2020年11月1日日曜日

理系は文系を兼ねない

※本日の話は主語が大きいです。個人の問題が最も大きいことはいうまでもないので、その前提でお読みください。


最近、文系であるHさんが研究室に来て感じること。


理系は文系を兼ねない。



なんのことかというと、仕事の種類の話。文系の法律とか会計とか専門のことを除き、理系の人は文系的な仕事(事務や営業、総務など)なら自分もできると思っていることが多い。


実際、就活(特に学部生)だったら理系とは関係のない職につく人も多い。


就職して長い時間を過ごしたならできると思うが、理系の研究室で実際に感じたことは、文系の人の良さである。


自分の研究室では、仕事の柔軟性を重視している。仕事の状況は、刻一刻と変わっていく。


新しいデータが出ればガラッと計画が変わる。機械が壊れても変わる。出勤したら、研究室が混んでいる場合もあるかもしれない。その時も計画を変えることがある。


他にも学会に参加して新しい情報を仕入れたり、企業の方と話したり、急に広報的な仕事が入ったりもする。急な仕事が入ることは毎日と言っても良い。


急な仕事が入ったら、研究室なのだから実験をすればよい、というわけではない。


事務的な申請書が必要になることが多いし、誰かと連携を組む場合には連絡も何度も取らなければならない。必要な物品の発注も必要となる。人事が絡めばさらに大変である。ものがそろうだけでなく、新しい仕事となればなぜそれをやるのかという説明責任も研究室内外で発生する。これらが全て整って、やっと作業ができるのである。


このところ自分の仕事でずっと大変だったのがこういう仕事で、上記のような周辺のタスクを自分が担っていたのだけれど、さすがに限界になってきた。


上記のことを研究の一環としてやってくれれば良いと思うのだけれど、正直、理系の人は半歩対応が遅い。


うちのスタッフはかなり柔軟にできる人たちだと思うが、それでもやはり、理系は技術の人というか仕事の好みが強い傾向がある気がする。理由をつけて実験などの仕事をやろうとしてしまうことが多いことに気づいた。


ということで、いろいろな仕事があるのだけれど、あまりやってもらえず、こちらも説明に時間がかかったり、もう手間なので自分でやってしまおうということが多かった。なので、研究が拡大するにつれ、自分の仕事が指数関数的にどんどん増えていくという状況だった。


主語があまりにも大きいので申し訳ないが、文系で法律や会計などではなく専門性が少なめだからといって劣等感を抱く必要はなく、仕事の柔軟性で勝負できるものだなと感じた。


繰り返すけれど、パーソナリティの問題なので、理系でも柔軟に対応できる人も多いし、文系でも仕事に拘って対応しない人もいると思う。なので、まあ、くくりに意味はないかもしれないが。


そもそも自分も仕事を選り好みしまくっているからこそ研究者になったのだけれど。やはり研究系の弱点は、柔軟性かもしれない。自分では柔軟性を武器にしているつもりなのだけれど、まだまだ能力の向上が必要ではないかと思った。理系だから文系の仕事はいつでもできるというのは、まったく正しくないと思った今日このごろである。





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