2020年1月5日日曜日

科学の文章の書き方を学ぶのは、理系学部の醍醐味。

昨日は久しぶりに出勤。残っていたレポートの採点を終了させた。

今年の1年生は人数が多いので、去年よりもだいぶ採点が大変だった。それでも全員、赤ペンでコメントをつけた。

1年生のレポートだが、色々と自分たちで調べているようで、なかなかレベルが高い。違う大学だから比較できないかもしれないが、正直、自分が大学1年生、いや2年生のときに同じレベルのレポートは書けなかったと思う。

前にも書いたけれど、全体のレベルが高いということは、頑張っても平均点くらいのこともあるし、少し手を抜くとあっという間に平均点以下になってしまうということである。思ったより点数が悪い場合があるかもしれないが、それは周りのレベルが高いということでもある。

レポートの書き方を掲載するのは、このブログの目的の1つである。

今回の1年生のレポートを見ていると、例年より文末に引用をつけている学生が多かったように思える(ブログが効いたかは不明)。
レポートの総評:文末に引用をつける。

あとは、最後の議論・考察の書き方で少し差が出たかもしれない。

あまりよくない例としては、
1. すでに知られている事実があるのに、調べずに予想を書いている
2. 同じことを繰り返し書いている
3. 感想や決意表明(次は失敗しない!)などになっている。
だろうか。

昔の国語の文章などだと、「大事なことは繰り返して書きます」みたいなことを習ったかもしれない。しかし、科学では、重複(Redundancy、リダンダンシー)と言って、やってはいけないことになっている。

また、図などでも説明が足りていない例もあった。


図の説明として、

図1. 加温処理した細胞抽出液

などと書いてあるものがあり、左右が何かわからないというレポートもそれなりにあった。本文を見ればわかるものもあったが、図の説明にも必ず説明を書く。

このような科学の文章には色々と文法、ルールというものがある。これらは、高校まででは学んでいないことがほとんどだと思う。このような科学の文章を書き方を学んでいくことは、理系学部の大学教育で最も大事なことの1つである。

科学の文章と書いたが、イコール仕事で使う文章と言っていいと思う。仕事の報告書が、感想文や決意表明などではないことはいうまでもない。

ということで、学ぶことが多くて大変だと思うけれど、全体としてはよくできていたし、ある意味では1つの言語の文法を学ぶくらい大変なことなので、焦らずに学んでいって欲しいと思っている。

ブログやSNSを駆使して、科学・仕事の文章力の向上に繋がるようにしたいと考えている。


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