2019年10月14日月曜日

アイデアを思いついたPIがやらなければならないこと。やってはいけないこと。

昨日は台風もあったし、日曜日だったので完全にオフ。家の用事以外は、ひたすらアニメとゲームと音楽という退廃的な時間を過ごしていた(軽くジョギングはしたが)。

全然研究のことを考えていなかったのだけれど、ふとそれなりによいと思われるアイデアが降ってきてしまった。なので、関係各位にメール。関係する学生、ポスドク、テクスタに、忘れないうちにメールをしておいた。


さて、こうしてアイデアを思いついてみんなに伝えることはしばしばある。しかし、PIとして、やらなければいけないことがある。

それは何かといえば、
そのアイデアをすぐに実行に移さなくてよいと伝えることである。

理由はとても簡単で、研究の邪魔をするからである笑。。

いや、なんでよいアイデアが仕事の邪魔をするのかと思うかもしれないが、例え素晴らしいアイデアであっても研究は「完成」しなければそれは研究をしたとは呼べないからである。

完成とは何かというと、それは論文や特許として形にすることである実験系の場合は、様々なコントロール実験(対照実験)を行い、再現性も確認し、いろんな角度からの検証を経る必要がある。これらの実験をこなして、やっと1つの結論になる。

このプロセスだけで少なくとも数ヶ月、基本的には年単位の時間がかかるからである。さらに自分たちで納得しても、それを論文や特許にして、外部の審査をくぐり抜けてやっと研究として認められるのである。

研究室のメンバーは毎日このプロセスを進めている。PIの思いつきのアイデアが、現在進めている1つの結論を補強するのならばそれは助けになる。しかし、アイデアによっては、別のテーマを提案することになってしまう。思いつきでいう場合、別テーマの提案になってしまうことも少なくない。一昔前に流行った本で「上司は思いつきでものを言う」というものがあったと思うが、どこの世界でも同じである。

ということで、進めてしまうと別テーマになってしまう危険性があるのだけれど、一方でPIが言っているので、やらなくてはいけないのではないかと思ってしまう。

こうして、どんどんテーマが増えてしまうことがある。テーマを3つも4つも進めているのは一見すごいことのように思えるが、もし時間切れ、労力切れで、形にならなければ、それは研究計画がよろしくなかったと言わざるを得ない(形になるならばすごいけれど)。

ということで、昨日はメールにも「すぐにやらなくていいです」という内容を、文章のはじめと終わりには書いておいた。

しかし、それでもやらなければいけないかと思ってしまう可能性もあるので、こうしてブログにもしたためておくのである。ブログの活用法の1つである。。

常にアイデアは供給していきたいのだけれど、同時に1つずつ形にするようには伝えていかなければならない。なので、アイデアを思いついたとは、

アイデアを思いついたのだけれど、現在の計画に組み込めるか考えてみてもらえるだろうか?組み込めなければ後回しでOK

という意味だと思って欲しい。これが、自分がアイデアを伝えるときに言いたいことであり、PIとしてやらなければならないことであると思っている。これをしつこいくらい伝えていかなければ、研究計画の破綻を引き起こしてしまう。

よいアイデアを思いつくとどうしてもハイになってみんなに伝えたくなってしまうのだけれど(実際、昨日は日曜日だったし・・)、計画の邪魔にならないようにはしなければならない。

また、よいアイデアを思いつくということは、実はそれほど難しくない(もちろん、程度による)。それを完成させることの方が遥かに難しいと感じている。

ということで、今日のブログは、何よりも自分のために書いた文章である。PIになったのだけれど、いや、PIになったからこそ、自分がメンバーの仕事の邪魔をしている可能性について、常に頭の中で検討している。

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