなんとも言えないが、やはり今は働く場所を気にする人が多いと思う。


自分だって、共働きだし、子供のことを考えると、簡単に引越しなんてできなかった。幸い関東だったので仕事を探しやすかった。引越しをせずに東大、理研、明大と渡り歩けたのは本当にラッキーだった。


いずれにせよ、こうした働く場所の希望をかなえることも立派な待遇改善だと思う。最近は企業側でも配慮する例が出ているとは思う。いや、待遇改善を広くニュースにするだけで、現実は厳しいような気もするが。


アカデミックの待遇はしばしば問題になるが、やはり予算は限界がある。任期なしで良い給料ならばそれに越したことはないが、みんながみんなそうなるのは現実的ではない。


なので、こうした働く場所とかは別の形の待遇改善はできると思っている。


もちろん、ポストがなければ働く場所を変えなければならない。でも、今回の話のように、一度海外に行かなければならない制限をつけるとかは、別に撤廃すればいいだけなので、可能だと思う。待遇のあまり良くないアカデミックこそ、こうしたできる改善をしなければならないのだが、むしろ遅れをとってしまっていて、残念に思っている。


ちなみに、こうした海外に行かなければとか異動がしなければというのは日本のみではない。


昨年ドイツに行ったが、そこにいたポスドクからも「一度海外に行った方が評価が高いので、日本に興味がある」と言われ、メールで何度かやりとりをしていた。どこの国でもそうした傾向がある。なので、日本独自の問題でもない。


いずれにせよ、海外経験を大事にする人がいても良いと思うが、自分はそれはあまり重視しない。実際に今採用をしていて、「(明大生田キャンパスがある)小田急線沿いだから働けた」という人も多い。この間の募集も30件以上応募が来たが、場所が小田急沿いだからというのが大きい。子育てとか家庭の事情がある人からすれば、海外どころの話ではないのである。


変な制限をつけて、優秀な人材が逃げてしまうのは本当にもったいないと思っている。







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