2018年2月20日火曜日

【連載】PIのつぶやき No.1 〜研究室にどのくらいいるべきか?〜

明治大学農学部農芸化学科で環境バイオテクノロジー研究室が発足して、もうすぐ丸3年が経とうとしている。

前職は理化学研究所の研究員で、チームに所属していた。さきがけやALCAの予算を獲得していたこともあり、半独立のような形で研究を進めることを許してもらっていた(もちろんチーム所属であったことに変わりはない)。この経験があったため、明治大学で研究室を持つと決まった時に、速やかに研究室を立ち上げることができた。

いろんなことがありつつも、大きな事故もなく、みんな頑張って研究を進めていて、成果もいっぱい挙がっている。とても素晴らしいことである。

しかし、上を目指すことに終わりはない。もっともっと良い研究室にするべきである。また、まだPI(研究室の主催者)になって3年なので、自分自身もどんどん成長して研究室に良いシステムを作って行かなければならない。

ということで、PIの考えていること(頭の中)を書いていこうと思う。タイトルは「PIのつぶやき」にしてみる。

No. 1は、PIは研究室にどのくらいいるべきか?である。

いうまでもなく、月曜日から金曜日まで、そして基本的にはイベント(出張、学会、家庭)がなければ土曜日も顔を出す。でも、何かしら入ることが多いので、平均すると土曜日は2日に1回の出勤になるのかもしれない。

私の勤務時間は、1限の講義や夜の会議がない場合は、9時〜17時 or 17時30分である。

当たり前なのだけれど、この時間の多くは研究室に滞在する。いなくなるのは講義や実習、会議などである。また、学外での業務もたくさんあるので、いないことも多い。

ただし、仕事をしている時間はどれくらいかというと、だいたい朝の4時半に起きて、朝ごはんや身支度をしながらパソコン(PC)で仕事をしている(この時間がもっとも集中できたりする)。

その後、帰宅して夕食を食べた後も、なんだかんだでPCで仕事をしていたりする。最近はスマホでもそれなりに仕事をしていて、研究室でもPCとスマホを同時にぽちぽちいじっていたりする(時代も変わるものである)。

PIになって以来、単発の実験しかできなくなってしまったので、このようにPCやスマホでの仕事というデスクワークがメインになっている(実験できなくなると、結構寂しいものである)。

すなわち、PIの仕事は研究室にいなくても成り立つ割合が高いと言える。

言うまでもなく、直接話をすることが重要である場面はたくさんあるので、基本的に上記のように出勤するのは当然である。

ただ、うちの研究室もそうだけれど、日本の研究室は一般的に狭い。また、私の場合は教員の部屋がないので、同じ部屋に滞在することになる。これはキャラクターによるのだけれど、先生がいても全く気にしない人もいれば、やはり力が入ってしまう人もいる。

「上がいるからいにくい」、「上に意見を言えない」では、どこの会社でもやっていけないので、研究室で慣れて鍛えるべきではあるし、そもそも研究室は遊び場ではないのだけれど、やはりたまには気楽な空間を提供しなければと思っている。

最近は学生がかなり自立的に研究を進めているので、近くの別の場所にでもいて、必要な時に行けるようにするシステムでもいいのかなと思っている(多くても週1回の話である。いや、実際には月1、2回が関の山な気もする)。

昔、某国立大学の教授は、大学の門の前のマンションの一室を借りて、オフィスにしていたらしい。研究室まで歩いて1、2分である。どこもスペース問題で悩んでいるし、先生が適度な距離を保っているので、おそらく研究室のメンバーにはありがたいことだろう(マンションの費用の出処はわからないけれど)。

それと同時に、どんな仕事でも、かつデスクワークならばなおさらだけれど、ずっと集中していることは不可能である。私の勤務時間は上記の通りだが、これを増やして7時に出勤して21時くらいまで働いても、絶対に効率は上がらない。

これは学生にもしばしば伝えているのだけれど、「飽きたら場所を変えた方がよい」と言っている。気合をいれて1日12時間くらい頑張れ!なんて言っても続くはずがない。そういう精神論ではなく、飽きないように、無理なく集中が続くようなスタイルを考え出すのも研究室で学ぶことの一つであると考えている。

ということで、PIのつぶやき連載のNo. 1はPI/先生はどのくらい研究室にいるべきか?ということであった。たまには違う場所で仕事をしようかなと思う今日この頃である。暖かくなってきたら、多摩川のほとりでもよいかもしれない(Wi-Fiないし、一人で土手でPCいじっていたら、なにやってるんだって?感じだけれど笑)

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