2019年8月20日火曜日

【オープンキャンパスの続き】進路に迷ったら、全ての夢が叶った時のことを考える

8月初めにオープンキャンパスが行われた。高校生はこの時期自分の進路に大いに悩むことだと思う。



高校生に限らず、大学生、また社会人になっても進路に迷うことがあるかもしれない。

オープンキャンパスでも直接進路についての相談を受けた。それぞれの進路なので、どうした方が良いかは一概には言えない。向き不向きを一目で判断することは不可能なので。

とはいえ、少しは多くの人に使える進路の決定法をお伝えしようと思う(すごく偉そうだが。。)。

それは何かというと、
自分の希望する進路で、全ての夢が叶った時のことを考えてみる
ことである。要するに全て思い通りになった時のことを考えるということである。楽しい妄想をすることに近い。

例えば、
自分の希望の学部に入学が決まる

希望のゼミ、研究室に配属される

ゼミで活躍し、ゼミ長に選ばれる。研究室で素晴らしい発見をして、論文発表や特許取得、表彰される

希望の会社に入り、希望の部署に配属される。

希望の仕事内容になり、大ヒット商品を開発する、取引で大成功する・・・

などである。
そして、上記のように、
全てがうまく行った時に、果たしてその仕事を20年、30年と続けたいと思うか
を考えるとよい。

すなわち、最もうまくいった時に、何が得られるかを考えるということである。要するに報酬の上限を考えてみるということである。

本学科だと、食品に興味のある学生も多い。
例えば、お菓子の開発メーカーに入り、ラムネの商品開発部に配属され、開発した商品が大ヒットし・・などと考える。


そうすると、何が得られるかと言えば、当然希望の仕事内容を継続する権利を得る可能性が高まる。また、出世して給与も社内の他の人より高くなるかもしれない。誰もが知っている商品を開発すれば、家族も喜び、きっと素晴らしい気分に違いない。

一方で、出世をすれば仕事が忙しくなるかもしれない。また、菓子の商品開発に着手すれば、当たり前だが、例えば病気の人を救ったり、地球環境への直接的な貢献するという仕事からはやや遠くなってしまうかもしれない。もっともうまくいった時のことを考えるので、何か貢献できる可能性を想定してもよいが、限界は考えておかなければならない。進路の選択では、何かを選べば、何かを捨てなければならないことは間違いない。


このように、全てがうまくいった時に自分はそれで満足できるかを考え、満足できないならばその進路は自分には合っていないと考える方法である。

繰り返しになるが、全てがうまくいって最高の結果を得たのに、それでもその仕事を続けても満足できないそうならば、その進路は止めた方がよいということである。

自分の場合も、例えば金融関係などにも興味があったが、例え金融関係で全てがうまくいって大きなインセンティブを得たとしても、やはり環境や医療、すなわち地球や人を直接的に救う可能性のある仕事がしたかった。投資などでももちろん貢献できると思うが、自分のアイデアで直接的に技術を開発したいという願望を優先した結果である。

進路選択なので、どれが偉いとか、どれが正しいとかいう話ではなく、あくまで自分の好みに合うかどうかを判別する方法である。

ちなみに、この全てがうまくいった時のことを考えるという方法は、研究のシミュレーション・試算などでも使う手法である。ビジネス計画でもそうかもしれない。

シミュレーションなどを行って結果を発表すると、「その仮定は間違いではないか?」「そんな甘いことは起こらない」などと批判されることがあるが、(第一段階としては)これらの批判は間違いである。

まずもっとも甘い仮定をして、全てがうまくいった時のことを考える。それでも満足できる結果が得られないならば、その計画そのものを止めるのである。すなわち計画をスタートさせるかどうかに使うのである。

ということで、とても長文になったけれど、進路に迷った時の1つの方法として、全ての夢が叶った時のことを考えるというものがある。全ての夢が叶ったのに満足できなければ、それは合わない道であり、その方向性を除外してみる。

偉そうに言っているが、自分が高校生の時にはそんなに深く考えなかった。。学生たちと接していると自分よりもしっかり考えている人が多く、最近になって気づいたこんな進路の選択方法もあるということをお伝えできれば幸いである。

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