2018年11月19日月曜日

研究室のコアタイム問題

この間の出張で、某大の先生と研究室のコアタイムについて話してきた。

研究室のコアタイムとは、学生やスタッフが研究室にいなければいけない時間のことである。

これは雇用関係でなければ、あくまで研究室ごとの内規である。研究室のコアタイムは、その研究室の特色を表すと言ってよい。

さて、出張でお話しした先生の研究室は、旧帝大の研究室で、植物の研究分野では非常に有名な研究室である。スタッフの先生方は優秀かつとても優しい。よそから見ても素晴らしいラボだと思う。

お話しを伺うと、これまでコアタイムはなかったらしい。ところが、最近になって朝だけコアタイムを設定したとのことである。朝だけコアタイムというのは少し変な言い方で、ようするに、研究室に朝来る時間だけを設定し、あと帰ってもよいというシステムとのことである。

このようなシステムを導入して、反発がすごかったのではないか?と思ってしまうが、なんと学生たちはほとんど賛成だったらしい。

というのも、やっぱり人間決められていないとだらだらしてしまう。自由すぎるとどうしていいかよくわからなくて、生活リズムが狂う。一旦夜型になると、頑張らないと朝方に戻らない。そして、研究室で心のバランスを崩す人には、生活が不規則な人が多い。

なので、ある程度決められて、朝来る方がリズムが整ってむしろ楽になるとのことである。しかも、「朝から働いているので」ということで、「早く帰る罪悪感がなくなる」らしい。おそらく結果としては、別にコアタイムができたからといって、長く働くことにはならなかったのではないかと思う。

この話はとても考えさせられる。

自分も、丸一日自由だ!となったら、よく働くか、よく休むかというと、どちらともはっきりせずに、だらだらと終わってしまうことがある。そして、中途半端だと、気分がとても悪い。「ああ、仕事しておけばよかった」もしくは「思い切って遊べばよかった」ともやもやしてしまう。

なので、ある程度の制限があった方が、むしろ自由で楽であることが、実は多い。

この話を聞けたことは、今回の大きな収穫といってもよい。さすがに学生たちに相談せずに導入することはできないけれど、少し真剣に考えても良いと思う。学生の多くが賛成だったというのはとても考えさせられることである。




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