2019年2月1日金曜日

コミュニティを選んで生きていく。No.2

コミュニティを選んで生きていく。No.2。

卒論の研究室の話。

自分は出身大学は国際基督教大学(ICU)である。ここの教養学部。理系ってあるの?とよく言われるが、教養学部なので自分は、半分理系な感じである。

卒論は4年生から。ただし、ICUはリベラルアーツカレッジであり、ユニバーシティーとは名乗っているが、カレッジ(単科大学)である。

リベラルアーツカレッジは、「ここで4年間がっつり幅広い勉強をして、専門は外の大学院でやってね。」というところである。特に実験系のように、設備が必要なところは大学院から別の場所でどうぞ、というスタイルである(いまは知らないが、大学のパンフレットに書いてあった)。

実験設備があまりなく、また、希望を言ったところ、卒論を先生のつながりの理化学研究所で行うことになった。いわゆる外研である。

今はもう退官されているが、理研の和光本所に大きな研究室があり、かつ横浜にもチームがあるといういわゆるビッグラボだった。

そこに何もわからない4年生が参入する。新鮮ながらもそれはそれは苦しい日々だった。今思い起こすと、全然実験なんてしていないのだけれど・・・。「今日はプラスミドとる!」とかが1日仕事だったり・・・。

さて、ここから大学院に進学するのだけれど、まず最初の選択が来た。「そのまま同じ研究室で進むか、別のところに行くか?」である。大学院に進学すること自体は決めていた。

正直、始めたばかりだし、よくわからないのでそのまま大学院も同じ研究室に行く予定だった。理研なので大学院は別のところに所属して、外研で行くことになっていた。

しかし・・・である。

よくある話だけれど、ビッグラボで研究室としては成果が華々しかったとしても、自分の所属するチーム(小コミュニティ)がそうとは限らない

自分の場合はまさにそんな感じで、研究室の中ではあまりメインではないテーマであり、アウトプットも少なかった。

また、何といってもやばい・・と思ったのは、このままだと「筆頭著者になれないなことだった。

たまたまだけれど、チームが自分を含めたB42人とM1 2人だった。そして、上の人も研究員だったので、筆頭著者で論文を書く。これはパーソナリティの問題だけれど、下の実験データを使って自分が筆頭著者になろうとする人は、たくさんいる。となりの同期が「自分が抗体作ったのに、それを勝手に使って結果を出しているんだけど・・・」と嘆いていた。

しばらくしていくうちにこれらの問題に気づき、「うん、別のところに行こう」と決めて、大学院は違うところに行った。今考えると、本当に良い選択をした。



なので、ビッグラボで華々しい成果があっても、所属するコミュニティによるので、難しい。外からは全然わからないし。

しかし、よく言われることだけれど、筆頭著者の分布を調べるのは大事だと思う。論文がたくさん出ていても、学生の筆頭著者論文があるかどうかを調べたほうがよい。もし学生の筆頭著者論文がない場合には、自分も論文を出せない可能性が高い。それが努力とかの問題ではなく、上記のように研究の構造上の問題だとすると、自分で解決するのはかなり困難である。

正直、こんなことはB4でわかる由もないのだけど、それでも直感を含めて考えて選択していくことが重要であると思う。

No. 3に続く。

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