ブログを定期的に読んでいる方は気づいているかもしれないけれど・・
研究の話が全然出てこないブログである。。
いや、研究の話は正確性が求められる。なので、軽々には書けず、そして日々の忙しさで後回しにしているのである。
なのでたまには頑張って研究のお話。
伊東助教の新しい論文が、Plant Physiologyに掲載された。
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2023/mkmht000000qt6pb.html
ということで、詳しい内容は上記に任せるとして、簡単に言えば、NADPという化合物を作る酵素のお話である。
NADPは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸という物質である。補酵素と呼ばれ、これにHがついた還元型のニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)は、細胞内の様々な物質を作るためのエネルギー(還元力)として使われる。
また、光合成の電子伝達は、光を使う明反応と二酸化炭素を取り込む暗反応に分かれるが、前者の明反応の最後は、NADP(NADP+)をNADPHにするという反応である。
要するに、光合成生物は光を使ってNADPHを作れるという生き物であり、NADPという物質は生物のものづくりにかかせない化合物と言える。
こうした大事な化合物を作る酵素はもちろん知られている。しかし、その酵素が必ずしも一番大事とは限らない。
どういう意味かというと、細胞内のものづくりは酵素反応の連続であり、必ずしも最後の作る酵素がそのものづくりの「効率」を決めているわけではない。
生き物は素晴らしく作り上げられているが、それでも進化の途中でできてきた酵素を組み合わせて作り上げられている。良い酵素もあれば、悪い酵素もある。途中に悪い酵素があれば、そこがものづくりの制限要因(律速という)となるのである。
ということで、今回は、ラン藻(シアノバクテリア)のNADPという物質を作るための律速が、最後の部分の酵素ではなく、途中のアスパラギン酸オキシダーゼという酵素であったということを示した論文である。
ということで、珍しく研究を紹介・・・・かなりざっくり紹介したのだけれど、やっぱり研究紹介はエネルギーを使う。
本来は研究を紹介するブログであるべきだが・・・
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