お正月休みも終わり、久しぶりに研究の話を。
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主宰している環境バイオテクノロジー研究室は、農学部農芸化学科に所属している。主にはシアノバクテリア、ユーグレナ、紅藻などの微細藻類を研究している(最近は、もう少し対象が広がっているが)。
もともと自分は分子生物学の出身であり、学生の頃は、DNAの組換えメカニズム、転写制御メカニズムの解明が専門だった。まさに生物学の基礎研究である。
しかし、ポスドクが3年くらい過ぎたあたりから、分子生物学一辺倒であることに少し疑問を感じ始めた。たまたま炭素代謝の制御因子を見つけたことから、この因子を使った代謝制御、物質生産に移っていった。光合成生物を使っていたので、二酸化炭素と光エネルギーを用いた物質生産に入っていくことになる。
だいたい2010年くらいのことなので、まだ10年も経っていない。
農学部にも所属しているし、研究室にもテクノロジーという名前が付いている。なので、研究室としては、基礎研究と応用研究を両方推進している。基礎と応用の間(はざま)に位置している。
自分としてはこのポジションはとても気に入っている。応用研究を推進すると、企業や知財関連の方々など、今までとは別分野の人々と話す機会が格段に増えた。新しい視点を学べることは、役に立つというだけでなく、純粋に楽しいことである。
また、日本にはなぜか応用研究を忌み嫌う大学研究者もいる。自分が所属していた分野では応用研究を嫌う人が多かったので、自分には逆にチャンスに見えた。やりたかったから進めただけではあるのだけれど、自分がポジションを取れた最大の理由は、大勢の研究者がいるところではなく、かつ社会の需要とマッチした分野に進んだことであると思う。いまでも良い判断だったと思っている。
現在は、バイオプラスチックやアミノ酸、色素の生産技術の開発を行っている。応用には遠いとはいえ、特許もだいぶ進んでおり、不可能な話ではなくなってきている。
明治大学に着任以降、いろんな試行錯誤を繰り返してきたが、かなり方向性が明確になってきた。2019年は論文も特許も両方を進め、これまで以上に基礎と応用の両面で発展させていきたいと考えている。
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