2019年2月4日月曜日

コミュニティを選んで生きていく。No.5

コミュニティを選んで生きていく。No.5。理化学研究所に移ってからの話。2つ目のポスドク先。移ったのは2010年のことである。

そう・・・こうして振り返って考えてみると、ここからの人との出会いは良い意味ですごかった。天の配剤とでも言いたいくらい、なんというか・・・用意されていたのではないかと思うくらい、素晴らしい出会いの連続だった。

ともあれ、理化学研究所の旧植物科学研究センター(現在は環境科学研究センターに改組)の平井先生の研究室に移った。当時の名前は、代謝システム解析チーム。今は代謝システム研究チームになっている。文字通り、植物の代謝の研究室である。

さて、書くことはいっぱいあるが、まずはPIの平井先生について。

すごくやさしい・・・・。人間的な魅力がある・・・。

いや、もうポスドク2年目でもあるし、自分で研究も進められるようにはなってきた。ちょうどこの前の年、2009年にPNASに論文が通ったが、これが自分で投稿作業からリバイスのやりとりまですべて個人でやった初めての論文である。次の2011年には1つ目のポスドクの研究がJBCに通り、こちらも自分で投稿・リバイス作業をしていた。2つとも筆頭兼責任著者である。

ということで、研究には少し自信がついてきた時期でもあり、大事なのは研究環境だった。

研究環境とは、もちろん研究設備や予算が大事であることはいうまでもないが、やはり上司も大事である。一言で言うと、「この人のために成果を出したい!」と思うようなところで働きたかった。

それまでもすごく自由に研究をさせてもらっていたのだけれど、大学院時代はちょうど予算の関係で、シアノバクテリアではなくシゾンという紅藻のプロジェクトにボスが注力しなければならなかった。

また、1つ目のポスドク先では、やはり外からきた独自テーマの人だったので、好きに研究をするものの、まあ、ぽつんと一人でやっているイメージが強かった。立ち位置を確保することはとても難しい。

人間のモチベーションというのはいろいろあり、「自分がこのコミュニティの中心にはならない・・」と思うと、人は離れていくものではないかと思う

中心というは、別に偉くなることだけを指してはいない。偉くならなくても、ボスが興味があるかどうかがとても重要だと思う。

実際、自分が研究室を運営していても、中心となっているようなスタッフは長く働いているし、そうでないと離れて行くような気がする。

また、上で述べたように、平井先生はすごくチャーミングでかわいいので(PIに対して言うセリフだろうか?笑)、それだけでも「よし、この人のために頑張ろう!」という気にさせてくれる。人間のモチベーションなんてそんなものである。。

研究テーマなどについての流れは次回以降にするとして、まずは「この人と一緒に働くといい感じかも!」と思える人のところで働くことが大事であり、この時はその直感が当たったケースであると言える。

No.6に続く。

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