ポスドク問題の解決法ってあるのか?No. 4。
任期制の研究者について、若手研究者でも実践できそうな解決策を。
その2 公的研究費以外を獲得する。
国の予算配分が変わればよいのだが、それはだいぶ上の方々の話。自分たちだと科研費やJST予算を獲得して研究を進めることになる。
しかし、誰かが予算を獲得せれば、誰かは獲得できなくなる。公的研究費を獲得しあっても、根本的な解決策ではないような気がする。
なので、全体の枠を増やすために公的な研究費(国や地方公共団体、独立行政法人からの研究費)以外を獲得するのが大事だと思う。
今はやりのクラウドファンディングも一般の方々から予算を集めるという意味ではこの方向だと思う。
あとは何と言っても企業からの予算だろうか。自分の場合も企業の研究費をいただいているので、ある意味では全体の予算を増やすことになっている。
もちろんだけれど、企業とコラボすると、テーマは限定される。好き勝手というのは不可能である。
でも、これは研究者側に言いたいのだけれど、別に科研費やJST予算で雇用されたとしても好き勝手に研究ができるわけではない。柔軟な修正が認められるというくらいである。
そもそも、「役に立たなくても興味があるからやりたい!」「世の中には面白いことがたくさんある!」というマインドで基礎研究をやっているのに、「自分のこれまでのテーマしかやりたくない」というのは少し矛盾しているのではないかと思っている。
自分はシアノバクテリアの転写がスタートだけれど、そのあと代謝研究に入ったし、次はシロイヌナズナだった。いつの間にか微細藻類に戻ったけれど、代謝工学で物質生産に変わってきている。そのほかにも最近は純粋な酵素の生化学から培養法の開発、企業のとの共同研究までいろいろやっている。
つながりは大事にしているけれど、いろいろ楽しめるのが基礎研究者ではないかと思っている。
実はポスドク問題でネックと感じているのが、「自分のこれまでのテーマをやらせてほしい」、「自分のこれまでの技術を生かしたい」という固い考えである。
これまでのテーマに固執するあまり、企業予算だけでなく外部資金のテーマともあまり合わずに任期が続かない。これが結構多いように思える。
さらに付け加えると、その方法で生き残ってきた人たちが声高に「興味本位でやってきたらポジションを得た!」と言うので、それを真に受けてしまうことも多い。いや、一部の本当にすごい人たちはそれでやってきたと思うが、ほかの人たちはもう少し柔軟だと思う。
ということで、解決法その2としては、企業などから予算を獲得すること、そして、そのためには研究テーマの柔軟性を、研究者側も持って欲しいということだろうか。世の中には面白いことがたくさんあると思うのだけれど・・・。
加えて言うと、企業の人たちが金のことばかり言っているかというと、それは完全に間違い。これは強く言いたい。
企業の人たちも結構基礎メカニズムとか興味があって、自社で進めていたりする。基礎でいうとソニーの研究所なんてとても有名だけれど、他にも「趣味じゃないのか?」みたいな研究をしているところって、それなりにある気がする(企業なのでなかなか情報は表にはでないけれど)。アプトプットとして表に出せるかは企業によるのでなんとも言えないが。
しかし、企業=利益だけ考えるというのは、すごく狭い視野だと思う。
なので、企業の人たちと知り合いになってみると、意外に基礎研究を一緒にできるかもしれない。
No. 5に続く。
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