2018年6月15日金曜日

勉強しないと会話できないのが研究室

新学術領域の会議に参加したが、当該分野は光合成である。光合成研究というものは、実はものすごく難しい。

前に理化学研究所の環境資源科学研究センターが、こちらは少し前まで植物科学研究センターと呼ばれていた。その名の通り、植物科学の研究拠点である。

植物科学なのだから当然光合成の研究も盛ん・・・と思ったら、実は大間違いなのである。

もちろん光合成の研究者もいるのだけれど、光合成というのはかなり物理、しかも量子化学のような話から、果ては生態学までおそろしく研究分野が広い。1つの機関でこれをすべてカバーすることは不可能である。

旧植物科学研究センターではあったが、グループディレクター(一番偉い人たち)のなかで、純粋な光合成研究者は一人もいなかった。

会議に参加したが、かなりコアな光化学反応のところはだいぶ難しくて理解できなかった・・・当然発言できるはずもなく。

これは光合成の話であるが、どこの研究室でも、勉強しないと会話できない

全然勉強しないと、教えてもらう一方で、話を聞いてもわからないし、当然自分のアイデアを述べることはできない。

論文を1つ読むと、はじめて少し会話ができるようになる。これが研究室である。

なので、たくさんコミュニケーションをするにはたくさん勉強をしなければならない。これは昔からの鉄則である。

ちなみに勉強をしないとどうなるかというと、研究室で人生観や恋愛観なんかだけを話して帰ることになる。

人間というものはプライドがあるので、「不勉強だから自分は劣っている」なんて考えない。「お勉強ばかりの人たちと違い、自分は人生哲学を学んでいる」と、自分が勝っているという解釈を、むりやりつけるのである。

しかし、実際にはどこかで聞いたことのあるような考えを話していることが多く、要するに研究の会話に参加できないだけの場合が多い。自分が大学生のころから研究室で見られるよくある光景である。

ということで、研究室で会話をするには、当該分野の勉強が必須である。勉強をおろそかにすると、とたんに人とディスカッションができなくなってしまうのは、自分の大学院生時代を振り返ってもよく覚えているし、今現在も同様である。

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