コミュニティを選んで生きていく。No.12である。いったいいつまでこれ続けるのか・・・・後に引けなくなってきた・・
2011年4月から始まったさきがけ専任研究者としての研究。藻類バイオエネルギー領域。場所は同じく理化学研究所だった。政権交代に東日本大震災と激動の中、研究を続けていた。子育ての忙しさもいよいよピークを迎えた時であった。。
さきがけでは、年2回の研究合宿がある。研究の進捗を問われる。これがとても大変であり、これがあるからものすごく成長することができる。
研究総括は、前農工大の学長である松永先生。生物工学の分野でトップに立つお方である。。アドバイザーの先生方も当然その分野の著名人ばかり。ここにさきがけ研究者が最終的には28人。このメンバーで泊まり込みの研究合宿を行って、熱い議論をかわすのである。
このさきがけ合宿は、かなり本気モードで研究のディスカッションをする。さきがけに採択されたからには、成果を出さなければ世間の目も厳しい。
厳しい言葉を投げかけられる訳ではないのだけれど、「成果を出すんだよね!?」という目に見えないすさまじいプレッシャーを受ける。
あ、いま自分が自分の研究室でやっていることかもしれない笑。
それはともかく、さきがけに選ばれるような方々に混じって、泊まり込みで何度も研究合宿をするのである。成長しないはずがない。
正直、こういう合宿を味わってしまうと、普通の学会に行くのが味気なくなってしまった。このころから、学会には招待とか発表依頼とかをされないとあまり行かないようになってしまった。
このころから、シアノバクテリアの分子生物学コミュニティから微細藻類の生物工学コミュニティに軸足を移すようになってきた。物質生産をやっていたら忌み嫌われていたところからぴったりのコミュニティを見つけ、水を得た魚のような気分だった。
このさきがけ領域で知り合った方々との縁は、今に至る研究の流れを作ってくれた。
人の縁というのは本当に不思議なもので、科学者だけれど、なんか科学を超えたものを感じる時がある。
2011年4月からさきがけがスタートしたが、なんと、その年には偶然研究総括のご息女の結婚式に参加してしまうということがあった。
新郎の方が、大学院時代の仲良しで、同じ研究室でもないし、同じ学年でもないのになぜか馬が合って結婚式に呼ぶレベルであった(自分にとってはすごく珍しい)。
新郎の結婚式に友人として参加していたら、研究総括が正装でいらして、「なぜ?!」と思ったら、なんと新婦側のお父さんだった・・・。
その後、研究総括と会うたびに話すびっくりな話であった。
本当に人の縁というのは不思議で、このさきがけ研究以降、人にはすごく恵まれている。さきがけで初めて雇用したIさんは、理研ではテクニカルスタッフで、今は明治大学のポスドクである。また、さきがけで一緒に採択された神戸大学蓮沼先生とは、現在JST-ALCAのプロジェクトを一緒に進めている。
こうして素晴らしい出会いにたくさん恵まれて、その後2015年に明治大学で研究室を持つことができた。振り返ると、感謝ばかりである。。
最終回のNo. 13に続く。
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