2023年10月27日金曜日

研究者が経営をすることは可能か?

起業をする過程で散々言われてきたこと。


「経営は研究者ではなく、プロに任せた方がいい」


という言葉である。


会社を作るとなったら、これまで誰かがやってくれていたことを自分ですべてやらなければならない。経理や労務など、研究者が縁遠いようなことも全て仕事として振ってくる。


こうした過程で、チームを作りながらメンバーを増やしていくことが必須である。しかし、メンバーを増やせば当然お金がどんどんかかっていく。どこまで増やすかが、それぞれの会社の特色となる。


まず結論から言うと、

「研究者が経営して、うまくいく場合もあれば、いかない場合もある」

という当たり前のものである。


自分で経営してしまえば決断は早くなるし、研究というものの速度も知っている。また、会社の研究がわからない人への説明という二度手間も減る。


一方、すべての仕事を自分でやらなければならないので、兼業などの場合には当然時間などの制約が出る。また、研究ばかりでビジネスを全くやらない可能性もある。


ということで、すべては会社のビジネスモデルや、個々人のパーソナリティによるので、一概には言えないというのが事実であると思う。


ところが、なぜか「経営は研究者ではなく、プロに任せた方がいい」という結論に至る


本当にその方が成功確率が高ければよいけれど、バイオベンチャー系では正直そういうデータは見たことがない。


ではなぜこうした発言が出るかというと、

「その発言をしている人が儲かるから」

である。


いろんな立場でこうした発言をするのだけれど、例えば投資家がこうした発言をする。なぜかというと、本来投資家は、投資したお金を上場やM&Aで投資資金を回収するのだけれど、こうした仕組みができると、経営陣の役員報酬として回収することができるからである。


また、資本関係はなくても、顧問やアドバイザー的な立ち位置として、兼業で役員になって給料(役員報酬)を得ることができる場合もある(顧問やアドバイザーになりたい人って本当に多い)。


ということで、こうした発言を聞いた場合、相手がそれによって得するかどうかを見極めたほうが良い。相手が得するような場合は、警戒することが必須である。


起業をすると仕事が多岐にわたるため、どうしても人任せにしてしまいたいところだけれど、重要なところはしっかりと自分で考えることが必須である。




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