2023年11月5日日曜日

基礎研究と特許

少し前に、特許についての話題が盛り上がっていた。



アカデミアの場合、研究をして結果が出れば論文として公表する。アカデミアはお金を儲けるのが第一ではないため、得られた成果は公知にして、世界中に役立ててもらうというのが基本である。


とはいえ、基礎研究を行うにはお金がかかる。基礎研究ばかり行なって、お金につながらなければ国が貧しくなるのではないかという考え方は、昔からある。基礎研究は外国のものに頼り、応用研究だけやるという基礎研究へのただ乗りは、その昔日本が批判されていたものでもある。


得られた研究成果をお金に変えるための手段の一つが、特許である。広く言えば、知的財産権である。


論文に公表する前に特許出願すれば、のちのちライセンス契約などにつながって収益化することがある。


しかし、特許出願するにはお金がかかるし、外国出願や特許登録はさらにお金も時間もかかる。得られた成果の特許を取るかどうかは、各研究者や研究機関のスタイルが出るところである。


自分も特許はいっぱい出願・登録してきた。

https://researchmap.jp/7000016477/industrial_property_rights


まだ開示になっていないものもある。思えばいっぱい出したものである。


で、お金ががっぽり儲かったかというと・・・・・


全然である。これだけ出しても、なかなか直接的な収益にはならない。それどころか、お金がかかる。現在、一部の特許を大学からシアノロジー社にうつしたけれど、自分で費用を支払うので、なかなか大変である。権利保持をやめたものもある。


お金と時間がいくらでもあれば、全部特許出願・登録して、権利を保持したいところだけれど、残念ながらそれはできない。繰り返すけれど、どれを知財として保有するかは、それぞれの戦略となっている。


SNSで取るべき取らないべきとかの議論があったけれど、そんな単純なものではないことは間違いない。ただ、T先生がおっしゃっていた通り、研究者もちゃんと勉強するべきだとは思う。勉強といっても資格を取るのではなく、1つくらいは出願して体験するので良いと思う。


去年はうちの学部4年生コンビが特許出願をして、本人たちも勉強になったと非常に喜んでいた。論文だけが成果発表ではないので、特許を知ることはとても大事だと思っている。




特許の費用大変・・

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