卒論、修論のよくある直し No. 3は序論について
序論は、英語ではイントロダクション(Introduction)。結果を説明する前に必要な知識をすべて説明しなければならない。
例えばいきなり、「シアノバクテリアのグルタミン合成酵素の生化学解析を行いました」と書かれても、「シアノバクテリアってどんな生物?」「シアノバクテリアの中のどの属・種?」「グルタミン合成酵素って何?」となってしまう。
なので、これらをすべて適切に説明しなければならない。
このような説明には過去の知見を使うだから、当然引用が必須になる。そして、引用はすべて文末につける。巻末にまとめて引用をつけるスタイル、科学論文ではほとんど認められていない。
そして、大事なことだけれど、
過去の研究成果は、現在形で書く。
例えば、シアノバクテリアはサーカディアンリズムを有することが知られている(引用文献)
とする。過去の研究成果はすでに認められた知見になるため、このような形になるらしい。
次に、大事なことは、知識を説明するのに合わせて、「なぜ自分はその研究を行ったのか?」につながっているかどうかである。
上の例で言えば、「なぜシアノバクテリアなのか?」「なぜその種なのか?」「なぜ他の酵素ではなく、その酵素なのか?」をどれくらい読者に納得性もらえるかが勝負になる。
「まあ、別の生き物でもいいよね」「他の酵素でもいいんじゃない?」と思われたら、もうひと頑張りを考えなければならない。
そしてよくあるのが、「・・・しかし、これまで解析されたことがない。そこで、今回・・・」と、「これまで解析されたことがない」「これまでに研究例がない」くらいで終わってしまう序論である。
これまでに研究されていないものなんて、無数にある。それだけだと説得力に欠ける。実際には、自分でもついこういう序論を書いてしまうのだけれど・・・。
なので、序論では必要な知識を伝えつつ、いかに「この研究をやるしかないでしょ!」と読者に思わせるかがポイントとなる。
書いてはみたものの、これは学生だけではなく、すべての研究者が悩みながら書いているところかもしれない。自分もかけているかどうか・・・。
いずれにせよ、文末に必ず引用をつけて必要な知識を伝えつつ、いかに自分の研究対象が大事かをアピール出来ているかが勝負になる。
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