2019年2月14日木曜日

科研費だけは礼賛?

TLで、研究費のことが盛んに議論されている。

いつみても思うのだけれど、科研費だけは礼賛され続けていて、他の予算については賛否両論である。

科研費は、日本学術振興会の科学研究費の略である。

ボトムアップ型の予算で、採択されれば研究者が自分の好きなテーマで研究をすることができる。他のトップダウン型の予算だと、ある程度テーマの縛りがあるので、完全には自由に研究をすることができない。

なので、もちろん科研費は、研究の多様性を支えるすごく重要な予算であることは、言うまでもない。

しかし、いろんな弊害もある。

例えば、大型の科研費を除いては、中間評価などはとてもゆるい。不正でもしない限り、打ち切ることになることはない。

これによって、研究者が方向修正をしながら自由にできるというメリットもある。

一方で、予算を獲得するところがピークになって、予算を獲得したらその研究はもうやらないという問題もある。

実際、科研費のデータベースで採択されたものを見てみると、「あれ、だいぶ専門が違いそうだけれど、そんな研究を本当にやるつもりなのか?」と首を傾げたくなるものもある。その後、やっぱりやらなかったんだろうなあというものもある。

挑戦してうまくいかないものは仕方ないとは思うけれど、挑戦もしていないのではないかと思われるものもある。

また、科研費はボトムアップ型なので、大型ではない限り、人件費に使うのは厳しい。なので、他の予算が削られて、科研費ばかりが増えてしまうと、外部資金で雇用されている人が減ってしまう可能性もある。

ケースバイケースなので、もちろん、科研費を増やすことで雇用が増える場合もあるが、盲目的な科研費礼賛はやや危険だと思っている。

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