2017年12月13日水曜日

専門分野ってなんだろう?

環境バイオテクノロジー研究室は農学部農芸化学科に所属している。シアノバクテリア(ラン藻)やユーグレナなどの微細藻類を用いて、転写や代謝、光合成の基礎メカニズムの解明やバイオプラスチック原料や色素の生産法の開発を行っている。

農学部であるので、理学部のように生命の仕組みの理解をすすめるという純粋な学問だけでなく、応用志向も含まれている。特に農芸化学科では、食品、微生物、環境、化学など、人のためになるサイエンスが大事である。

私自身は、そもそも大学が特殊で、国際基督教大学の教養学部を卒業している。当時は理学科があり、そこに所属していたので一応は理系なのであるが、教養学部なので文系の授業もいっぱい受けた。専門分野にとらわれず、幅広く学ぶバックグラウンドである。

教養学部とは異なり、さすがに文系の授業は少ないが、農芸化学もかなり幅広い分野を学ばなければならない。化学と生物学が基礎にはなるが、物理学や食品化学、微生物学、環境化学・分析化学などなど、大学から始まる新しい学問が目白押しである。

環境バイオテクノロジー研究室では、名前からして「環境」「バイオ」「テクノロジー」という3つのキーワードが含まれている。

大学院生の時は、「転写制御メカニズム」というこてこての分子生物学分野の研究を行っていた。ただし、その後、代謝や光合成といったキーワードが入るものの、「生物学」がメインであった。

しかし、学位を取った2007年くらいから、「生物工学」すなわち人の役に立つような学問をしたくなってきた。たまたまであるが、光合成生物であるシアノバクテリア(ラン藻)の炭素の流れを変える因子を見つけたので、「これは環境技術に使えるのではないか?」と思い、応用に目を向け始めたのである。

その後は、純粋な生物系の学会だけでなく、生物工学会や日本化学会関連、日本農芸化学会など、生物工学・化学などの境界領域・学際的な分野を扱う学会に参加することが多くなってきた。企業の方々との接点も飛躍的に増えた。

こればかりは好みによるので、何をするべきかは自分次第であるけれど、私としては大学関係者のみでなく、企業や知財関係者など幅広い分野の人と接する方が楽しいので、今の形に落ち着いてきた。
光合成をするシアノバクテリアの炭素代謝を扱っているので、生物学・工学のみならず、環境・生態など様々な分野に生かせると考えている。実際に実用化に到達するにはまだまだ発展させることが必要だし、いろいろなことを勉強しなければいけないので大変ではあるのだが、研究を進めれば進めだけ世界が広がることがわかってきた。

広い分野を扱う場所に所属するととても大変で、1つ勉強すると3つくらいさらに勉強しなければいけないことが増えて途方にくれたりもするけれど、1つ1つ進めていくと多様な人たちとの接点が生まれ、人生を豊かにしてくれると思うので、学生たちにはぜひ焦らずに頑張って進めてほしいと考えているし、自分も頑張って色んなチャレンジをしていかなければいけないと考えている。

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