コミュニティを選んで生きていく。No. 10である。間違えて先にNo. 9を配信してしまったが、気にせず進めよう・・。
さて、さきがけ研究者になった2011年。この年は政権交代に加え、3月には東日本大震災。それによる原発事故があり、本当に大変な年だった。
さらにこの年には二人目の子供が生まれたので、家庭の忙しさもピークを迎える。誇張表現ではなく、体がぼろぼろになるくらい忙しかった。
JSTさきがけは、研究費の中でも一風変わった予算である。このさきがけは、ただ研究を推進するだけでなく、若手研究者を育成するという明確な目的がある。そのため、合宿形式の研究発表会を年2回行うのである。
研究総括は、農工大前学長である松永先生。他にも分野のトップのアドバイザーの方々が名を連ねている。
http://www.jst.go.jp/presto/bioenergy/info/adviser.html
自分はシアノバクテリアの分子生物学分野だったので、このさきがけに参加して、初めて化学・工学分野にも微細藻類の研究者がたくさんいることを知った。いや、むしろ規模は大きかった。。
小さいコミュニティで研究していたのでと、そんなことも知らなかったのである・・・。現在ではこの領域のおかげで交流があるが、それまでは分子生物学系と化学・工学系ではあまり交流がなかったように思える。
このさきがけに参加して、「ああ、世界はこんなにも広いのか・・」と感じるとともに、領域名にはバイオエネルギーとついているように、応用志向の研究領域である。自分にぴったりで非常に嬉しかった。
また、同じく採択されたさきがけ研究者の方々も、当然優秀。こういう方々と年2回合宿をする。いやでも成長させてもらえるのがさきがけの素晴らしさだと思う。
こうして、総括、アドバイザー、さきがけ研究者の方々と接していくうちに、分子生物学メインから生物工学メインへとシフトしていくことに決定する。
自分のもといたコミュニティの研究会にはあまりいかなくなってしまったが、別に困ることはない。
「コミュニティから抜け出すと、将来自分は一人で誰からも助けてもらえないのではないか」と不安に感じるかもしれないが、自分に合わないコミュニティにいる方が、未来が暗くなっていくと思う。
なので、なんとなく同じコミュニティにいるけれど、なんか合わないなと感じたら、遠慮なく出ることをお勧めする。もちろんケースバイケースなので、絶対にその方が良いとは言えないが。。
ともかく、さきがけ研究のおかげで、新しい分野の方々と密な関係を築くことができた。
No. 11に続く。
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