グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)の酵素活性測定
グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼは、酸化的ペントースリン酸経路の最初の酵素である。代謝の分岐点となる酵素であるとともにNADPHという還元力を生産することから、この経路の鍵酵素として知られている。この酵素の活性を測定することで、酸化的ペントースリン酸経路がどのくらい働いているかの指標にすることできる(もちろん代謝フラックスと一致しているとは限らない)。
準備する溶液
Buffer A (55 mM Tris-HCl, pH8.0, 3.4 mM MgCl2)
20 mM NADP+
100 mM glucose-6-phosphate
細胞培養液(20~50 ml分)から細胞を回収。凍結保存。
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細胞を1 mL BufferA (55 mM Tris-HCl, pH8.0, 3.4 mM MgCl2)に懸濁。氷上で冷やす。
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超音波破砕を行う。当研究室ではSonics社製のVC-750を用いている。10 sec x 6~7回。
※SDS-PAGEの場合よりも、温度に気をつけて破砕する。常に氷上で操作を行う。絶対に溶液が熱くならないようにする
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遠心 15000 rpm x 5 min, 4℃
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上清を新しいマイクロチューブにうつす。
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BCAで細胞抽出液のタンパク質定量を行う。
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90 μg totalタンパク質分の上清を新しいマイクロチューブに入れる。BufferAでTotal 200 μLにする。
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BufferA 600 μL
20 mM NADP+ 50 μL を加える。
反応溶液のTotalは 850 μL。
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25℃のヒートブロックで3 minインキュベート
※温度変化を調べる時は、この部分の温度を適宜変える。
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A340の変化を2 min測定(1分間の変化量をA1とする)
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100 mM glucose-6-phosphate 100 μlを加える
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A340の変化を2 min測定(1分間の変化量をA2とする)
A = A2-A1
1分間に1μmol NADPHを生成する活性を1 unitとする。
unit/mg total protein = A/6.2 x 0.95 / total protein (mg)
6.2: NADPHのミリモル吸光係数, 0.95: 反応溶液のvolume (mL)
※Totalの反応液量は適宜変えてもよい。
G6PDの活性測定は特に注意点もなく、比較的簡単に測定できると思われる。精製タンパク質を用いる場合は、Buffer AとNADP+溶液さえあれば測定できる。生物によって細胞の破砕方法は検討する必要があると思われる。
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