2019年5月3日金曜日

続・プレスリリース原稿とマウンティング

昨日のブログにて、プレスリリースをたくさん書く話をした。

プレスリリースや学会で論文発表をして、たまに出会うのが「論文自慢だ!」的なリアクションである。

研究内容や科学的な話よりも、発表したジャーナルのインパクトファクターなどが気になってしまう人も少なからずいる。自分もたったいま、インパクトファクターを記入しなければいけない書類を書いているし笑、研究費や研究ポジションの獲得競争を繰り広げているので致し方ないところではある。

それだけではなく、単なるライバル心もあると思う。

さらにそれ以上に、周りが論文を出してしまうと相対的に自分が落ちこぼれてしまう、仕事をしていないのではないか?と不安になってしまうことがある。

これらの理由から、論文発表を見かけると、なんとかケチをつけようとしてくる人も世の中にはいる。

いうまでもないことだが、そういう人たちとは接しないことをお勧めする。そして、そういう人たちのために自分の方針を変えてしまうことは、自分にとって非常にマイナスになることは間違いない。

昨日の記事でも書いたが、プレスリリースを書くにはそれなりに理由がある。教育面でも研究面でも重要である。ここから少なくない共同研究が始まっている。

また、公的な研究費を使った場合には、できる限り広く一般にその成果を公表することも求められている。なので、日本語にして研究成果を伝えることは、ある意味義務ですらある。

しかし、公表すると上のようなネガティブなリアクションにさらされることがあり、実は最近の学生は自衛のためか、研究成果の公開を控えめにしようとする傾向がある。

昔だったら陰口を言われても気づかなかったが、今はSNSなどでそういったものが本人たちに届いてしまいやすいからかもしれない。賢い学生ほど、変な控えめさがある。自衛手段を身につけてしまったのかもしれない。

しかし、昨日のブログでも書いた通り、日本語の文章化はとても大事だし、その研究成果を他の誰かは全く違う解釈や利用法をしてくれるかもしれない。そのチャンスを「嫌われるかもしれない」で逃すには、あまりにもおしい。

前にも連載で書いたが、マウンティングをしてくるような人とは疎遠になった方が、人生を楽しく過ごすことができる。
最終回:コミュニティを選んで生きていく

ということで、うちの研究室ではある程度の論文だったらどんどんプレスリリースしている。さすがに速報誌、短報、インパクトファクターが1、2の時にはしていないけれど。

これからもどんどん日本語記事を配信して、世界を広げていきたいと思っている。

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