JST-ALCA実用技術化プロジェクト採択の続き。その2である。
さて、7月末のヒアリングに向けて、今年は本当に必死だった。
JST-ALCAの「実用技術化」プロジェクトと名前がついている通り、応用志向の研究をしなければならない。メカニズムを明らかにして、いいジャーナルに載せました、というのだけでは評価されない。論文のレベルと本数の競争だけに走ってしまうと、このプロジェクトでは評価されないのである。
しかし、基礎から応用への展開は、死の谷と呼ばれているくらい大変である。応用に走ってしまうと、論文が書きにくくなる。メカニズムの解明に着手しても評価されないからである。一方で、本当に実用化、商業化までつながればよいが、そこまで到達せずに終わってしまう。
このためにどっちつかずになって、谷に落ちてしまうということである。この死の谷Death Valleyという言葉は、日本でだけでなく、世界で使われる言葉である。それくらい、応用志向というものは大変だったりする。
とはいえ、挑戦しないわけにはいかない。
研究費を取ることが目的になってしまうのは、本当に嫌いである。研究費を頂いた以上、研究成果を挙げなければ税金の無駄遣いである。「研究はなかなか進まないものだから」というのは全くその通りなのだけれど、最初から挑戦しないのは正しくない。特に応用を目標に掲げた研究プロジェクトでも、最初から応用展開を諦めているプロジェクトもそれなりにあると思っている。
とにかく、自分たちは本気で微細藻類の応用展開を考えている。難しいのはまちがいないのだけれど、挑戦する。ここだけは曲げてはいけないと思っている。
ということで、負けられない戦いとして、JST-ALCAのヒアリングに挑んだ。
最新のデータは表にはまだ出せないのだけれど、少しずつ、しかし確実に進んでいる。この実用技術化プロジェクトの間にどこまで応用に近づけるかわからないけれど、我々は決して諦めてはいないし、予算獲得そのものが目的化はしていない。
優秀なスタッフ、学生、そしてチームのメンバーとともに、是非とも実用技術化を実現したいと考えている。
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